「死ぬまで童貞かも」26歳男性、恋愛も風俗も経験なし…その深刻な理由とは
《連載「となりのビッチちゃん」》
このコラムは、性や恋愛に対して前向きな女性をあえて「ビッチちゃん」と呼び肯定し、女性のライフスタイルの多様性を考えるコラムです。
前回は、30歳まで童貞だった男性にお話を伺いました。
今回お話を伺うのはまさに「童貞なう」の男性。30歳を目前にして、「死ぬまで童貞かもしれない」という達観した思いをもつ彼は、一体どんなことを考えているのでしょうか。
恋愛も風俗も未経験、どうしたら女性と付き合えるの?
Bさんは、26歳の男性。
セックスの経験はおろか、風俗も、女性とつきあった経験もないという、正真正銘の童貞です。
平日は都内の会社に勤め、土日は趣味のカードゲームにいそしむという生活。趣味に仕事に充実しているように思えますが、なぜ彼は童貞なのでしょうか?
「なんで童貞か?そんなの僕が知りたいですよ。僕がモテる部類じゃないから、いい出会いがないから、じゃないですか?」
確かにBさんは、決してイケメンではありません。身長も低く毛深く、いわゆるモテる男とは正反対の見た目。
話してみるとコミュニケーション能力は人並み程度で、話していて楽しいとも感じます。実際に趣味の世界では、友達が多くいるようです。
では、なぜ女性と恋愛に発展する機会がないのでしょうか?
「女性が僕を毛嫌いしているって感じはしますね。見た目やイメージで判断して、僕を男として見てくれていないように思います。仲良くなったとしても、男として見てくれてないなって感じます」
ううん、彼の童貞メンタルは、思ったよりもこじれているようです……。
ワンチャンじゃない、ほしいのは自己承認
もうすぐ三十歳になるBさん。前回の素人童貞Aさんのように、風俗に行くという選択肢は?
「それはないです。お金を払ってそういうことをするのは抵抗があります。初めては好きな相手としたいです。
だからワンナイトっていう考え方もないです。たとえば目の前にすぐにさせてくれる女の子がいたとしても、ちょっとそういう気持ちにはなれない。心が通じ合っている人とがいいんです」
そこまで言われると、むしろ童貞でいることに強いこだわりを持っているのでは?というような感じもするのですが……。
「童貞にこだわってるわけではないですよ、ずっと童貞でいたいとは思ってないですし、本当は彼女もほしいしモテたいですよ。でも誰も僕と付き合ってくれない。だから仕方ないじゃないですか」
彼の場合、モテた経験がないということと、理想の高さが影響して、余計に恋愛を遠ざけてしまっている気がします。
自分のことを愛してくれる男性であれば、見た目はあまり気にならないという女性も少なくありません。
にも関わらず、最初から「恋愛対象じゃないんでしょう」と男性側から拒絶されてしまっては、女性としても心を開きたくなくなってしまいます。
そうして、互いの溝は広がるばかり。
そんなことが重なって、彼は童貞のままでいるのだと思います。
最後に、Bさんにこんな質問をしてみました。
いつまで童貞でいると思いますか?
また、いつまでに童貞を卒業したいですか?
「このままずっと童貞なんじゃないですかね? 三十歳過ぎても童貞なのかもしれない、と最近は思っています。いや、もしかしたら死ぬまで童貞かも。
もちろん卒業したいとは思いますよ。でも好きな人と卒業したいです。誰でもいいからとにかくヤリたいというのはない。
セックスとかつきあうとかって、本当にある話なんでしょうか? 僕、別の世界の話なんじゃないかなって思ってます。」
文・田口桃子
女性向け動画サイトGIRL’S CHプロデューサー。女性メディアDOKUJOで「となりのビッチちゃん」連載中。普段あまり取り上げられない女性の性についてのリアルを世に広めることで日本のタブーに挑戦している。
GIRL'S CHプロデューサー。
2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。
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