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なぜ若者に「嫌婚派」が増えているのか【東のEditor’s EYE】

先月、日本生命保険が発表した調査結果によると、「結婚したくない」と回答した人が全体の24%を占めたのだとか。結婚できないのではなく、したくない、いわゆる「嫌婚派」の若者。その後ろにはどんな背景があるのでしょうか。

結婚は、時間とお金を奪うイメージ

結婚すると収入や時間が家族のものになり、独身時代とはガラッと生活が変わります。「結婚=自由を奪われる」というイメージは強く、家族を持つことで時間が制限されてしまうことを、今の若い人は恐れています。

それはお金の面でも同じこと。自分が稼いだ給料を、好きにお金を使えなくなることに抵抗がある人も多いです。また男性の中には、自分がATM(=お金を与えるだけの機械)にされるのではないかと警戒している人は案外多く、「結婚はコスパが悪い」なんて言う人もいるそうです。

私たち女性のほうも同じで、結婚するとお金が減ってしまうイメージがありますよね。今の女性は、男性と肩を並べるほどに稼いでいますから、「今の生活水準を下げたくない」「貧乏な男と結婚するくらいなら独身でいる」というふうに、結婚に嫌悪感を示している女性が多いのも事実です。

女性は、キャリアアップの中断が嫌!

社会進出が進み、自分のキャリアを積み上げる女性が増えてきました。仕事の面白さを感じるのは20代後半から。これは結婚適齢期とドンピシャですので、「結婚を取るか、仕事を取るか」で悩む人がこの時期に増えます。

それは私たちの中に「結婚や出産をすることでキャリアが中断される」というイメージがどうしてもあるから。実際に、周りでそういう女性もたくさん見てきていますよね。だから、満足いくまでは結婚はしないと決めている人も多いでしょう。

今は少子化対策として、職場の環境改善が叫ばれていますが、まだ安心して結婚できるような環境は整っていないようです。

インターネットの発達で寂しさを感じなくなった

その昔、インターネットがなかった時代は、独身者は老後まで孤独な日々を過ごす人も居たのでしょう。しかし今はネットの発達で、生活に様々な楽しみを与えてくれるようになりました。

その中で大きいのが、メールやLINE、SNSなどのコミュニケーションツールの発達。部屋で一人でいても、スマホを使えばすぐに友だちとつながりを持つことができます。これで寂しさを感じにくくなり、結婚への焦りが抑えられているのでしょう。最近ネットではバーチャル恋愛までもできてしまうようです。

男性は、結婚しなくても生活ができる

どちらかというと家事が苦手であった男性は、かつてはすぐにお嫁さんをもらい、家のことをやってもらっていました。しかし今は結婚しなくても、美味しい食事ができるようになりました。コンビニがあり、デリバリーや24時間営業の飲食店があり、栄養価についてしっかり考えたお弁当もありますね。

料理だけでなく、部屋の掃除や洗濯などをしてくれる家事代行サービスもあります。それを利用しなくても、今の男性はひとりで家事をこなせる能力がそなわってきました。これなら独身でも生きていける、と思う男性は増えています。

現代には、結婚しなくてもいい理由がたくさんあります。近所にはお見合いを勧める「お節介オバサン」もいなくなり、「なにがなんでも結婚!」という雰囲気は昔のものになりました。

「誰かと暮らして家庭を持ちたい」そう強く思わせるのが、若者を結婚に向かわせるひとつの契機なのではないでしょうか。

東 香名子

コラムニスト。東京独女スタイル編集長を歴任。1983年生まれ。独身女性の視点から、恋やライフスタイルを分析したジャーナリスティックなコラムを得意とする。雑誌「デートスペシャルなび」で連載中。テレビ、雑誌、ラジオ等各方面で活躍中。電子書籍「モテる!ソーシャル恋愛術」「ここで差がつく街コンテクニック」等。趣味は鉄道。

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