【結婚願望が迷子です】「追っかけをする友人の結婚が上手くいくのはなぜ?」
皆さま、こんばんは。ここ一か月ほど、ティッシュの減りが半端なく、鼻の下がガッサガサに荒れまくっている元キャバ嬢ライターのすずや鈴音です。来世では花粉症のない世界のもとに生まれたいと、割と本気で思っています。
そんな花粉症に悩まされまくっている私ですが、先日、学生時代の友人・H子から連絡が入りました。数年前に出産し、子育てに追われていた彼女ですが、どうやら最近では子育ても落ち着き、余裕が出てきたためか久しぶりに遊ぼうとのこと。
H子に誘われた私は、花粉が吹き荒れる中、早速、彼女のお宅へとお邪魔してきました。
玄関に散乱する謎のスーツケース
H子の家まではすずやの家から電車で30分ほど。待ち合わせ時間に駅へと着くと、早速、H子と成長した長女のふたりが私を待ってくれていました。
久しぶりの再会にウキウキが止まらず、弾丸トークで話し続けるすずや。しかし彼女の家に到着し玄関を開けた瞬間、私は言葉を失い茫然と立ち尽くしてしまったのです。
というのも、玄関先には大きめのスーツケースが開かれた状態で放置され、周囲には脱ぎ散らかした服が散乱。おまけうちわやタオルのような物体が山ほど重ねられています。
「えっと……旅行帰りか何か?」と、私が恐る恐るH子に訪ねてみると、彼女は笑顔で「いや昨日東京でライブあって、ついさっき夜行バスで帰ってきたばっかりやねん」と一言。
んっ?ライブ?東京?夜行バス?……と頭を悩ませるすずやでしたが、次の瞬間、私は思い出したのです。
「そうや、H子は根っからの追っかけ女子やった」という事実を。
追っかけ女子の生態とは?
実は彼女、学生時代から某アイドルグループの熱狂的なファンとして有名でした。当時も北は北海道から南は沖縄まで、グループのライブやイベントがあると聞きつければどこへでも飛んでいき、それ以外の日はびっしりバイトを入れて軍資金を稼ぐという学生生活を送っていたのです。
とはいえ、まさか結婚したにもかかわらず、H子がまだ追っかけ生活を送っているとは夢にも思いませんでした。むしろ、自分の時間をつくることすら難しいと言われる結婚&子育て生活の中で、彼女はどうやって追っかけを続けているのか。
もう久しぶりの再会よりも、その追っかけ事情の方が気になって仕方のない私は、思いきってH子に「子育てと追っかけって両立できるの?」と聞いてみました。
するとH子は私には想像もつかない、充実した日々の一部始終を語ってくれたのです。
追っかけ生活を復活させた彼女の日常とは?
彼女いわく、出産してしばらくは当然のことながら追っかけなどできるわけもなく、ただ子育てに追われる日々を送っていたようです。
しかし徐々に子どもが成長したことを機に追っかけを復活。旦那さんに子どもを任せて、昔のような追っかけ生活を復活させたのだとか。
なるほど。旦那さんの協力もあって、また追っかけができるようになったのか……。と感心するすずや。しかしH子は続けざまに意外な悩みを暴露します。
「でも、周りからは『小さい子どもを放って遊び歩くなんて母親失格』『子どもがかわいそう』とか言われることもあるよ。何も知らないくせにね」と。
どうやら子どもを旦那に預けて遊び歩いているというイメージで好き勝手言われることもあるのだとか。ただ、彼女は追っかけをするにあたり、いくつものルールを自分の中で決めていたのです。
彼女が自分の中で決めたルール
まず彼女が必ず守っているのは、追っかけは最低でも月1回まで。というのも普段、旦那さんが飲みに出かけたり、休日に遊びに行ったりすることに文句を言わない代わりに、自分も月に1度だけ追っかけに使って良い時間をもらうという約束を夫婦間でしているのだそう。そのため旦那さんも一切文句は言わず、毎回笑顔で送り出してくれるのです。
また、追っかけに使う費用は自分がパートで稼いだお金のみ、地方の追っかけからどれだけ疲れて帰ってきてもやるべきことを後回しにしないなど、ここには書き出せないほどいくつものルールを自分の中でつくり、実行しています。
そしてそのルールを守りながら追っかけを復活させた結果、家族の中にも良い影響が出てきたと彼女は教えてくれました。
たとえば定期的にお互いがひとりの時間を持つことにより、小さな不満から生まれる無駄な夫婦喧嘩がなくなったそう。
また、自分が追っかけ中は旦那が家のことをすべてするため、それを機にこれまでH子にすべてを丸投げだった旦那が家事や育児を以前よりも積極的に手伝ってくれるようになったのです。
なにより、子育てを始めた頃は小さなことでイライラしたり落ち込んだりと精神的に不安定だった彼女。それが月1の自由時間を設けることにより余裕が生まれ、今は子育てでイライラすることがほとんどなくなったのだとか。無論、子どもに優しい気持ちで接することができるようになったそう。
「だからさ、周りがどう言おうと私たち家族にはこの形が一番合ってると思うねん」
そうイキイキと話す彼女を見ながら、私は心の底からうらやましさを感じたのです。
幸せの形は家庭の数だけある
「結婚は自分の時間を奪われる」「これまで通り好きなことができない」と、結婚に対して不満ばかりを抱いていたすずやですが、今回H子の話を聞き、「結婚生活が自由を奪われる苦痛であると感じるかどうかは、夫婦のあり方次第なのではないか」という事実を知ることができました。
同時に結婚生活や子育てにおいて「これが普通」なんてものはなく、家庭ごとに幸せの形も違うのだという当たり前のことに気付かされた気がします。
もし私に結婚願望が生まれたら、H子みたいな家庭が理想かも。
そんな前向きな考えと良い影響を与えてくれた彼女に感謝し、今後も彼女の追っかけ人生を応援していこうと思ったすずやなのでした。