fbpx

ホントに安全?知っておきたい「オーガニックコスメ」の落とし穴

オーガニックコスメと聞くと、「なんだか肌に良さそう」「いい成分が入っていそう」というイメージがありますが、日本製のものが全て良いとは限らないようです。

肌にいい!と謳われているオーガニックコスメが、意外とどんなモノなのか知らない人が多いのも事実。そこで今回は、美肌ドクターこと、澤田先生にお話をお伺いしました。

オーガニックコスメの基準

本来、オーガニックコスメとは、農薬や化学肥料を使わずに有機栽培された植物からできた成分が主原料であるコスメのことを指します。

しかし澤田先生は、「日本では何をオーガニックコスメと呼ぶか、定義がありません」とコメント。実は、日本にはまだオーガニックコスメの認証機関がありません。

現在、日本製のオーガニックコスメは各社の基準によって判断されています。つまり、どんな成分が配合されていようが、1滴でもオーガニック成分が入っていれば「オーガニックコスメ」と言えてしまうのです。

オーガニックこそ実は刺激が強い

“植物”と一口で言っても、実に多くの種類の植物がありますし、多くの成分を含んでいます。中には人体にとって有毒のものだって当然あります。

そのため、植物由来だから低刺激とか、肌に優しいということではなく、多くの種類があって、多くの成分を含んでいる分、肌質やその状況によってはその影響をコントロールしきれない場合もあり得るのです。

ですから、自然派だから安全・安心と思い込むのはとても危険な行為かも。

自然素材だけで化粧品を作るには無理がある!?

澤田先生曰く、「オーガニックのハーブエキスなどを混ぜたものをオーガニックコスメと呼ぶことが多いようですが、他の添加物は通常のものを使用していたりもします。そもそも、天然物は化学構造が複雑なためアレルギーを起こしやすく、防腐剤が入ってないので腐りやすいですし、品質も安定しません。実際、オーガニックの植物だけで化粧品を作ることはできず、何らかの化学物質は必ず必要になっていきます」とのこと。

なるべく自然のものを使いたいと思ったとしても、自然のものは安定しないので、安定供給が難しい物も出てきますし、価格面でも跳ね返ってきてしまいます。

全ての原料を化学物質を使わずに化粧品を作るということはそもそもとても難しいですし、必ずしもその必要もないのです。ある程度は自然や天然のものを使いながらも、部分的には化学の力も混ぜて作るというのがほとんどです。

「化学製品だからダメ!」は間違い

「化学製品というと何となく“体によくないもの”というイメージを持っている人も多いと思いますが、それも正しくありません。例えば、石油系・パラベン・アルコール・鉱物油などの成分は、しばしば悪者であるかのように言われることがありますが、適量で使用する限り問題ありません。

安全な保存料であるパラベンやアルコールの使用を無理にやめれば、安定性が悪くなって、早めに使い切らないと品質が劣化してむしろ肌に有害になる……などの弊害も起こることがあります」と澤田先生。

化粧品は水分を含むことで防腐を効かせないと、すぐに腐ってしまいます。また製品が腐らなかったとしても、肌に雑菌が繁殖してしまうことも……。

たとえば、“パラベンは危険、パラベンフリー(=パラベン不使用)ならば安心”と誤解されがちですが、パラベンで皮膚トラブルが起きたのは、品質がまだ確立されていなかった30年も前の話です。現在では、品質も改善され、今ではパラベンは世界的に最も安全な防腐剤のひとつとして、衣料品にも食品にも化粧品にも使われているのです。

結局、“天然由来や植物由来だから絶対安心”ということもないですし、“化学物質だから絶対よくない”ということもないんですね。

“オーガニックだから肌にやさしい”“天然物だから安全”“無添加だから安心”といった、単なるイメージにとらわれず、本当に肌に必要な成分とは何なのかを知ることが大切です。

取材協力:
澤田彰史(さわだ・あきふみ)
日本抗加齢(アンチエイジング)医学会専門医、東京警察病院医師。同院以外でも、美容外科・レーザー治療、ニキビ治療、皮膚腫瘍手術、寝たきり老人の訪問診療に至るまで幅広く医療に従事。テレビ「世界一受けたい授業!」をはじめ、新聞、雑誌など各メディアで活躍中。

●●新著『ほうれい線は消せる!』のご紹介●●
夕方、電車の窓に映った自分の顔を見て、ほうれい線の深さや二重あごなどのたるみにびっくりしたことはありませんか?テレビ番組の実験で、たった30日間で効果アリ!と実証された「まいうー体操」「42度洗顔」と、「キスミー体操」を詳しく解説。また、最新のダイエット情報、アンチエイジング情報もご紹介しています。

編集部
編集部

女性の生活スタイルやキャリア、社会的課題における有益な情報を提供したい。

>> article
この記事を読んだ人におすすめ