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【毒舌独女】貴方とドライブ

カーナビは冷たい。

道を間違っても、教えてくれない。
Uターンしろと命じるだけ。

間違ったなら、間違ったと言ってよ。
まったく、気が利かない。

誰がご主人様だと思っているんだ。
大体、何で機械ごときに命令されなきゃいけないんだ。

それも、冷えた声で。優しく言えないもんかねぇ。

ナビが示した道以外を通ったら、途端に黙り込むし。どこのワガママ娘だ!ぷんぷん

そーいや、そのワガママ娘は私でした。ゴメン

助手席の私が地図を見てコッチだと言うのに、運転手が別の道を行ったら、もうナビしない
道が判ってんだったら、勝手にしろ。その後、フテ寝。

そんな時代もあったねー。

私は人間サマなので、フテ腐れても仕方ない。だいたい、地図を読むのが苦手だし。

しかし、カーナビ、オマエは機械だ!ご主人様の言うコトを聞いて、ナンボやろ!
地図を読め!渋滞は避けたい!迂回路を探せ!一番は、任務を放棄するな!

あとね、祖父の家を地図に載せてよ。
ちゃんと住所を入れたのに「入力にミスがあります」って、存在しないってコト?地図上は真っ黒だし。
どうやら、八つ墓村と同じ扱いらしい。ひでー


カーナビには言いたいコトが山ほどある。
とりあえず、ナビするだけでなく運転手を楽しませてくれ。ヒマなんだ。

例えば、走っている土地の方言でナビってどうだろう。
ローカル芸人や芸能人の仕事も増えて、地域活性化。素晴らしいアイデアだ。

が、一口に方言といっても、県の中でかなり細かく分かれている。
採用する方言は、県庁所在地のある土地のモノが無難だろう。

そうなると、私は広島県担当☆
広島市出身じゃないけど、言葉的には同じ「安芸弁」の海田町生まれじゃけえ。

「広島県に入ったよ」 「500メートル先、右の方に行きんさい」
「ぼつぼつ目的地じゃけえ、音声案内しまいにするが。ほいじゃね」

大ヒット間違い無しだ。どうしよう、大儲けじゃない。
親に沖縄旅行でもプレゼントしちゃおうかしら。うふふ

ただし、このシステムには大きな落とし穴がある。
東北地方など、ネイティブな人しか判らない言葉があるからだ。

「山形県さ入ったっけよ」 「500メートル先ばよ、右さむずってけろ」
「やんばいすっど、目的地周辺さなるがら、音声案内すねぐでも大丈夫だべな。んだら」 (訳:とみ緒)

んだら?

困った。大儲けだったのに。父さん、母さん、ゴメン。旅行のプレゼントは無理みたい。


いや、ちょっと待て。自分が声の吹き込みをしなくても、企画で大儲けもアリじゃないか。

地図を見ながら案内は、元々助手席の人の役割。
助手席に座って欲しい人の声でナビってどうよ。

だったら、福山雅治サマ、貴方しか居ません!

実現したら超HEAVEN。 叶うなら、車のロックを解除してから、スタートの方向で。

「よう!今日も頑張ろうぜ!」 そのMessageで頑張れます!

普通のナビは人工音声で良いや。
だってギラギラし過ぎそうだし、そこまで福山雅治サマにお願いは、多分無理。

「長時間の運転、お疲れ様!ちょっとは休めよ」は言って欲しい。
でも大丈夫 ここから大冒険だから!てへ

ルンルン運転。「目的地周辺、オレのナビはここまで。お疲れ!」
嫌だ。拒否する。 もっといっしょにいたい
ドライブ続行。


想像しただけで、贅沢過ぎて恐縮だー!アカン、落ち着いて運転出来ない。事故っちゃう。
夢は今も 夢のままで がゴールド免許証への道かも。

あ、企画で大儲けだった。
誰かこの企画を買ってください。お願いします。
商品化されたら、最低三本は購入します。お願いします。

旭堂花鱗

コラムニスト/コンテンツライター

広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。

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