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「婚前契約」は円滑な結婚生活を助ける!弁護士がメリットを解説

ハリウッドセレブや海外の富裕層の間ではもはや常識ともいえる「婚前契約」。日本でもSILVAさんや遠野なぎ子さん、最近では大渕弁護士などで以前話題になりました。

しかし、愛で結ばれるはずの結婚に「契約」を設けるというのは、なかなか馴染みがないもの。今回、「婚前契約」について弁護士の正木裕美先生に聞いてみました。

そもそも「婚前契約」って何?

まず、「婚前契約」とはどのようなものなのでしょうか?

「『婚前契約』は、海外ではプリナップとも呼ばれます。離婚のときに話題になることも多いので、聞いたことのある方も多いかもしれませんね。例えば、ハリウッドスターのトム・クルーズとケイティ・ホームズは、『結婚11年以内に離婚したら、慰謝料としてトムがケイティに結婚年数×300万ドル払う』と契約。実際は5年で離婚をしてしまったので、1,500万ドルを支払ったそうです。日本では、今年9月に再婚した歌手のSILVAさんが、外での飲酒は週2回までなんて約束をしているそうです」

結婚前に離婚について約束するなんて……何だがとても複雑です。

「そうですね。女性の地位が低かったことなどから、日本ではこれまで馴染みは薄かったのかもしれませんが、最近は契約するカップルが増えているようですよ」

これから常識になる!?「婚前契約」の結び方

最近「婚前契約」をするカップルが増えているそうですが、実際どのように結べばいいのでしょうか?

「日本の法律では、夫婦財産契約の決まりがあるだけなので、内容は原則自由に決められます。一般的なのは、財産や生活費をどうするか、結婚中の家事・育児・介護などの分担方法、離婚時の慰謝料や財産分与といった事項です」

事務的な内容が多くなるのですか?

「そんなことはありません。堅い内容に限らず、『結婚して子どもが生まれても名前で呼んでね』とか『月1回は夫婦水入らずでデートしよう』なんて甘~い約束でもかまわないのですよ。

どんな内容にしろ、法律上、結婚後に夫婦がした約束は夫婦関係が破綻していない限りいつでも取消しできるとされているので、結婚前に契約するのがポイントです」

独身のうちに知っておこう!「婚前契約」のメリット

しかし、なぜわざわざ契約にする必要があるのでしょうか?

「それは、結婚生活を円滑にするメリットがあるからです。よく、夢見た結婚生活と現実は違ったなんて聞きますが、一番多い離婚の理由は“性格の不一致”。恋愛中は気にならなかった小さな価値観の違いでも、結婚後に積み重なると離婚に繋がることもあります。そのため、将来どういう結婚生活が送りたいのか、結婚生活で譲れないことは何なのか、結婚前に二人でしっかり話し合っておくことは、将来の夫婦円満にも繋がるのです」

「婚前契約」を結ぶべきカップルはいるのでしょうか?

「どちらかが資産家だったり、国際結婚、事実婚とも言われる内縁や再婚、熟年婚などの場合は、メリットが大きいでしょう。また、夫婦を取り巻く利害関係人が多いケースでも、トラブル防止に役立ちます。

また、円満なカップルにもメリットがあります。万が一離婚となると、それまでの信頼関係がガラガラと崩れ、財産分与などで激しくモメることも少なくないからです。円満な関係の時だからこそ、何がベストか冷静に判断することができますから、もしもの時は満足のいく離婚に近づくこともできます」

基本的に「契約」は破れない

もし契約を破ったら、何か処罰はあるのですか?

「このような『婚前契約』もやはり契約なので、守らなければいけないのが原則です。ただし、普通の契約と同じように、公序良俗に反する内容や相続など法律の制度に反する内容は無効です。例えば、浮気したら1億円払いますとか、先妻の子には相続させないなんて約束をすると無効になってしまいかねません」

二人のルールを決めておくことは夫婦円満のために大切です。「婚前契約」とは、円滑な別れのためのもので以上に、二人が別れないための抑止力にもなります。幸せな結婚生活を送るためにも、まずは彼とよく話し合ってみましょう。

そして、婚前契約は、内容が曖昧だとか問題のある内容だと後々トラブルになりかねないので、契約前にまずは弁護士にご相談くださいね。

【正木裕美・プロフィール】

弁護士法人アディーレ法律事務所・所属弁護士(愛知県弁護士会所属)。身内の医療過誤から弁護士の道へと進む。2012年には衆議院選挙に愛知7区より日本未来の党の公認候補として出馬し、「衆院選候補者ナンバーワン美人」とインターネットや夕刊紙で大きな話題を呼んだ。現在は弁護士として、ストーカー被害、結婚詐欺やDVなどの男女トラブル、パワハラ・セクハラ問題まで、幅広い案件を扱っている。

アディーレ法律事務所HPはコチラ>>ブログ「弁護士正木裕美のまっさき通信」はこちら

編集部
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