いつまでもローラの二番煎じなダレノガレ明美について【芸能評論】

最近、芸能人が海外留学を宣言するニュースを目にすることが多い。
その中でも筆者が特に気になっているのが『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系列)に出演した際「ハリウッド女優になるために語学留学する」と宣言したダレノガレ明美である。
“ハリウッド女優”と聞くと数年前にチョイ役でバイオハザードの最終作に出演していたローラを思い出す。
実際、ローラは同じハーフタレントで所属事務所の先輩なので、ネット上でローラとダレノガレを比較した意見も目立つ。
世間では「無謀だ」と言われている、ダレノガレのハリウッド女優への道。
ローラにできてダレノガレにできないと思われている理由は何なのか、ローラにあってダレノガレにないものとは何なのか。今回はそこを掘り下げていきたいと思う。
まず二人の生い立ちについて考えていこう。
ローラはバングラデシュ人の父親と日本人とロシア人の血を引くクォーターの母親との間に生まれる。日本で生まれたが、1歳で父の母国であるバングラデシュに住み始めたそうだ。
本人は「英語はあまり得意ではなかった」と話しているが、この頃アメリカンスクールに通い英語に触れる生活をしていていた。
その後バングラデシュと日本を行ったり来たりする生活を続け、9歳でやっと日本に帰国。バングラデシュ人の父親と再婚した中国人の母親のもとで育った。
このように、幼少期から英語に触れる機会があったことから一般的な日本人よりは基礎があったと考えられる。
一方ダレノガレは、日系ブラジル人の父親とイタリア人の母親の間に生まれる。
ブラジルで生まれたダレノガレだが、1歳からは日本で生活。3歳の時に両親が離婚し、母親は造園業を営む日本人男性と再婚。高校生になるまで海外旅行すら経験がなかった。
ローラと比べるとだいぶ日本人らしい生活だ。しかも学生の頃勉強が苦手で真面目に学習していなかっため、英語の初歩的な知識もない。
それは先月14日のtwitterで公開した英語の超基礎的な学習をしている様子からも見てとれる。
では、英語を習得するまでの方法を比べてみる。
ダレノガレは2週間だけの留学をしたり、Twitterでどのくらいレッスンをしているか公開したり「勉強をしている」というかたちがほしいだけに見えるのに比べ、ローラは海外の友達を増やしたりマネージャーを外国人にしたり私生活の中で英語を喋る機会を増やし、ただ勉強するだけではなく本当に「身につける」かたちで英語を習得していた。
基礎が全くできていない上にこのような学び方では、ダレノガレの方はハリウッドに通用するような本格的な「英会話」を習得できるようになるまでにはかなりの時間がかかるだろう。
英語に関して明らかに差があるローラとダレノガレだったが、演技に関してはどうだろうか。
ドラマや映画の出演本数を比べると、一見2人とも大した差がないように見える。
しかし、テレビの出演経験に関して言えばローラはCMや毎週放送されていたバラエティでのレギュラーなどたくさんの経験がある。
ダレノガレはCM出演も圧倒的に少ない上に、バラエティなどに出演しても準レギュラーやゲストなど不定期な出演が多い。
「台本を読んで進行する」といった広域的な意味としての演技経験も、ダレノガレよりもローラの方が圧倒的に経験豊富なのである。
なお、映画『オーシャンズ8』を観たことがきっかけでハリウッド女優を目指すようになったダレノガレ。
公開されたばかりの映画作品を取り上げたことで真剣に宣言したというよりは話題性の方が目立っている。
大事なはずの将来の夢の話が、映画の宣伝めいたものになっているのもとても格好悪い。
以前、ローラも「恵まれない子供たちのための施設を作りたい」とテレビ番組で自分の夢を公言したことがあったが、こちらに関しては幼少期の貧しい実体験がきっかけであったし、余計な宣伝めいたものはなかった。
さらに言えばダレノガレは、海外に留学したいとかテレビで自分の夢を公言するとか、いつも誰かがやったことを後追いしている。
ローラのように先陣を切って行動を起こしているわけではないので、本当にやりたいことが何なのか、見えてきにくい。この辺りも、ローラとの大きな違いではないだろうか。
「英語が出来ない残念なハーフ枠」としてローラの二番煎じのような扱いのダレノガレ明美。
いつまでもローラの後追いにならないためにも、英語や演技の勉強を計画的に進め、ローラのようなチョイ役ではなく”本格的なハリウッド女優”になる夢を叶えてほしいと願う。
(文・巻川とっしゅ)
エンタメライター。お笑いとものまねをこよなく愛すアラサー女で、基本面白いことには何でも首を突っ込む性分。
BLも少々嗜んでいます。