ラブホスタッフ上野の恋愛相談〜告白する者の義務と告白した者の義務〜

ご相談内容
高嶺の花であり、仲の良い女の子を好きになってしまいました。
玉砕覚悟で告白することも考えましたが、距離感が生まれてしまうことが怖くてそうもできません。
そこで、このような子を振り向かせる方法や、振られても距離感を生まない方法について教えて頂きたいです。
18歳男性
ラブホスタッフ上野の回答
ご質問誠に有難う御座います。
例えばご質問者様がデパートに行って服を買いに行った時、こんなことを言われたらどう思うでしょうか?
「この服、俺がデザインしたんですけど、正直デザイン悪いですよね……それなのに1万円って……自分でも高すぎるって思うんですよ。でも、もしよかったら買ってくれません?」
こんなことを店員さんに言われたら、そんな服は絶対に買わないことでしょう。
これから1万円出して買おうとしているのに、向こうから「1万円も価値がない」と言われてしまっているのです。
あまりにもバカバカしくなってしまいその服を買うことは決してないことでしょう。
もしかしたらご質問者様はそんな店員さんを見て「この店員はバカなんじゃないか?」と思うかもしれません。
しかし、残念ながら今のご質問者様がやろうとしていることはこれと同じで御座います。
今回の女性がどういった理由で「高嶺の花」なのかは分かりませんが、高嶺の花と思っているということは「自分には勿体ない魅力的な女性だ」とご質問者様が思っているのは間違いありません。
つまりご質問者様は自分で「俺と彼女は釣り合わない」と言ってしまっているのです。
これは「この商品は1万円の価値がありませんよ」と言っている店員さんと何も変わりません。そんなことを言われたら、買おう思っていた人すら買う気が失せてしまうのです。
ですのでご質問者様が告白を成功させたいのであれば、まず「高嶺の花」という思い込みを捨てなくてはなりません。
自信は強がりでいい
よほどのナルシストでもなければ、自分が作った作品に自信など持てません。
先ほどの店員さんのように「正直1万円も価値があるとは思えない」というのが多くのクリエイターの本音でしょう。
ですがここで「この商品には1万円も価値がない」と言っていけないのです。
これからその商品を買おうとしているお客様にそんなことを言うのは謙虚ではなく言い訳にすぎません。
もしも本当に1万円の価値がないと思っているのであれば、その商品を店頭に並べてはいけないのです。
店頭に並べた以上はたとえ自信がなくても「1万円の価値がある」と胸を張らなくてなりません。
告白もこれと同じでしょう。
もしもご質問者様が彼女のことを「自分とは釣り合わない高嶺の花」と思っているのであれば、そもそも告白などしてはいけないのです。
告白をする以上、どれほど自信がなくても「自分は相手に釣り合う魅力的な人間である」と言い張らなくはなりません。
それこそが自分という商品を告白で相手に売り込む者の最低限の義務でしょう。
強がりでも嘘でも良いので、告白をする以上は「自分は相手と釣り合う魅力的な人間である」と言い張らなくてはなりません。
玉砕覚悟の告白などもっての外。
友人やクラスメイトから「あんな高嶺の花によく告白したな」と陰口を叩かれるような関係性であったとしても、それでもなお告白するその瞬間は自分に「俺は彼女と釣り合う魅力的な男だ」と言い聞かせなくてはならないのです。
告白した者の義務
この世に100%成功する告白が存在しない以上、告白をする者は告白に失敗した時の対処法も学んでおくべきでしょう。
告白する以上、告白する人間は「告白された人間」の気持ちを最優先に考える義務があると私は思います。
告白する側からすれば何ヶ月も前から用意をしていた告白で御座いますが、告白される側からすれば突然の巻き込み事故と変わりません。
何の準備もしていないのに、いきなり告白されて世界が変わってしまった。
告白をする人間は仮に失敗したとしても、そんな状況に戸惑う「告白された側」の気持ちを最優先で考えるべきでしょう。
ご質問者様が「告白に失敗しても気まずくなりたくない」とお考えになる気持ちは分かります。
ですが告白をする以上、ご質問者様の気持ちなど二の次なのです。
まずは何と言っても相手の女性の気持ちが最優先。その女性にとって都合の良い状況を作るために全力を尽くさなくてはなりません。
相手の女性が距離を取りたいと思ったら、距離を取れるように尽くし。
相手の女性が距離を取りたくないと思ったら、距離を取らずに済むように尽くす。
これこそが告白をした者の義務でしょう。
ご質問者様の気持ちなど関係ありません。
ご質問者様の告白によって、突然世界が変わってしまった彼女の願いを最優先に考えてくださいませ。
今、ご質問者様は「告白に失敗しても距離を取りたくない」と仰っておりますが、実際に告白に失敗したら十中八九、彼女と距離を取ることを望むことでしょう。
少なくとも告白に失敗した翌日、教室で彼女と顔を合わせたくないと思うはずです。
そして意図的に彼女と距離を取り、自ら気不味い関係を作ってしまう。告白に失敗した人はいつだってそんな自分勝手な行動をとってしまうものなのです。
しかし、彼女はどう思っているでしょうか?
告白こそ断ったものの、ご質問者様との関係は維持したいと思っているかも知れません。
気まずくて気まずくて仕方がないものの、また前と同じように楽しい関係を築きたいと思っているかも知れません。
彼女がそんな願いを持っているとしたら、気不味いからと言って自ら距離をとってしまう告白者の行動はあまりにも身勝手なものであると言えるでしょう。
もしも彼女が距離を取りたいと思っているのであれば、身を引く。
もしも彼女が前と同じ関係に戻りたいと願っているのであれば、何事もなかったかのように振る舞う。
気不味いからと言って、勝手に距離を取るような行為は告白された者の気持ちを尊重しておりません。
どれほど気不味かろうが、相手が前と同じ関係を望んでいるのであれば、何事もなかったかのように強がって前と同じように接することこそが、告白をした者に課せられた義務なのです。
告白に失敗した日の翌朝。
クラスで彼女と再会した時、ご質問者様は人生で味わったことのないような気不味さを感じることでしょう。
そして間違いなくその場から逃げ出したくなるはずです。
しかし、相手の女性がご質問者様と同じかそれ以上の気不味さを感じているのは間違いありません。
それならば、その気不味さを払拭するために強がるのは誰の義務でしょうか?
告白された側に「気不味さを払拭するために強がってくれる」なんていう仕事をさせてはいけません。
告白するときに強がり。
告白に失敗したときも強がる。
告白をする人は大変な義務を背負っているということをどうかご理解いただければ幸いです。
執筆者:ラブホスタッフ上野
都内某所のラブホスタッフ。
ツイッターで「ラブホテルに女性を誘う方法」を紹介していたこと
「ラブホの上野さん」(原案:上野・作画:博士 株式会社KADOKAWA〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉)の原作を務める。
現在では自身のホームページやツイッターなどで活躍中。
(DOKUJOオリジナルサイトで上野さんへ相談を送ることができます)