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不幸じゃない!シングルマザーになった女子が出産から得たものとは

「性感染症」「中絶」から続いて、今回は「出産」の話をしたいと思います。恋愛して結婚して、そして出産する……。誰もがそんなメジャーなルートを通れるわけではありません。

本人が希望しているかは別として、全く別のルートを進む場合もあります。今回はそんなビッチちゃんから学ぶお話です。

なんで結婚してくれないの!?シングルマザーちゃん

<プロフィール>
名前:シングルマザーちゃん
年齢:30代半ば

現在は3歳の息子を抱えるシングルマザーちゃん。彼女は結婚をしないまま出産し、産後すぐに子供を保育園に預け、今でもひとりで働きながら子供を育てています。

なぜ彼女がシングルマザーになったのか。それは、本人が「そうしよう」と思って決めたことではありませんでした。

就職を機に上京してきたシングルマザーちゃん。自分から求人に応募したり、知人に紹介してもらったり、色々な業種の職場を転々としますが、どこも長続きしません。

特別に美人というわけではありませんが、愛嬌のある顔をしており、性格は真面目。特に、問題がありそうには思えません。

しかし彼女は、真面目を通り越して、「思い込みが強すぎる、ちょっと深く付き合うには面倒なタイプ」。上京したいと思ったのも「実家を出たい」という理由から。事実はどうであれ親からの愛を実感したことがないと言っていました。

つまり、常に愛に飢えていたのです。 そんな彼女ですから、声をかけてきた男性をすぐ好きになってきてしまいます。そしてすぐに体を許してしまいます。

そう、真面目な彼女の仕事が長続きしない理由は、職場での「異性間のトラブル」でした。 愛してほしくてすぐに心と体を許していたものの、相手の男性にしてみれば「都合のいい女」と見る人も多かったのでしょう。

彼女の求める愛に応えきれず、次々に彼女のもとを去っていきます。 そんなあるとき、彼女はひとりの男性と出会いました。それが息子の父親となる男性です。

離婚歴があり、前の妻との間に子供がふたり。自営業で不安定な仕事をしており、友人には薦めたくないタイプの男性のようです。

子供好きの男性は彼女に「子供を作りたい」と持ちかけ、彼女はそれを喜びます。そんな風に愛されたことはないと。でもそれは、彼女の勘違いだったのです……。

「当たり前コース」から外れる強さを教えてくれた彼女

彼との性行為は、最初から子作りを目的としたものでした。避妊は一度もしたことがなかったそうです。おかげで、体の関係をもってから半年も経たない頃に、彼女は妊娠しました。彼女も彼も、妊娠を喜びました。

しかし、彼女はふたりの関係に疑問をいだきました。

「私たちは結婚するのだろうか?」

「そもそも付き合っているのだろうか?」

妊娠したと言っても、一緒に住むという話はまったく出ず、彼は「離婚経験があるからもう結婚は懲りた」とすら言う始末。

また、体の関係以外の食事や外出のような、いわゆるデートはちゃんとしたことがありませんでした。

でも彼女は彼のことを愛していたし、なんとか信じようとして、お腹の子が8ヶ月まで育ったときのことです。急に、相手の男性の「彼女」と名乗る人物からSNSを通して連絡があったのです。

その人もビッチちゃんの妊娠をつい最近知ったようで、状況の説明を求めてきました。しかしビッチちゃんも、そんな人がいることは初めて知ったのです。

他に彼女がいようと、彼との結婚の話が進まなくとも、どんな状況であろうとあと2ヶ月でお腹の子は生まれてくる…。今さらどうにもならない状況です。 彼女は腹を括って、息子を出産しました。

その後、「彼女」と名乗る人からはSNSを通じて「憎んでいる」「子供もあなたも殺したい」というようなメッセージが送られることもありましたが、直接連絡をとる手段はないのでSNSをブロック。

一方、彼はやはり結婚もしてくれず、一緒に住むこともなく、さらには「彼女」との関係も続いているよう。それでも少なくとも週に1度は息子とご飯を食べてくれたり、仕事で忙しいときは息子の面倒を見てくれたりしているそうです。

もしかしたら彼は、彼女を愛していたのではなく、自分の子供がほしかっただけかもしれません。その母親が彼女であることには、実は意味を見出していなかったのかも……。

そんな風に彼やママ友の手助け、区の支援を利用したりして、シングルマザーちゃんは一人で息子を育てています。彼女は息子と出会って、とても大きな愛を得ることができました。

「親の愛が足りない」という思いをずっと抱いていた彼女は、息子のことは誰よりも愛してあげたいと願っていました。

それまでもペットや子供を人一倍可愛がる彼女でしたが、子供が生まれてからはその分の愛が息子に全力で注がれているのです。息子を愛することによって、彼女自身、愛というものを実感できているのかもしれません。

一般的には、恋愛、結婚、そして出産という手順を踏んで、父親母親揃った段階で子供が生まれてくることがベターであると言えます。

彼女の場合もそれを望んではいましたが、残念ながら叶いませんでした。 しかし、彼女は誰よりも子供を愛しています。また、息子の父親も、彼女自身とは微妙な関係ではあるものの、子供を愛してくれています。

今回のようなケースに限らず、世間の「当たり前コース」から外れてしまったとしても、それ自体は誤りではありません。

「当たり前」はただの大多数であり、優先すべきは貴女自身の幸せだと思います。 シングルマザーちゃんの場合は、子供を通して大きな愛を手に入れたという点で、「当たり前コース」ではないけれど、幸せな道筋を辿っていけるのではないでしょうか。

文・田口桃子
女性向け動画サイトGIRL’S CHプロデューサー。女性メディアDOKUJOで「となりのビッチちゃん」連載中。性に対して前向きな女性を「ビッチちゃん」と呼び、普段あまり取り上げられない彼女たちのライフスタイルを世に広めることで日本のタブーに挑戦している。「となりのビッチちゃん Vol.1 – 女性向け動画サイトプロデューサーが語る、女子の最新「夜事情」とは?」

田口桃子

GIRL'S CHプロデューサー。

2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。

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