【三十路と婚活】こんな婚活パーティーに行ってみた~出会い焼肉屋さん編~
馬場です。三十路です。ダメンズホイホイと化している独身です。
前回は、見事なまでにダメダメな男性とデート。心身共に疲れ果ててしまいました。いくら婚活を意識しない活動をしているとはいえ、彼氏すらできないこの状況に、いい加減に焦りも出てきました。
そこで、英気を養うべく肉を食らいに行くことに。ついでに出会いにもありつけるという、「出会い焼肉」なるものへ。
「立ち食い焼肉」 in 都内
「出会い!彼氏!婚活!」と日々大騒ぎしている馬場の元には、様々な人から様々な婚活情報が集まってきます。
その中には、「出会いがあるお店」の情報も入ってくるわけです。それは、婚活〇〇ではない、つまりブームに乗じて登場した婚活系のお店ではないという所。有名なのは、おせっかいな店主が相性のよさそうな男女を相席にする、居酒屋さんでしょうか。
今回馬場の元に寄せられた情報によると、都内にある立ち食い焼肉屋さんが、「出会い焼肉」としてかなり期待できるとのこと。肉をちちくり合いながら自然な出会いもゲットできるなんて、食いしん坊・馬場にとっては嬉しい限り。味にも定評があるようなので「お肉を食べに来たの~」と言い訳だってできるわけです。
日々の仕事と婚活の疲れを癒すべく、早速夜の街へ繰り出しました。
当日。
平日もわりと混んでいるとの噂を聞いた馬場と友人O女史は、週の半ばで皆が疲れていそうな水曜に集合。時間も早めの19時頃に突撃することにしました。
おっさんが多いその駅は、高架下にズラリと飲み屋が軒を連ねています。居酒屋、焼き鳥、ラーメン、どれもおっさん向きのお店ばかり。こんな所で、出会いなんてあるのかなぁ……すでに疑心暗鬼の馬場です。
そんな中、入口がビニールで覆われたお店を発見。本日の主戦場、立ち食い焼肉、またの名を「出会い焼肉屋さん」です。
外からお店の中をのぞくと。カウンターを10人ほどのお客さんが囲んでおり、すでに満席状態。かなりこじんまりしたサイズ感だから、仕方ない……
ってぇ~帰る訳にはいきやせん!
三十路の婚活女子に「無理、できない、諦める」は禁句。若い女は、黙ってヘラヘラ笑ってれば男が寄ってきますが、三十路の女が同じことをしていたら「つまらないBBA」と言われかねません。こっちから狩りに行かなければならんのです!
心の中で鬨の声をあげ、リングインならぬ入店。
「あの、満席ですか??」
「2名なら大丈夫ですよ!こちらへどうぞ!皆さん、ちょっと詰めてもらえますか?」
明るくてハンサムな店主が、カウンター越しに案内。そして、その場にいたお客さんに一歩ずつ詰めてもらい、2人の女子がぴったりおさまる隙間を中央に作ってくれました。
お店は、中央にデン!と据えられたカウンターを、お客さんがぐるりと囲むスタイル。人が通る隙間もないほど狭い店内ですから、必然的にお隣さんとの距離は近くなります。
そしてその日は、入口から向かって左側に女性陣、そして右側に男性陣が向かう、ねるとんスタイル。女性陣は全員2人組で来ているようでしたが、男性陣は個人参戦のようです。幸運にも、馬場たちを境に女性陣と男性陣が分かれていたため、一番アプローチしやすい場所に陣取ることができました。そして馬場たちの元にビールが来ると、店主が話し始めました。
「えー、また新しいお客様がいらっしゃったので、乾杯をしましょう。かんぱーい!」
店主の粋な計らいにより、このお店ではお客さんが入れ替わる度に乾杯をするよう。そしてそれにより、お店の一体感も生まれるというわけです。
早速O女史と馬場は、隣の男性に話しかけてみました。
「すごいですね~」
「いや~、普段は常連しか来ないからこんなに混まないんですけど今日はわりと混んでますねーまぁ私はこの辺に勤めているのでだいたい月水金はよく飲み1人で来ているんですけど今日は〇〇さん来てないですね」
我々が話しかけた男性は、40代くらいで眼鏡をかけたスーツ姿の男性。先ほどの長~いセリフを一気に話した様子から、コミュニケーションに難アリであることが予想できました。
そんな彼の左手には、ボールペンで書いたようなメモが。ヘタクソな字のため何と書いてあるかは読めませんでしたが、小中学生の頃に手をメモ帳代わりに使っていたような、あんな感じの用途で書かれたもののようです。いい大人がこんなことをするなんて、みっともない。
彼の隣には、これまた冴えない40代ほどのハゲ散らかした男性が。
よくよく男性陣を見てみると、皆ただの疲れたサラリーマン。女性と出会いたいというモチベーションは、ミジンコほども存在しないよう。
なんだこれは!一番まともなのは、店主じゃないか!
怒りに震えながら肉を焼き始めると、新規の男性客が入店。今度は、馬場と同年代のようです。
彼も常連さんのようで、店主と仲良さげに軽く会話をしてから馬場の右隣にやってきました。恒例の乾杯のあと、馬場は早速彼に話しかけることに。やっとまともそうな男性がやってきたのですから、当然です。
「よくこのお店には来るんですか?」
「あ……はい。あの……僕は1杯飲んだら帰るので、おかまいなく。1人で大丈夫なんで」
お、おかまいなく!?
この「出会い焼肉」に来ていて、おかまいなく!?
その後も何度が彼に話しかけてみましたが、目すら合わせてもらえず。そして本当に1杯飲んで帰ってしまいました。
これが「出会えるお店」だと!?
ちょっと馬場は考えてみました。
ここが「出会いがある」と言われるようになった所以は、女性の積極的な活動が理由のよう。おひとり様をはじめとした女性の活発な行動がメジャーになり、男ばかりの地にまで活動範囲を広げた結果、それまで発掘されなかった男性陣が肉食女子に狩られたのではないでしょうか。
しかしその結果、今では旦那に相応しい男性が狩られ尽くし、様子がおかしい男性しか残っていないのかもしれません。
とはいえ世は「婚活ブーム」。噂を聞きつけた女子たちは引き続きやってきているにも関わらず、狩りたい男性がいない状況になっているのかもしれません。
何たる悲劇、何たるミスマッチ。
女子の皆さん、自然な出会いが期待できる場所なんて、もうないのかもしれません。
その日、馬場とO女史は1時間で肉をかき込み、カジュアルイタリアンのお店で3時間の反省会を開きました。
アラサーど真ん中の三十路独女。「東京独女スタイル」編集部で、結婚できる女になるべく日々奮闘中。2015年3月からスタートさせた婚活連載「三十路と婚活」は、1年4ヶ月後に彼氏ゲットという形で幕を下ろしました。電子書籍も出しちゃってます。
週に1回、婚活映画評論家・バーバラ馬場に変身する。
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