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処女でなくなった途端不用品扱い!?「処女婚活サイト」の実態

30代女性の約4人に1人が性経験なし、つまりバージン……という状況を鑑みて、ついに「処女専用 婚活サイト」なるものが登場した、というニュースを見たのは先月のことでした。その瞬間は、「悪くないんじゃない?」と思いました。専用というのが引っかかるにしても、30代で処女の人は当然、経験値が少ない自覚があるので、出会いの場でも積極的にふるまえません。処女ということ自体がコンプレックスになり、男性の前で萎縮してしまいます。

そんな女性たちに自信をもってふるまえるよう具体的なアドバイスをもらえたり、カウンセラーにセックスに関する悩みを相談できたり……といった機能があるのであれば、それは有意義だと感じたのです。

〈処女〉を付加価値にして売り物に

でも、実際にサイトを開いてみて仰天しました。そこには、とんでもなく気持ち悪い一文が……。

「クロスポートは処女である女性と、結婚相手に処女を希望する男性との出会いをサポートする婚活サイトです」

えっ、〈結婚相手に処女を希望する男性〉のため!? 比喩ではなく、背筋がぞわぞわとしました。このサイトの本来の目的が、そこにあるとしか思えなかったからです。つまり「処女という〈付加価値〉のある女性を男性に提供すること」。女性にとってコンプレックスである〈処女〉という状態も、ある種の男性にとってはヨダレを出してほしがる付加価値です。

一見、女性のためのサイトっぽいけれど

トップページではまず「女性のメリット」が謳われています。

Merit1 処女であることが女性の入会条件ですので、そこをコンプレックスと思う必要がございません。
Merit3 貴方が処女であることを理解した上で、お相手との交際をスタートすることができます。

これは私が最初に「悪くない」と感じた要素とほぼ同じです。バージンの女性が男性と出会い、交際が進んで、いよいよベッドイン……でも「初めて」ということを事前に告げるべきかどうか。そのときの男性の反応はどうなのか。考えるべき課題がいっぱいで、それがバージン女性から恋愛に対する積極性を奪ってもいます。そこをフォローしてくれるサイトであればよかったのですが……、問題は↓です。

Merit2 貴方が処女であることを求められるかわりに、お相手に魅力的な条件を求めやすくなります。

サイトに群がる処女厨の男たち……

なるほど、処女を差し出すのと交換条件に、女性も男性を選ぶことができる、と。何なんですかね、これ。女性の性経験の有無を売り物にするって、どういう神経なんでしょう。〈処女厨〉といわれる処女信仰の強い男性に、おびえる羊をあてがう女衒にしか見えません。バージンのみなさん、逃げてーーー!!!

一般の人にも人権感覚が求められる21世紀にあってこんなことがまかり通るはずがないと思い、サイトを隈なく見ましたが、見れば見るほど気持ち悪さが増すだけでした。特に「Q&A」! 男性からの想定質問ばかりが並んでいます。曰く、「登録されている女性は本当に処女なのですか?」「『処女であると思われる』という診断書を発行してくれる医療機関はどこですか?」「処女であることを偽っていた場合は、どう対処するのですか?」……。処女厨キモッ!! 女性のみなさん、これはもっと怒りましょうよ。

処女でなくなった途端に、不要品扱い

あげくの果てに、女性側からの想定質問としてあったのがコレです。

Q:クロスポートで交際を開始し、男性会員と別かれてしまいました(※原文ママ)。このことにより、私は処女でなくなったのですが、その場合どうすればよいですか?

A:残念ながら貴方はクロスポートの会員資格を喪失しております。速やかに会員登録の解除をお願いします。婚前交渉の有無に関してはお客様にて慎重にお考えいただきたく、お願い申し上げます。

そうですか、処女でなくなった女性には商品価値がなくなったということですか。心身のアフターケアもなく、まるでスーパーで傷がついた果物のように売り場から下げるんですね。処女であることも自己申告なら、処女でなくなったこともまた自己申告なので(相手の男性が言いつけるというキ○ガイ沙汰もありえそうだけど)、自分の胸の内にとどめておけばいいだけかもしれませんが、女性をこんなふうに扱うところでその後も婚活を続けたいと思う人はまずいなさそうです。

〈処女〉は利用されるべきものではない!

「アラサーまでに恋愛しておけ!」「アラサーまでにセックスしておけ!」と提唱する私ですが、処女であることは付加価値でないのと同じく、罪でもないし、欠点でもありません。モラルのない婚活サイトに利用されていいものでもありません。

車の運転と同じようなもので早くその技術を習得しておいたほうが、後々スムーズに運転できるというぐらいの話です。ちなみに私は免許を持っていませんが、いまから若い子たちに混ざって教習所に通うのかぁと考えると億劫になり、この問題を何年も棚上げしています。……それと同じです。

いまでもこのサイトが“釣り”なのではないかという疑念はあります……というかいっそ“釣り”であってほしい。そうでないと、傷つく女性が増えるだけ。当分はウォッチングしていきます。

編集部
編集部

女性の生活スタイルやキャリア、社会的課題における有益な情報を提供したい。

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