ラブホスタッフ上野の恋愛相談〜好きでもない男に執着してしまう女性の話〜
ご相談内容
マッチングアプリで知り合った人に片思いしています。
彼も私も同い年の社会人です。
3ヶ月前にマッチングし、2ヶ月前に2度デートをしました。
当初は彼から積極的にデートのお誘いや毎日長文LINEをくれて、好意が感じられました。
デートも話が盛り上がり(彼の話をほぼ聞いていました)、マッチングアプリを辞めようかなという言葉も聞きました。
ですが2度目のデート後から徐々に彼の熱が冷めたのか、そっけないLINEが来るようになりました。
短文かつ疑問文もなく、次のデートの話も出さなくなりました。
こちらから次を仄めかす発言をしてもスルーされました。
諦めて返事の必要性のない雑談を細々としていた為、最終的には彼の既読スルーでLINEは終わりました。
それから3週間が経ったので、そろそろ行動をしたいと思います。
彼はまだマッチングアプリを続けている為、恋人はできていないと思います。
この脈ナシ状態から挽回するにはどうすれば良いのでしょうか?
ぜひアドバイスを伺いたいです。
27歳 女性
本当に好きなの?
ご質問誠に有難う御座います。
今回のご質問文を読んでいて、最後から2行目を読んだ時に私はとても驚きました。
「ああ、挽回したかったのか」と。
というのもご質問文を読んでいて、ご質問者様が彼のことを好きだと思えなかったのです。
ですので最後から2行目を見るまでは
「今回、私は何が悪かったのでしょうか?」とか
「今後、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?」というご質問が来るとばかり予想していたので、
「挽回したい」という文章にとても驚きました。
それでは一体なぜ私は「ご質問者様は別に彼のことが好きではない」と感じたのでしょうか?
その理由は大きく3つ御座います。
まず1つ目ですが、ご質問文には彼の良いところが1つも書かれていないという点。
強いて言えば
「当初は彼から積極的にデートのお誘いや毎日長文LINEをくれて、好意が感じられました」
という部分が彼の良いところかも知れませんが、
彼の人格や外見を褒めるような一文が存在しないのです。
つまり彼のことを好きになった理由が全く書かれていないのです。
次に2つ目ですが、2回のデートの感想が全くないという点。
「デートも話が盛り上がり(彼の話をほぼ聞いていました)、マッチングアプリを辞めようかなという言葉も聞きました」とは書かれているのですが、
それでご質問者様がどう思ったのか、ということが全く書かれていないのです。
そのデートが楽しかったのか、つまらなかったのか。
彼の誘いはスマートだったのかそうではないのか。
どのような内容でも良いのですが、デートに対しての感想が全く書かれておりません。
そして最後に3つ目。
これが最も重要なのですが、彼の行った行動が全体的に非難的に書かれているのです。
その最たる例はこの部分。
短文かつ疑問文もなく、次のデートの話も出さなくなりました。
こちらから次を仄めかす発言をしてもスルーされました。
諦めて返事の必要性のない雑談を細々としていた為、最終的には彼の既読スルーでLINEは終わりました。
例えばこの部分を
短文かつ疑問文もなく、次のデートの話も出なくなってしまいました。
こちらから次を仄めかす発言をしても、デートの話には繋がりませんでした。
諦めて返事の必要性のない雑談を細々としていたものの、結局LINEは盛り上がりませんでした。
というように書き換えてみましょう。
言っている内容は同じですが、ご質問文がかなり非難的に書かれているということがご理解頂けるのではないでしょうか?
もちろん彼の行動を非難的に書くことが悪いことだとは思いません。
しかし「挽回したい!」と考えている方が書いた文章としては、かなり違和感があるのをご理解頂けるのではないでしょうか?
「挽回したい!」ということは相手に対して好意があるということ。
その割には随分と相手を非難的に書くと思わずにはいられませんでした。
コンコルド効果
女性がマッチングアプリを始めるためには、非常に大きな決心が必要でしょう。
また仮にマッチングアプリを始めたとしても、その中で男性を選び、実際に会うためにはさらに大きな勇気と決心が必要です。
ですので少なくとも1度男性と会っているご質問者様の勇気と決断力に私は大きな敬意を持っております。
しかし、今回の場合その大きすぎる代償が逆にご質問者様の行動を制限しているのではないかと感じました。
これはコンコルド効果と呼ばれる心理的効果が働いているのだと私は思います。
コンコルド効果というのは、超高速旅客機コンコルドの失敗に由来する言葉であり「代償を払いすぎると引っ込みがつかなくなる」という効果のことで御座います。
コンコルドは莫大な予算を投入して開発した飛行機なのですが、その開発の途中で「これって開発に成功しても元が取れないよね?」ということが判明してしまいました。
しかし、すでに大量に予算を投入していた企業は失敗することが分かりきっていながら開発を継続し、さらに大きな金額を投入してしまいました。
失敗することが分かっても、莫大な予算をつぎ込んでいるプロジェクトを途中で中断することが出来なかったのです。
その結果は当然失敗。
そして途中で開発を断念していれば失わずに済んだお金も失うことになりました。
人間は莫大な投資をしていると引っ込みがつかなくなってしまうのです。
それではこの心理をご質問者様に当てはめて考えてみましょう。
先ほど申し上げた通り、ご質問者様はすでに莫大な勇気と決心という予算をその男性につぎ込んでおります。
ですので途中で「正直、この男はあんまりタイプじゃないな……」と感じても、
自分の行動を変えることが出来ず「好き」と思い込んでしまっているのではないでしょうか?
