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【私、大好きな人と離婚しました】互いの「違いをすり合わせる」難しさ

こんにちは、水月です。「私、大好きな人と離婚しました」では私が一度結婚、離婚を経験し、再び同じ人との結婚を考えるまでの学びを紹介しています。

前回第1回では、夫と出会うまでの私の恋愛遍歴と本当に出会いを求めるのならば、理想の相手を具体的に思い描くことが重要ということをお話しました。

今回はいざ結婚を考え始めてからのことなのですが、それまで別々に生きてきた人同士が同じ方向を向くことの難しさについて紹介しようと思います。

結婚することになった運び

私たちは一度しっかりと話をした時点で、お互いにすごく相手に惹かれることを感じていました。私は彼の知識の豊富さや経験からくる人間観察の能力に惹かれ、彼は私の独創的な感性や好奇心旺盛な部分に惹かれたそうです。

共通の趣味としては、一番大きかったのは読書です。他にもカラオケが2人とも大好きだったというのもあります。こうした共通点は普段の出会いでもよく感じることかもしれませんが、彼とはまさにパズルのピースが嵌るようにピッタリと興味の範囲が重なった気がしました。よくいう「ピンッときた」というやつかもしれません。

私は比較的自由な時間が多かったので、しばらくの間はほとんど彼の家に泊まりこむようになり、夜な夜な夜遅くまで今までの人生のことを語っていきました。そうするなかで、2人の中に自然と結婚という感覚が芽生えていったように思います。

ある日の夕方、彼の家の近くの日本庭園を散歩中に、彼から「僕たちってずっと一緒に連れ添った老夫婦みたいだよね。これからもずっと一緒にいたいです」と言われました。今思えば、それが彼からのプロポーズだったのです。

お互いの意識が結婚に向いてからはすぐに同棲の話が始まりました。そして同棲の準備を進めつつ、お互いの両親への挨拶にも行きました。どちらもすごく緊張する出来事でしたが、比較的話はスムーズに進み、いざ同棲へと駒を進めたのです。

同棲条件のすり合わせ

同棲のための部屋探しを始めた私たち。まずはお互いの譲れない条件を出していきます。これが一人暮らしのときとは比べ物にならないくらい大変でした。2人で暮らすとなると、条件がすごく厳しくなってしまいます。たとえば、彼は本を置くためのスペースだけは必要だと言い、私はと言えば、絶対に1人の部屋が欲しいと言いました。

こうやって一つ一つの条件を出していくと、今度は金銭面で問題が発生します。もちろん長く過ごす家はとにかく妥協すればいいというものではありませんが、ある一定は譲ることを覚えないと、家賃ばかりがかさみます。その後の結婚や出産などの費用を考えると、毎月の家賃に収入の1/3以上を使うのは危ないと思います。

今思えば、もっと譲れる条件はあったのでしょうが、その頃は絶対に譲れないと頑なに思っていたことも多いです。ただし、やみくもにゆるい条件にするのも問題でしょう。ストレスが溜まる家ではリラックスができませんし、そのせいで2人の仲が悪くなってしまうことも考えられるからです。

そうこうしながら、私たちはお互いの最低限の条件や金銭面を考慮しつつ、エレベーターなしの5階というちょっとマイナスな部分のあるマンションを同棲場所に決定しました。

いざ同棲を始めると……

両方の両親への挨拶も終わり、引越しも予定通りに終わりました。ですがいざ同棲を始めてみると、全然想像が及ばないようなところでの違いにもたくさん気づくこともありました。

たとえば食器の洗い方、お風呂の入り方やお風呂の洗い方。エアコンの使い方から洗濯の頻度まで、同棲時代はお互いに自分の家のことは自分でやっていたので気づかない違いが大量に発見されました。その度に小さなケンカを繰り返すことになったのです。

同棲を始めてから辛いなぁと感じたのは、ケンカをしても他に逃げる場所がないことです。たまに相手の顔を見たくなくなると、家を飛び出して近くの公園で頭を冷やしたりしました。ですが、野宿するわけにもいかず、結局仲直りをするために家に帰らなければなりません。相手の常識が自分の常識と違うことを受け入れられず、自分が絶対に正しいと思い込んでいた部分もあったのだと思います。

結婚式の日取り決めも思ったよりも楽しい作業ではありませんでした。彼の仕事の関係などから時期は限られましたし、結婚式の予定日を決めてそこから逆算してスケジュールを組んでいくと、結構カツカツでした。

予算や結婚式・披露パーティーに呼ぶ人数・誰を呼ぶか、結婚式のBGMは?結婚指輪は?引き出物は?招待状は?など、考えることややることは山済みです。友人の結婚式などに参加して、晴れやかな舞台を見て憧れてはいたももの、裏ではすごく大変な準備があったんだなぁと思い知らされました。

彼は結婚式などに拘りはあまりなかったので、自由にしていいと言ってくれましたが、そのせいで余計に選択の幅が広がり良い物にしたいという気持ちから追い込まれていってしまったのです。結婚準備などはある程度は男性側にも制約を設けてもらえる方が楽なのかもしれません。

結婚は異文化コミュニケーション!?

同棲から結婚式の準備までのことをお話してきましたが、この期間に私が強く感じたことは、「好きになった相手なんだからお互いの距離を縮めるなんて簡単」などと言うのは幻想だということです。もっと言えば、好きだからで色々なことが許せるのは、恋人同士で相手に対してお互いに何の責任も負わないときまでです。

結婚をするというのはそんなに簡単なことではなく、もっと現実的で生々しい問題に対処していく日々なんだと思います。まだまだ世の中の理不尽にもまれたこともなかった私は、そのことを勘違いして上手く行かないことがあるたびに相手を批判してしまっていました。ですが本当に大事なのは相手がある行動をすることの原理から理解するということだったのです。

そういう意味で結婚は、異文化コミュニケーションに似ている気がします。知っているつもりで話をしても通じず、話をしてケンカをしてやっと少し理解できる。相手が違う人間で、なんでもわかってくれるなんて絶対に無理だということを肝に銘じておかなければなりません。

そしてこの後実際に結婚式や披露パーティーをするわけですが、それはまた……。

水月ひびき
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