阿部裕二、被災地取材で災害時の報道全般に疑問視の声
今月11日朝に、日本テレビ系で放送された『スッキリ』での、阿部裕二リポーター(59)の行動が話題になっている。
この日、同番組では、西日本豪雨に見舞われた被災地の状況を特集して、阿部リポーターは、広島県広島市安芸区から中継を結んで生出演。
土砂に流されて行方不明になっている18歳の男性の母親を紹介して、母親と多数のボランティアが、スコップを持って土砂を掘り起こしている様子が伝えられると、阿部リポーターは、その母親にマイクを向けて、インタビューを開始。
阿部リポーターに話しかけられて、作業を中断した母親は、スコップを持ったままで「自分が、自宅にいた息子に、近くにある祖父の家に避難するようにと言った。息子は、避難しようと家を出たところで土砂に流された」と、男性が行方不明になった状況を答えた。
阿部リポーターが行ったインタビューについて、ネットにはどのような声が寄せられたのだろうか。
捜索の邪魔!母親になにを言わせたいの?
ネット掲示板ガールズちゃんねるでは、阿部リポーターの中継を視聴していた人からの非難が殺到している。
「お母さん、かわいそうだったよ。必死に家族を探してる時にマイク向けられたらそれで殴りたい」
「これ番組にメールでクレーム入れました。普段はこういうことしないのですが、流石に酷すぎました」
「早く見つけてあげたいんです、という人の手を止めて何がしたかったんだろう」
「逃げてって言ったことで、息子が土砂に巻き込まれたのではないかと自責の念にかられているのに、そこをやたらと掘り返そうとしてた。お母さん気丈に答えてたけど、本当は立ってるのも辛かったんじゃないかな」
必死で息子を探している母親の手を止めさせてまで、阿部リポーターがインタビューを行ったことに、怒りを感じたという人が多い。
また、悲痛な様子の母親から、”後悔している”というコメントを、無理に引き出そうとしていたという感想もある。
既に、番組宛にクレームを入れたという人もいるが、今朝の放送でも、その母親の姿が映し出されていた。
番組制作サイドは、このインタビューが本当に必要なものであったのかどうかを、再考するべきだろう。
”知りたいこと”と”報道されること”が違う?
今回の阿部リポーターの取材だけでなく、災害が発生した時の報道の仕方についての意見も集まっている。
「災害時のこういうレポーターってホント邪魔だよね」
「私達が知りたいのは被害情報です。家族を亡くした人へのインタビューではありません」
「どの局も番組も同じ感じじゃん。沈みそうな軽トラに残されたお爺ちゃんを男性が必死に助けているのに、それを撮影しながら手伝おうともしないマスコミにはビックリした」
「こういう時に報道して欲しいのは、被害の範囲、ボランティアの募集の受付の有無、物資で必要なもの、また、物資をどうやって届けたらいいか、被災者に対してできることは何か、連絡取れてない人へのメッセージと安否確認かな。お涙頂戴だけのインタビューはいらない」
「どの局のニュースやワイドショーでも被災者にインタビューするくらいなら片付け作業でも手伝えって思う。捜索や作業の邪魔だから規制すべき」
災害が発生した時に、知りたい情報と、テレビが伝える情報に違いがあると指摘されている。
そして、被害に遭っている人や現場を、ドラマティックに伝える傾向があることに、嫌悪感を抱いている人が多いようだ。
テレビで放送される部分だけが全てではなく、カメラが回っていないところで作業をしている可能性があるために、「放送している暇があるなら手伝え」という意見は違うのかも知れない。
しかし、知りたい情報が後回しになり、視聴者を泣かせるような演出ばかりを気にしているように感じれば、報道の仕方に厳しい意見がされるのも当然だろう。
とは言え、災害時の報道は、イレギュラーな事態が多く、難しいとは思われる。せめて、被害を受けてしまった人たちに、さらに負担をかけないようにという配慮があればと思う。
鳥井ハニ(とりいはに)
フリーライター/「旬でなければネタじゃない」をモットーに、芸能ニュースを中心に執筆。世の中の関心事をすべて拾い尽くすことを自分に誓い、ワイドショーやバラエティー、ドラマのチェックは365日欠かさない。