【毒舌独女】本物のロックンローラーは樹木希林
『本物のロックンローラーは樹木希林』
芸能界のお騒がせ老人、内田裕也が逮捕された。
公務執行妨害のようなロックな容疑だと思っていたら、元交際女性に強要未遂と住居侵入という、要はストーカー容疑で逮捕。
元交際女性に暴力を振るっていたとも。
何やってんだ、71歳。
恋愛に年齢は関係無い。
しかし、普通は、年を重ねる毎に、やって良いコト、悪いコトが判ってくる。
生まれて71年経っても判らなかったのは、ある意味、気の毒。
まぁ、普段から「ロックンロール!」と叫んでいるイキモノに、
ロクなヤツは居ない。
自分の中に確固たるポリシーが無いからこそ、「ロック」というモノに
頼るのかも知れない。
内田裕也も、やっと化けの皮が剥がれた。
腕力ではどうしても男に劣る女に暴力を振るってもOKな男は、
この世に存在しない。
それが理解出来ない精神的弱者であるから、暴力を振るう。
暴力を振るった相手に与える痛みも想像出来ない、心の狭さもある。
想像力の欠如、これはロッカー以前に、表現者としてバッテン。
自分が起こしたコトが、どう大衆に捉えられるか、ある程度見えていなければ、
プロとして表現をする資格は無い。
内田裕也に代表曲といえるヒット曲が無いのは、
この事件で大きくうなずけた。
音楽の才能はなくても、このジジイのような口の立つ、夢見がちな男は、
案外、女にモテる。
一瞬だけでも、良い気分の夢を見せてくれるから。
でも、夢はいつか必ず覚めるモノ。
今回の事件で被害者になった元交際女性も、最初は夢を見ていた筈。
この夢は、夢を見させていた当事者、内田裕也の暴力により強制終了。
同じようなコトが公になっていないだけで、何度も繰り返されていたと、
妻の樹木希林は、5月13日の会見で語った。
30年以上別居状態なのも、内田裕也の暴力が原因。
内田裕也が暴走した際、警察に直ぐ駆けつけてもらえるよう、
区の生活保護課に登録までしてあるらしい。
ただ、身の危険は感じていても、樹木希林はやられっぱなしでは、なかったよう。
真偽の程は不明だが、泥酔して自宅に乱入した内田裕也を鉄パイプで撃退したという武勇伝が、まことしやかに広まっている。
すげー。
なのに、離婚はしない不思議。
一説によると、離婚をすれば夫婦は他人になるが、親子関係は続く為、尻拭いを娘一人にさせないよう、離婚しないという。
この話が本当なら、内田裕也は、私が想像している以上に酷い男だぞ。
そんな酷い男を戸籍という鎖で縛りつけ、目を光らせながら、女優業で花開いている樹木希林は、口先だけの「ロックンロール!」を叫ぶ内田裕也よりも、数段ウワテ。
無頼の輩に立ち向かう様は、正しくロックンロール。
更に、会見では、こうも言った。
「私は頭を下げないです。謝罪は本人からです。70歳を過ぎておりますのでね。
どうやって謝るか、男の器量ですよ。楽しみです」(5月13日会見)
内田裕也に「男の器量」だなんてゼロに等しいと判っていての、この発言。
どんな皮肉よりもスパイシー。
樹木希林の怨念というか、内田裕也への怒りや恨みが、
この発言に凝縮されているようだ。
もしかすると、離婚をしない本当の理由は、内田裕也が問題を起こす度に耐え忍ぶ妻を「演じ」、バカと対比させ、イメージアップを図る為かも、とうがった見方をしてしまう。
それが、夫の暴力への復讐と慰謝料代わり。
こえー。
怖いけれど、DV夫への対応としては、これが一番利くかも知れない。
真似出来ないけど。
樹木希林の老獪さや強かさは、DV男に悩む女が学ぶべき点が多い。
泣き寝入りをせず、暴力に立ち向かい、己の信念を貫き通す。
女がロックな生き方をしたって良いじゃないか。
戦おうぜ!
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ぶっちゃけ、「ロックな生き方」の定義はよく判らんけど。
コラムニスト/コンテンツライター
広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。
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