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初産年齢30歳超えに安心?アラサー女子の「少子化白書」

政府から2013年版「少子化社会対策白書」が発表された。女性の初産平均年齢が30歳を超えたという事実を受け、ますます少子化対策に熱が入れられることだろう。

皮肉なことに、この数字を見た私たちアラサー女子は「私たちまだ焦らなくて大丈夫じゃん」と安堵の表情を浮かべてしまったのである。

「焦らなくて大丈夫!」というアラサー女子の真意とは

初産平均年齢の発表を受けて、「30歳が平均なんて。32歳の私はちょっと遅れているだけだから大丈夫」「20代で子どもと産んだ友だちは早いほうだったんだ」「25歳が初産平均年齢だったら焦るけど、30歳ならば焦らない」というのが周りの女子の声である。

「少子化」が問題視されているのは、もちろん知っている。家族親戚からのプレッシャーに加え、国からも「孫の顔が見たい」と言われているのが私たち。お国のために結婚・出産をがんばりたいとは思っているが、なかなかうまくいかないのが現状である。

少子化の要因の一つとされている、婚姻率の低さは周知の通り。

先ごろ発表された調査では、生涯未婚率は男性20.1%、女性10.6%。「結婚しない」と決めた人は男性9.4%、女性6.8%もいるようなのだ。

日本全体が婚期を遅らせる「ぬるま湯」になっている!?

現在の若者は、どこか結婚に対して距離を置いてしまう風潮がある。都会の男性は特にそうだ。結婚は「重たい」、女は「面倒くさい」、金は「自分だけで使いたい」と言う人は少なからず存在する。

結婚を身近に感じられない女性も少なくない。独身のままでも、私たちは仕事に遊びに充実した暮らしをしている。「結婚したいけど、今の生活を捨てることになるのか……」と思うこともしばしば。

さらに現代は、ちょっとした「女子ブーム」である。テレビを見れば、我の強い女子や痛い女子、ダメ恋愛を繰り返す女子がもてはやされている。「独身同士でつるんでいると婚期が遅れる」という話はよく聞くが、今や日本全体が婚期を遅らせる「ぬるま湯」と化している。

女子のオリの中で、仕事や遊び、グルメにプチ贅沢などというエサを与えられ、どんどん高くなるオリの柵。結婚するためには、恋をして、この柵をウンショウンショと這い上がらないといけない。あぁ、なんだかとっても大変。こんな思いしてまで結婚しなくちゃいけないの……?

こうして私たちにとって結婚は「特別で、遠くにあり、ものすごく偉大なこと」になってしまった。

彼氏を作ろうにも……結婚はおろか、恋をするのも大仕事

事実、女子にとって「結婚」、厳密に言うと「恋愛を経て結婚」はものすごく敷居が高い。電車で左手の薬指に指輪をしている若い男性や、子どもを連れているママを見ると、偉業を成し遂げた雲の上の人のように感じる。「この人はどんな偉大な大恋愛を経て結婚までこぎつけたのだろう……」と。

私のような恋人のいない女子が結婚を考えるとなると「これから誰かに出会って、連絡先交換して、デートをして、両思いになって……」なんて、気が遠くなるほどの大仕事だ。「男に選ばれる」といういまだ見ぬ、巨大なモンスターに立ち向うようで、もはや彼氏を作ることさえ、ハードルが高くなってしまった。

さらに年を重ねれば、頭ばかり良くなるのが事実。

ここでいう頭とは「どうすれば男にモテるか」という恋愛脳だ。本やネットには「恋愛のルール」があふれているものだから、お勉強好きな女子は、恋のテクニックをどんどん暗記していく。

「モテテク」を多用して男性を誘惑したり、男性を困らせてみたり、気のないそぶりをして駆け引きをしてみたり……。これが男性には「素直じゃない」「面倒くさい」などと映るようで、悪知恵を知らない心のキレイな若い女子たちが飛ぶように売れる悲しき現実。

お勉強してきた図式に恋が当てはまらなかったら「はあ、恋愛って難しい……」とため息。そして恋愛への苦手意識が積み重なり、恋することへのハードルが上がっていくのだ。

アラサー女子にとって、結婚は東大受験よりも難しい?

結婚を望む女子は多い。しかし、結婚にたどり着くまでは、とても長く険しい道のりが見える。偏差値30から東大受験を目指す気分だ。大げさかもしれないが、共感してくれる女子はたくさんいるはずである。

そもそも結婚とは、こんなに敷居の高いものなのだろうか。人生ゲームのように、結婚のマスに着いたら車にパートナーを乗せて、何事もなかったかのように走っていくものではないのだろうか。

いまだわからない「選ばれる女」の条件。結婚という受験に受かるには、一体どれくらいの知識が必要なのですか?教えてください、既婚者のみなさん。

東 香名子

コラムニスト。東京独女スタイル編集長を歴任。1983年生まれ。独身女性の視点から、恋やライフスタイルを分析したジャーナリスティックなコラムを得意とする。雑誌「デートスペシャルなび」で連載中。テレビ、雑誌、ラジオ等各方面で活躍中。電子書籍「モテる!ソーシャル恋愛術」「ここで差がつく街コンテクニック」等。趣味は鉄道。

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