「私は大丈夫」が一番キケン!結婚詐欺の手口と対策とは
アラサー女子にとっての結婚は悩ましい問題の一つ。ですが、そんな女性の真剣な気持ちにつけこむのが「結婚詐欺」です。特に今は、婚活パーティーやネットを介して男性と出会う機会は増えている一方、素性も隠しやすいため結婚詐欺被害も増えています。
そこで今回、結婚詐欺について弁護士の正木裕美先生に聞きました。
実際、どんな手口で騙されるの!?
「法律でいう結婚詐欺は、『嘘の結婚の約束をして、相手に結婚すると勘違いさせることに加え、お金などの財物を交付させること』と定義されています。よくある手口は、出会って短期間で結婚の約束をしてから、さりげなくお金の話を持ち出して少額のお金を貸すことから始まります。そして、最終的に大金を渡したら突然ドロン!被害額は数千万円になることもあります。」
では、お金の話が出てきたら気を付けた方がよいということでしょうか?
「全て詐欺とは限りませんが、交際相手との間でお金の貸し借りが多かったり、『大金を貸して』と頼まれることは、結婚する相手との関係では普通ではないはず。どんなに強い信頼関係でも、お金がからんで崩れることは多いので、やめた方が賢明です」
それでも、やむを得ない理由で金銭のやりとりが発生したら、どうしたらよいでしょうか?
「万一お金を渡すことがあれば、契約書や覚書などの書面を作り、彼名義の口座に振込むなど、お金を渡したことの証拠を残しましょう。彼が言い逃れをすることを防止できますし、法的措置を取るにも、できるだけたくさんの証拠が必要です。
また、被害を防ぐためには自己防衛も重要です。詐欺師のプロフィールは通常ウソなので、出会ったときに免許証などの写真入りの公的証明書などを確認したり、氏名、住所、生年月日、年齢、星座、会社や仕事、家族構成など細かいこともちゃんと答えられたりするかのリサーチもしましょう。
でも、少しでもおかしいと感じたら深入り厳禁です」
もし本当に結婚詐欺に遭ってしまったら……!?
万が一結婚詐欺に遭ってしまったら、どうすればよいですか?
「もし結婚詐欺の被害に遭ったら、不法行為として渡したお金や慰謝料などの損害賠償を求める裁判をしたり、詐欺罪で刑事告訴できたりすることがあります。
もし婚約の段階で発覚しても、彼には本当は結婚する気がないうえに、騙したことは不法行為となるので、損害賠償請求できる可能性があります。
さらに結婚してからだと、お金を騙し取ったあとに時期をみて離婚されたら、その手口の結婚詐欺と認定します。実際にこのようなケースで、婚姻の無効を認めた裁判例もあります。
被害にあったときは、早めに弁護士や警察に相談してください」
結婚詐欺は「全体に遭わない!」と自信を持っている人の方が被害に遭いやすいとも言われます。騙した人が悪いのはもちろんですが、大切な自分の人生、時間やお金を無駄にしないためにも、詐欺への危機感は常に忘れず、自己防衛をキチンとしていくことが大切です。一生を共にする相手ことは、曇りのない目でしっかり見極めてくださいね。
【正木裕美・プロフィール】
弁護士法人アディーレ法律事務所・所属弁護士(愛知県弁護士会所属)。身内の医療過誤から弁護士の道へと進む。2012年には衆議院選挙に愛知7区より日本未来の党の公認候補として出馬し、「衆院選候補者ナンバーワン美人」とインターネットや夕刊紙で大きな話題を呼んだ。現在は弁護士として、ストーカー被害、結婚詐欺やDVなどの男女トラブル、パワハラ・セクハラ問題まで、幅広い案件を扱っている。
アディーレ法律事務所HPはコチラ>>ブログ「弁護士正木裕美のまっさき通信」はこちら