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GACKTコインが0.159円に!ゴミと化した仮想通貨の広告塔の未来は?【芸能評論】

出典:GACKTオフィシャルブログ

ミュージシャンのGACKT(45)が実業家として参加している仮想通貨「SPINDLE」が大変なことになっている。

 

最初の価値から98%ダウンし、億り人予定者の目論見が外れまくり。投資家は大損こいた。

 

冷静に考えれば仮想通貨で儲かる筈はないのだ。仕組みはネズミ講と同じ。胴元と最初に購入した人しか、儲からない。

 

それでも、買ってしまうのは、買わないと損をしてしまうという焦りからだろう。この辺りを上手く刺激し、仮想通貨ブームは起きた。

 

億り人だの何だのと仮想通貨ブームが盛り上がり切ったところで、GACKTコインこと「SPINDLE」の登場。あのGACKTがお勧めをしているのだからと、興味を持った人も多いのではないだろうか。

 

出川哲郎がビットコインのCMに出演するのとは違う。GACKTは自分自身も実業家として参加すると表明したので、信用度も高かった。

 

テレビ番組の格付けチェックでは、いつも一流芸能人のGACKT。テレビのお遊びであっても「一流芸能人」と肩書がつくと、案外、人間は騙されるもので。これが権威になるのだ。

 

で、ド素人が手を出して大爆死。

 

「SPINDLE」を発行している(株)BLACKSTAR&COは上手くやったと思う。

 

何を生業にしてセレブ生活を送っているのか分からないGACKTの秘密が、仮想通貨などマネーゲームのように見せた。GACKTの胡散臭さを逆手に取ったのだ

 

これを考えた人は賢い。「SPINDLE」の発案者と同じだろうか。もし、同じなら関東財務局に業務廃止命令を出されている人だな。平成30年9月7日付け。

 

胡散臭い人間の周囲には、胡散臭い人間が集まる模様。

 

初めて聞いたよ。業務廃止命令なんて。

 

それにしても、GACKTの心理状況が心配になる。MALICE MIZERのボーカルで活躍していた頃は、情熱的なボーカリストだったのに、今じゃ叶姉妹かGACKTというぐらいの存在に。

 

バンド脱退からどんどんと坂道を転がり落ちている印象だ。

 

消え際の花火は、2007年の大河ドラマ『風林火山』だろうか。準主役の上杉謙信を演じ、好評を博した。今思えば、あれが最後の雄姿だった。アーティストとしての、最後の姿だった。

 

その後、出てくる話題が、セレブな生活スタイルやら、お金にまつわるものばかり。事務所の脱税しかり、東日本大震災でのグレーな募金活動しかり。

 

そしてまた、仮想通貨「SPINDLE」の大爆死。

 

生きていく上でお金は必要だ。ただ、必要以上に得ようとした時、今持っているものを手放さなければならなくなることを、知っているだろうか。

 

人間、自分の手のひらですくえるものの量は決まっている。それ以上のものをすくおうとしたら、すぐに指の隙間から漏れ落ちてしまう。

 

そもそも、GACKTはミュージシャン「だった」。上手いシンガーでも「あった」。彼の手のひらですくえるものは、お金でなく音楽だった筈だ。

 

その音楽を手放し、実業家として生きると決めたのなら、外野は何も言わない。それも生き方の一つだ。

 

けれど、ミュージシャン時代に築いた威光で、ファンを惑わすようなことだけはしないでもらいたい。あの頃、生み出した音楽まで偽りになってしまう。

 

気になるのは、GACKTが音楽とどのような姿勢で向き合っていたかだ。愛していたのだろうか。それとも、最初から金になるからと始めたのだろうか。

 

加えて、彼の小学生の頃の夢も気になる。思い描いた通りの大人になれているだろうか。

 

まぁ、赤の他人が気にしても仕方ない。

 

虚飾の宴を、せいぜい楽しんでくださいな。蝋で出来たケーキは食べられないと分かった上で、テーブルに着いてもらいたい。

旭堂花鱗

コラムニスト/コンテンツライター

広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。

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