【結婚願望が迷子です】「結婚生活において食の好みは重要か否か考えてみた」
お鍋が美味しい季節になってきましたね。どうも、2日に一度はコタツでひとり鍋を楽しみながら寒い冬の時期を過ごしている元キャバ嬢ライターのすずや鈴音です。
さて、突然ですがみなさんは食に関するこだわりってありますか?私はあります。まず、夕食は“お酒に合うメニューであるかどうか”を基準に考える。そして一度ハマるとそればかりを毎日食べ続ける。ええ、要はちょっとした偏食野郎です。
そんな私が今回お伝えしたいのは、結婚生活における食の重要性について。まずはそれを考えるきっかけとなった出来事から紹介していきたいと思います。
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「結婚生活において食の相性は大切」だと思った出来事
それは数年前のことでした。私は友人H美とその旦那さんの3人で飲みに出かけたのです。そこでH美が選んだのは、お鍋の専門店。冒頭でもお伝えした通り、お鍋が大好物であるすずやはもちろん喜びましたよ。
しかし店に入ってすぐ、H美の口から出たのは「やっぱり鍋と言えばキムチ鍋だよね」という一言。
ちょっと待ってくれ!
実はこう見えて(?)辛い物が苦手なすずやさん。キムチ鍋も嫌いではないのですが、自分で食べるときは規定以上の水を入れて辛さを薄めます。もちろんお店で出されるキムチ鍋など食べられるわけがありません。
そんな私の心境などつゆ知らず、H美は「キムチ鍋3人前、辛さはこれで」と一番辛いランクのキムチ鍋を注文しやがったのです。
ひとり辛さと戦う独身女と幸せそうな夫婦の温度差
そして運ばれてきた鍋を見るなり、私は顔面蒼白となりました。もうね、あれは鍋の色じゃなかったよ。ただただ赤黒い汁が注がれただけの物体が運ばれて来たんですよ。
とはいえ、極度の気遣い人間である私が文句を言えるわけもありません。我慢して一口食べてみるものの、喉が焼けるように熱くなり、全身から汗が噴き出ます。何なら胃が痛くなり、ただの汗が冷や汗へと変わってきたのです。
そしてふと目の前にいるH美夫妻を見ると、「やっぱりこの辛さが最高だよね」「やべ、めっちゃうまいんだけど」と笑顔で激辛のキムチ鍋をこれでもかと食べ進めているのです。
そこで私は初めて気づいたのです。結婚相手との食の相性って本当に大切なのだと。
H美夫妻は辛い物好きという点で気が合っているため、普段からこうして一緒に食事を楽しめるのでしょう。しかし、もしも私が男でH美の旦那であったら、おそらく即離婚を考えます。
同時にそれ以来、私は「もし結婚願望が生まれ、結婚するとなったら絶対に食の趣味が合う人じゃないと無理」と思うようになったのです。
行きつけの居酒屋でおじさんと意気投合
以来、私は他人に気を遣わずにひとり好きな物を食べて飲める“ひとり飲み”にハマるようになりました。行きつけの赤提灯のお店もでき、独身女性ならではの気ままなひとり酒ライフを満喫していたのです。
そして先日、いつも通り仕事を終え、行きつけのお店で飲んでいるとカウンター席の隣に座っているおじさん(推定60歳前後)から声をかけられました。「姉ちゃん、頼んでるそれ何や?」と。
おそらく私が先ほど頼んだばかりの鳥肝のしぐれ煮が目に入ったのでしょう。「大将、わしも同じやつ頼むわ」と私と同じものを頼むおじさん。その後も、私が頼む一品やお酒に興味を持っては同じものを注文し続けるおじさん。
そして最後には「うまいなこれ、お姉ちゃんとは食の趣味が合うな」とおじさんは私に向かって笑顔で話しかけてくれたのです。
そのとき私は思いました。「食の趣味が合う相手だと自然と親近感が持てるのだ……」と。
もちろん相手は何十歳も年上のおじさまですから、そこで恋心を抱くことなどありません。ただ過去の経験(キムチ事件)と比較したうえで「結婚するならやっぱり食の趣味が合わない人よりも合う人だな」と改めて実感したのです。
気が合うはずが、まさかの事件勃発
その後も食の趣味が合うおじさまと意気投合し、行きつけのお店で楽しくお酒を飲んでいたすずやさん。
しかし、予想だにしていないところで事件は起こったのです。
それは私がきゅうりの浅漬けを注文したときのことでした。
それを見て先ほどまでニコニコしていたおじさんが突如表情を変え、「姉ちゃん、それは今頼むタイミングちゃうで」とイチャもんをつけてきたのです。
確かに浅漬けは定番のスピードメニューでもあるため、本来であれば最初に注文すべき品なのかもしれません。しかし私は最後にあっさりとした浅漬けが食べたかったのです。
一応、「いや、もうそろそろ帰るので最後にあっさりしたものが欲しかったんです」と伝えてみたものの、「やっぱりまだ若いな、そんなん酒飲みとして邪道やで」と鼻で笑われてしまいました。
まあ、その場は私が笑顔で流すことで特に問題もなくスルーしたのですが、心の奥底では叫びましたよね。「人の食事に口出しするなよ、このクソじじい!!!」と。
食の趣味が合うことは大切、でも100%を求めるのは間違い
そんな食に関するさまざまな経験を経て、私が気づいたこと。
それは食だけでなく趣味や価値観に対しても言えることですが、自分と気が合う相手に出会うと、人は無意識のうちに「この人は自分をわかってくれている」と勝手な期待を押しつけます。そしてその身勝手な期待が、ちょっとした考えの違いを許せずに相手と揉める原因をつくる場合もあるのだ、ということ。
実際、H美とは食の趣味がまったく合わないものの揉めることはありませんでしたが、浅漬けで揉めた見知らぬおじさんのことは心底嫌いになりました。
相手と合わないのも問題だけど、合いすぎるからと言って良いわけではない。
ということは「結婚するとなったら絶対に食の趣味が合う人じゃないと無理」と思っていた私の考えは、実は正しい選択ではなかったのかもしれません。
もし今後、私に結婚願望が生まれることがあれば、そう心得ようとまたひとつ勉強になりました。
そして今回の件で「やっぱりご飯はひとりで食べる方が楽だ」と改めて思ったすずやさんなのでした。