コンコルドの開発陣がどれほど「元が取れない」というデータを見ても、「絶対に成功する」と自分に言い聞かせていたのと同じです。
ご質問者様は本当はその男性のことが大して好きではないのに、すでに投下してしまった投資に惑わされて「好きだ」と思い込んではいないでしょうか?
失敗を認められない人
先ほど申し上げた通り、今回のご質問文に彼の人格を示す言葉はほとんど存在しないので、今回の男性がどのような男性なのか私には分かりません。
しかし、ご質問者様の人格については多少なりとも読み解くことが出来ました。
特に気になったのがご質問文のある特徴。
恋愛が上手くいっていない方のご質問文には必ずといっても問題ないほど書かれていることが、ご質問文には書かれていないのです。
それは「〇〇が悪かったのでしょうか?」という文章。
恋愛が上手くいっていない方は、当然ですが何かしらの原因があって恋愛が上手くいっていないのですが、ご質問者様はそれに関して一切の言及がないのです。
「彼にばかり喋らせて、私がほとんど喋らなかったのが問題だったのでしょうか?」とか
「彼のタイプの顔ではなかったのでしょうか?」というような、
自分のどこに非があったのかを考える文章がご質問文には存在いたしません。
実際に何が原因で上手くいかなかったのかということは今回あまり重要ではないでしょう。
「ここが悪かったのでは?」という疑問を書いていないことが問題なのです。
もちろん自分の何が悪かったのか一切予想が出来ないということもあるでしょう。
しかしその場合でも「何が悪かったのか分かりません」と書く方が非常に多いのです。
自分の問題点を書かない。
相手を叱責する文章を書く。
この2つの特徴から、私はご質問者様が「失敗を認められない人」ではないかと推測いたしました。
つまり今回の男性との関係性において、
自分には問題点がなく、相手の性格よってのみ問題が発生したと伝えたいのではないかと感じてしまうのです。
そのことを私の中で決定付けた一文が
デートも話が盛り上がり(彼の話をほぼ聞いていました)、マッチングアプリを辞めようかなという言葉も聞きました。
で御座います。
デート中に相手の話を聞くことに問題は御座いません。むしろ相手から好かれるためには非常に重要な行動でしょう。
しかしそれを「彼の話をほぼ聞いていました」とわざわざカッコ書きで書くあたり、ご質問文から「私はちゃんと話を聞いてました」というアピールを感じるのです。
また「マッチングアプリを辞めようかなという言葉も聞きました」という部分も
「彼は確かに好意を口にしまいた」という言質を取ったアピールに感じました。
繰り返しになりますが、私は別にご質問者様のことを非難したいわけでは御座いません。
そうではなく「ぶっちゃけあんまり好きじゃないんじゃないの?」ということを確認したいだけで御座います。
というのもコンコルド効果が発生しやすい人の最大の特徴は失敗を認められないだからで御座います。
取るべき行動は一緒
それでは最後に今後、ご質問者様が取るべき行動についてお話をさせていただければ幸いです。
私はご質問文を読んで「ぶっちゃけあんまり好きじゃないんじゃないの?」と予想をしましたが、もしもこの予想が外れていたとしても取るべき行動は変わりません。
その行動とはズバリ「別の男性とマッチングする」で御座います。
もしもご質問者様が本当は彼のことが大して好きではないにも関わらず「好き」と言い聞かせているのであれば、この方法で問題は解決するでしょう。
また逆にご質問者様が本気で彼のことを好いていたとしても、この方法こそが最も挽回できる方法で御座います。
というのも現時点では私はもちろん、おそらくご質問者様も今回の彼の熱が冷めた理由が分からないことでしょう。
ですので今のまま同じように彼にアタックをしたとしても「しつこい女」と思われてしまうのが必至です。
彼に再アタックをするにしても、まずはその前にご質問者様が今回の恋愛で失敗してしまった理由を考える必要があるでしょう。
そのためには別の男性とマッチングすることが最も効果的で御座います。
何もその男性と本気で恋愛をしろ、とは言いません。
その男性とマッチングをする中で「自分のここが悪いのでは?」という問題点を探して頂きたいのです。
そしてその問題点を解決したら、今回の男性に再アタックをすると良いでしょう。
しかしこの方法には1つだけ欠点が御座います。
それは時間。
今回の男性がマッチングアプリで別の女性と恋人になってしまったら、再アタックのチャンスは失われてしまいます。
ですのでどうかお急ぎくださいませ。
彼が成功する前に、ご質問者様が再アタックをしなければならないのです。
早速今週末にでも、誰か別の男性とマッチングをし、ご自身の課題を見つけていただければ幸いです。
(オリジナルサイトで上野さんへご相談を送ることができます)
執筆者:ラブホスタッフ上野
都内某所のラブホスタッフ。
ツイッターで「ラブホテルに女性を誘う方法」を紹介していたこと
「ラブホの上野さん」(原案:上野・作画:博士 株式会社KADOKAWA〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉)の原作を務める。
現在では自身のホームページやツイッターなどで活躍中。