fbpx

本木雅弘の長男がモデルデビュー!って、既得権益の伝統芸能かよ【芸能評論】

出典:i-D Japan

またまた、大物芸能人の子息がスポットライトの当たる場所に出てきた。それは、本木雅弘(52)の長男UTA(20)だ

 

190センチという長身を生かし、6月19日から24日までフランス・パリで開催された「2019年春夏パリメンズコレクション」でモデルとして参加したとのこと。

 

写真を見たが、朴訥とした青年でなかなか可愛らしい。

 

ただ、ヘンテコな服と奇天烈な髪型をさせられていて、可哀そうだった。まぁ、辱めを受けても涼しい顔をするというのが、モデルの仕事なのだろうけど。

 

UTAは本木雅弘の長男として報道されたが、二世芸能人ではない。本木雅弘の舅姑は、内田裕也と樹木希林なので、UTAは三世ということになる。

 

こうなってくると、伝統芸能のようだ。

 

親や祖父母が築いた既得権益で生きていく。継ぐような芸がなくても、しばらくは父と祖父母の名前だけで大丈夫なので、手放すことはないだろう。

 

一般市民は親から受け継ぐものなぞなく、自らルートを開発するなり、社畜になるなりしているのに、気楽なものだ。

 

人脈作りが本当に大変なのに、その部分が出来上がっているというのは、かなりアドバンテージが高い。非常に妬ましい

 

もう一つ、人脈に関していうと、使いたくもないオベッカや忖度を権力者にしなくて良いというのも大きい。

 

誰しも嘘は吐きたくない。なのに、吐かざるを得ない状態に陥ることがままある。笑顔でも腹の中は歯ぎしり。

 

世襲芸能人を見ていると、身近にいるお気楽ボンボンな二代目三代目を思い出し、イライラが募っていってしまう。

 

なので、いくらUTAが可愛い顔をしていようが、パリで頑張ろうが、全力で応援出来ないのだ。アイツやアイツのニヤけた顔がチラつく。

 

曰く、中学時代からスイスに語学留学をし、バスケットボールにも力を入れ、アメリカの名門大学のバスケットボール部にも所属。日本代表候補合宿にも参加したとのこと。

 

絵に描いたような金持ちの子供人生。余談だが、金正恩もスイスに留学し、バスケットボールに親しんでいた模様。関係ないけど。

 

しかし、思うことがある。

 

ただの世襲芸能人というだけで、筆者からこれほどまでに憎しみを受けなくてはならないUTAは、何と気の毒なのだろうと。

 

恐らく、幼少時から打ち込んでいたバスケットボールでは、これ以上、芽が出ない。だから、他の道としてモデルを選んだ。今は新たなステージに胸躍らせているに違いない。

 

希望に満ち溢れているにも関わらず、筆者のような己の不幸を呪い、世を恨む中年女に目の仇にされるだなんて哀れだ。本来なら、若人の門出は目出度いものであるのに。

 

だが、応援する気はない。もし、将来、俳優業に転身するなら、徹底的に父や祖母と演技の出来を比べる。芸達者な父や祖母を超えるのは、至難の業。なのに、周囲は息子だから、孫だからと期待をする筈。

 

このプレッシャーが、世襲芸能人の辛いところだろう。良い所も悪いところも、親や祖父母と比較。オリジナルの自分を見てもらえない。しかも、好意を持たれているのは、自分でなく親や祖父母。

 

このような状態に陥り、我が子がジレンマに陥るであろうと分かっていても、芸能界という所の既得権益は美味しいものなのだろうか。

 

……。美味しいのだろうな。だから、こぞって、我が子を突っ込むんだし。巨万の富を得る機会を、みすみす見逃すわけにはいかない。

 

今後も世襲芸能人は登場してくるだろうが、心から声援を送れる人は表れないと思う。

 

旭堂花鱗(きょくどう・かりん)/芸能コラムニスト

旭堂花鱗

コラムニスト/コンテンツライター

広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。

>> article
この記事を読んだ人におすすめ