『anone』打ち切り危機!ネットからは「キャストがもったいない」の声
広瀬すず(19)の主演ドラマ『anone』が打ち切りの危機にあるという。
脚本家、坂本裕二と日本テレビがコラボした第三作目となる『anone』。松雪泰子(45)が主演した前々作の『Mother』では芦田愛菜(13)の出世作ともなり、満島ひかり(32)主演の前作『Woman』も満島の演技力が話題となり、数々のドラマ賞を受賞した。
そういった経緯もあり、期待度充分で始まった本作。しかし、蓋を開けてみると暗雲が立ち込める結果に。いったい何が原因なのだろうか。
豪華キャストがもったいない?「ストーリーが暗い」の声も
天涯孤独な少女が、同じように身内のいない大人たちと集まり、まるで家族のように暮らしながら偽札づくりに励むというこのドラマ。初めは「ニセモノ」だったものが、血の繋がりなど関係なく「真実」になっていくというテーマがあるものの、登場人物全員が辛い過去を背負っているため、ストーリー全体はどうしても暗い印象となっている。
とはいえ、坂本裕二作品らしく、細々とした笑いポイントや名言なども飛び出し、期待を込めて「名作」と評する人も少なくないが、ドラマを評価する上でもっとも分かりやすいのが視聴率という数字。初回から9.2%と躓き、回を重ねるごとに視聴率は低下。最新の第7話ではとうとう4.9%にまで落ち込み、打ち切り対象となってしまう数字となってしまったのだ。
前作も前々作も視聴率が非常にいいドラマというわけではなかったものの、最終回の視聴率は16%以上を記録し、平均視聴率も13%と昨今の視聴率事情を考えると平均以上。
第三弾ということで前作などと比較されることも多く、窮地に立たされてしまった『anone』だが、その戦犯として主演の広瀬やストーリーの異様な暗さを指摘する声もあり、ガールズちゃんねるにもさまざまな意見が書き込まれていた。
「田中裕子さんもったいない」
「脇がいい役者揃えすぎて、広瀬すずの未熟さが際立ってるのもあるかも」
「ストーリーが暗そうで見ていない。ドラマ見て重たい気分になりたくないし…」
「だってなんか暗いんだもん。ふた昔くらい前のドラマっぽい。次も見ようとは思わなくて2話で切った」
「前作とかと比べても暗さは目立つけど脇役が豪華なだけに打ち切りは勿体な過ぎる」
『Mother』や『Woman』も暗いテーマではあったものの、ところどころ希望が見えており、暗いばかりではなかった。やはり“暗すぎる”というのが低視聴率の原因のひとつなのかも知れない。
『anone』ファンからは悲鳴!「打ち切りはやめて」の声も
しかし、坂本裕二脚本ドラマにはファンも多く、他のドラマにはない人間の繊細さが描かれているのも魅力のひとつ。低視聴率とはいえ固定ファンも多く、打ち切り疑惑を残念がる声も見受けられた。
「面白いのに。すずちゃん、田中裕子さん、小林聡美さん、阿部サダヲさん、みんないいですよ」
「今期は他におもしろいのがなくてこれだけを楽しみに観てるのに…キャストも題材もいいと思うんだけどなあ」
「打ち切りはやめて!!丁寧に作られているし良質なドラマです」
『anone』は裏番組にテレビ東京の『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』とTBS系のバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』があり、暗そうなストーリーというだけで嫌煙する視聴者がそちらに流れてしまうのは免れない。
しかし、視聴率だけで言えば月9の『海月姫』(フジテレビ)系も最新話は視聴率4.9%。『隣の家族は青く見える』も5.7%。話題となっている『アンナチュラル』(TBS系)でさえ、2ケタから脱落し、9.3%となっている。
『99.9-刑事専門弁護士-SEASON2』(TBS系)と『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)しか2ケタ視聴率を取れていないという状況はドラマ単体の問題というよりも、業界全体の問題になってくるのではないだろうか。
視聴率はともあれ、『anone』の最新話を心待ちにしている視聴者は多い。打ち切り決定でストーリーが粗雑にならないことだけを願う。
福田綾子(ふくだあやこ)
フリーのウェブライターで主にエンタメ記事を手掛ける。映画、小説、ドラマ問わずさまざまなジャンルに精通。ネットサーフィンで情報を収集して旬の話題を見つけ、読者の目線に立った記事を執筆する。