TENGA美人広報に聞く「エロトリビア」~性のプロが考える未来のセックス
テクノロジーの進歩が止まらない現代。携帯電話はスマートフォンが、映画は3Dで楽しむことが主流となりました。技術の進歩は、様々な形で私たちの生活を目まぐるしく変化させます。その波は、アダルト業界にも押し寄せてきているよう。
今回、最新技術と性の関係について、TENGA社の美人広報工藤まおりさんに聞いてみました。
バーチャルセックスが可能になる!?
―――アダルト業界にもトレンドってあるんですか?
「ありますね。特に2016年は『VR(Virtual Reality、仮想現実)元年』と呼ばれており、業界の中でも注目されています」
―――「VR」と性は関係が!?
「今は、ゲーム業界や住宅業界まで、様々なジャンルでVRが取り入れられていますね。もちろん、アダルト業界も例外ではありません。
というよりも、VRが多種多様な業界で取り入れられ始めた当初から『TENGAはどういう形で取り入れるの?』『日本人のオナニーはどう変わるの?』というような質問を色んな方から聞かれることがよくありました。皆さんとても楽しみにしているようですね(笑)」
―――どんな取り組みができるのか、楽しみですね!
「はい!もちろん私も、VRが取り入れられた新しいサービスが生まれると思うとワクワクします。海外では、早速アダルト業界がVRを取り入れた試みをしたそうですよ」
―――どんなものですか?
「アメリカの大手アダルトサイトが、VRポルノ動画を集めたVRカテゴリーを立ち上げたことを記念して、VRゴーグルを1万個無料提供したそうです。予想通り、あっという間になくなったそうですが……」
―――日本でのイベントは?
「日本では、先日秋葉原で『アダルトVRフェスタ』というイベントが開催されました。
主催側の想定をはるかに超える来場者が押し寄せ、入場規制がかかるほど大反響だったとか。かなり注目されていることがわかりますね」
TENGAと最新テクノロジー事情
―――TENGAとしての試みは?
「TENGAでは、VRに用いられてきた技術を応用し開発された、『SR(Substitutional Reality、代替現実)システム』を使って、2015年7月にTENGA×SRシステムの体験会を行いました」
―――「SRシステム」って聞き慣れないのですが?
「SRシステムとは、予め用意された『過去』の世界を『現実』と差し替え、過去の映像をまるで今、実際に起きている現実として体験できるシステムです。過去と現実が混ざり合っている映像、とも言えるかもしれません」
―――体験会の内容は?
「体験会では、ゴーグルをつけた体験者の目の前にセクシー女優の目々澤 めぐさんが現れ、『SRシステム』について説明。その後、画面からさりげなく抜けた時に、彼女の過去の映像とすりかえるんです」
―――どんな映像になるんですか?
「体験者は、めぐさんが服を脱いで、上半身裸の状態でTENGAを渡してくれる過去の映像を目にします。しかし体験者側からすれば、まるで今起きているかのように体感できるのです!
実際にTENGAを渡したのは、広報宣伝部部長の松浦だったんですけど(笑)」
―――工藤さんも体験したんですか?
「体験させてもらいました!今まで体験者を何人も見ていて、どこから過去の映像が流れるのかも知り尽くしているはずなのに、どれが現実で、どれが映像なのかわからなくなってしまいました。本当にすごい技術です……!」
―――バーチャルセックスも夢じゃなくなりますね!
「本当にそう思います!例えば、実際は男性にオナホールを使用してもらっているのに、本人の感覚としては好みの女性とセックスしているような気分にもなれるんですよ。
もちろん男性だけでなく、女性にも需要はあると思います」
TENGAが考える未来のセックスとは?
―――この先、人間のセックスはどう変わると思いますか?
「VRやSRの他にも、人口知能を搭載した人間の女性に近いセックスロボットも開発されているみたいです。それが完成したら、女性を触れているような感覚を味わうだけでなく、体温もあって、会話もできるようになるかもしれません。技術がどんどん本物のセックスに近づきながら、進化していくと思います」
―――人間同士のセックスより気持ちよくなっちゃうかもしれませんね。
「むしろ、『気持ちよさ』という部分では、本来のセックスを超える可能性は十分あるのではないでしょうか」
―――近い将来、一般家庭にも最先端のセックストイが登場するかも!
「それはまだ先になるかもしれません。VR装置もそうですが、購入するとなると少し手を出しにくい価格。一般消費者の方が個人で楽しむようになる前に、ビデオボックスや、ホテヘルのような場所でVR装置やセックスロボがレンタル利用できたりするかもしれません」
―――なんだか、楽しみなような、ちょっと怖いような気がします……。
「そうですね。楽しみな半面、技術が進歩することで、本来の相手への思いやりや肌のぬくもりなどの人間的な感覚の重要性が薄らいできてしまう可能性もあると思います。
でも、個人的な意見としては、いくら技術が発達しようともマスターベーションはセックスとは別。女性とのセックスも楽しみながらマスターベーションも楽しんで頂きたいなと考えています。
美味しいご飯を食べるときは、一人で食べるよりは好きな人と一緒に食べる方が幸せ。でも一人で好きなものを自由に食べるのも幸せですよね。
そんな感じで、ただ気持ちよくなりたいという時はマスターベーション。パートナーと一緒に肌のぬくもりを感じ合いたいときは、セックス。
相手がいないけれど、誰かとセックスしているような感覚を味わいたいときはVRを利用してみる。
こんな風に、セックスもマスターベーションも自分なりに分けて楽しんで頂きたいなと思います」
―――工藤さんは、最新技術と上手に付き合うためにどうしたらいいと思いますか?
「今後はアダルト業界で、VR等の最新技術がどんどん取り入れられていくだろうと思います。ですから、試してみる際には自分に合うもの、付き合い方などを一度考えてみても良いかもしれません。
どんなに技術が発達しようとも、やっぱり対人間とのセックスコニュニケーションの楽しさは、忘れないで頂きたいですね」