『この世界の片隅に』第5話、妻を差し出した?夫の行動が話題に
今月12日の夜、連続ドラマ『この世界の片隅に』の第5話が、TBS系で放送された。
ドラマ『この世界の片隅に』は、『漫画アクション』(双葉社)で連載されていた同タイトルの漫画が原作で、太平洋戦争の最中に、広島県の呉にある北条家に嫁いだヒロインの暮らしぶりを、丹念に描いた作品。
先週の放送では、娘を連れて実家に戻ってきたヒロインの義姉が、嫁ぎ先に残してきた息子と再会。そして、改めての別れをする様子をメインに、ストーリーが展開した。
のんびりした性格の、ヒロインのすずを松本穂香(21)が、すずの夫の周作を松坂桃李(29)が、海兵団に入隊した、すずの幼馴染の水原哲を村上虹郎(21)が演じている。
「空襲来たる…さよなら初恋の人」と題された、連続ドラマ『この世界の片隅に』の第5話に、ネットにはどのような声が寄せられたのだろうか。
切ない……幼馴染が訪ねてきたのは”最期”だから?
ネット掲示板ガールズちゃんねるでは、今回のメインである、水原がすずを訪ねてきたことに注目した人が多く、このような感想が寄せられていた。
「水原さん、自分で最期だと思ってるからグイグイきてるね。悲しい」
「先週はすずが焼きもちやいて今週は周作が焼きもちやくのね」
「この時代って、水兵さんに宿を求められたら、拒否権はない感じなの?」
「意外に大胆。いや、ここまで大胆になれるのは、最期を覚悟してるからかも……」
「1・2話と比べると、空元気っぽいな。こんな明るかったっけ?ってびっくりした」
「水原さん、普通だとすごく図々しいけど、最期だと覚悟してすずに会いに来たと思うと切ない」
水原が突然に訪ねてきたことに、驚きを隠せないすずと、これまで見たことのなかった妻の姿に戸惑う周作の様子を、ハラハラしながら見守った人が多い。
単なる三角関係であれば、その様子を楽しむこともできるし、”図々しい”と言うこともできる。
しかし、どうして水原が急に会いに来たのか?や、強引に北条家に泊まったのはなぜか?と考えると、”もしかしてこれが最期”だからなのではないか?として、切なさを感じずにはいられなかったようだ。
妻を差し出すなんて信じられない?
第5話で、最も多くの感想が集まって、意見が交わされていたのは、水原から、戦艦での様子やすずへの想いを吐露された周作が、少し考えるような素振りを見せた後に、水原に「納屋で寝てくれ」と言い渡した場面。
周作は、水原が納屋に行った後、風呂から上がったばかりのすずに、「納屋へ行くように」と指示し、玄関の鍵をかけてすずを母屋から追い出した。
「え、鍵閉めるの?!これは…何ともいえない気分だわ」
「すず送り出すのはいいとして、鍵閉めるのはやりすぎやで周作」
「嫁を水兵さんに差し出したの? 信じられない……」
「なんとも言えず、切ない。複雑な時代。簡単には言えない。それぞれが色々な思いを抱えて生きている」
「鍵閉めるのはやり過ぎじゃない!?すずの気持ちは無視なの??」
「つまりこれ、極端に言うと、死にゆく水兵の慰み者になってこいってこと?」
周作が、鍵までかけてすずを母屋に戻れなくしたことが、”戦地へ赴く水兵に、妻を差し出した”と受け取った人が多い。
時代が今であれば、妻の意志を確認しないままの周作の行動は信じ難く、非難されて当然だろう。
しかし、当時の状況・戦況を思えば、常識も非常識も意味がなく、一概に周作を否定することもできない。
そして、周作が平気だったかと言えば、そうではない。
すずを水原の元に行かせたあと、眠れぬ夜を過ごしていた場面が映っており、さらにやるせなさが増す。
同ドラマは、来週から、更に戦争に翻弄されていくことが予告されている。
どのようにストーリーが展開していくのか、また、視聴者はどんな感想を持つのかに注目していきたい。
鳥井ハニ(とりいはに)
フリーライター/「旬でなければネタじゃない」をモットーに、芸能ニュースを中心に執筆。世の中の関心事をすべて拾い尽くすことを自分に誓い、ワイドショーやバラエティー、ドラマのチェックは365日欠かさない。