第14話「恋の分子シミュレーション」～連載・恥の多い恋愛を送ってきました～

「いい人」と「恋愛対象」
この境界線は、常に謎の部分が大きく
きっとそれが原因で悩まれた体験をお持ちの方も多いであろう。

我々は、この問題について長きにわたって考え、
そして全てを解き明かすことができる結論を出した。
今日はこの件について突っ込んだ話をしたいと思う。

我々が出した結論。

それは
「相手が恋愛対象になるには自分の気持ちの中で、
　ある3つの想いが生じることが必要である」
という考え。

そしてその三大原則とは

「会いたい、知りたい、ヤりたい」

…である。

ここで若干引いてしまった方もいらっしゃるかもしれないので
言い訳するわけではないが、それぞれの項目について
説明してみたいと思う。

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まず、最初の項目…… 「会いたい」

これは、言わずもがな
その人と会いたい、そばにいたい、姿を見たい、声を聞きたい…
（自分で書いててちょっと恥ずかしい。）
という、恋愛においては通常見られる気持ちである。

生理的に受け付けない相手であったり、
一緒にいて寒かったり、痛かったりしたら
殺意は芽生えど、このような気持ちはまず芽生えない。

だが、この項目だけなら
仲のいい異性の友だちも当てはまることが多々ある。
ゆえに、この項目だけで「恋愛対象」とするには不十分なのだ。

続いての項目……「知りたい」
これは興味のある相手に対して持つ一般的な感情だが
恋愛対象になると、それがより顕著に現れる。

特に、他の人が知らない「自分だけが知っている」と
いう部分を求めたがるものだ。

ゆえに、普段皆の前では冷たかったり強かったりする人が
自分の前で意外な一面を見せると
あたかも自分だけが知ることができたかのような気持ちになり惹かれるのだろう。

しかし、この項目と前の項目を合わせても
まだ「恋愛対象」と断言はできない。

本当に信頼できる友人、仲間に対してもこのような
気持ちは持ちうるからだ。

最後の項目……「ヤりたい」

私が思うに、これこそが
「いい人」と「恋愛対象」に抱く気持ちの
決定的な違いである。

「いい人」と思う人と接吻やら何やら色々できるだろうか？

不可能であると思ったら、その相手とは恋愛対象にはなりえない。
反対に好きな相手であればむしろお手合わせ願いたいという気持ちになるはずだ。

つまりは、「恋愛対象」になるには自身の中での
生理的な受け入れ度がかなり高い相手でないと無理なのである。

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そんなわけで私は、
「この人は恋愛対象になるかしら？」
と思ったら、キスできるかどーかを真剣に考えることにしている。
（もちろん、少々のシュミレーションもしてみる）

そのシュミレーションの過程で
「やっぱムリ！」
と、なったらそれはたぶん恋愛対象にはなりえなく、
反対に「まだまだイケるぜ！」
と、思えたら好きになれるのは間違いない。

…もし、気になる人が
恋愛対象か、それともそうでないのか自分の気持ちが
はっきりわからない時は、
自分の気持ちの中にこの3つの想いがあるか見つめなおして
みるといいだろう。

きっと、答えが出るはずだ。