ダイエットサプリ「カルチニン」が一夜にして悪者扱い?!
11時間目:「カルチニン」はダイエットの味方?それとも?
「カルニチン」って何?
カルニチンにはD-カルニチンとL-カルニチンがありますが、一般的にはL-カルニチンのことを指します。
リジンとメチオニンから構成されるアミノ酸の一種で、人間の体内では筋肉や肝臓などに広く存在しますが、加齢とともに減少すると言われています。
「カルチニン」が含まれている食品
羊肉、牛肉の赤身などに多く含まれます。ナッツや野菜、豆、くだものにも少量含まれるので通常の食事をしていれば不足することはありません。
「カルニチン」は何がいいの?
L-カルニチンは脂肪の代謝に欠かすことのできない物質です。カルニチンがないと、脂肪をエネルギーとして使うことができません。
脂質の代謝を促進し体脂肪をためないという働きや、血中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあると言われています。ダイエットに良さそうですが、データが不足していて効果があるとは言えません。
~美魔女のささやき~
今までダイエットサプリとして一般的に広く知れ渡っていた成分「L-カルニチン」。ダイエットや中性脂肪を減らす効果があると言われていましたが・・・。
今年4月、英国の医学雑誌「Nature Medicine」(ネイチャーメディシン)に、米オハイオ州クリーブランド・クリニックの研究チームが、消化管内にいる特定のバクテリアがL-カルニチンをTMAO(トリメチルアミンN-オキシド)と呼ばれる別の代謝物質に変え、これが動脈硬化を促進させることを発見したとの記事が掲載されました。
赤身の肉を食べL-カルニチンのサプリメントを飲んだグループは血液中のTMAOが大幅に上昇した一方、菜食主義者とビーガン(純粋菜食主義)には変化がなかったこと、TMAOが多いほど心血管疾患、心臓発作、脳卒中を発症する可能性が高いことが報告されたのです。
この研究結果に対しサプリメント業界は、新しく浮上した仮説であり、食事の一部ないしひとつの分子が人の健康問題に責任があるという考え方に疑問があると批判しています。
今まで脂肪の燃焼に良いとされていたカルニチンが一夜にして悪者扱いされてしまいました。研究は日に日に進歩し、新しい情報がどんどん入ってきます。将来的には新しい研究により違った結果が出るかもしれません。
このことからも分かるようサプリメントを選ぶときは、新しい成分に飛びつかない、データをしっかり調べる、ひとつの成分に頼ってダイエットをしたり、健康になれると思わないこと。このことが大切ですね。
「食べ痩せダイエット」の第一人者。「食べてきれいに痩せてリバウンドしない」をテーマに、若い女性から経営者まで広く自己管理ができるダイエットを指導。
栄養士、肥満予防健康管理士上級講師、ダイエットアドバイザー、美肌マイスターとして多くのセミナー、講座を各地で行う。ダイエット食品・サプリメント開発のアドバイザーとしても活躍。「週刊文春」等雑誌・ラジオなどメディア出演、連載多数。株式会社アリオール代表。