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第11話「恋の抵触関係」~連載・恥の多い恋愛を送ってきました~

友情と恋愛。

友人と同じ異性による恋愛沙汰に巻き込まれることは
そうそうないものだが
実際にその事象が生じた場合、けっこうな泥沼となることが多い。

特に女性同士のそういった問題については、男性と比べて
『陰湿』『えげつない』
というイメージを持っている人が多いのではないだろうか?

だが実際は、男同士の友情と恋愛の問題の方が
『体面』を気にする分、
関係が修復不能に陥りやすいのではないだろうか?


今回はその事象について
筆者の周囲で起きていた事件から検証してみようと思う。

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それは学生時代のこと。

筆者は割合人数の多い男女混合の部活動に所属しており、
日々様々な恋愛模様を目の当たりにしていた。
(我がキャンパスは男女比が極端に男寄りなため、生存競争が熾烈なのだ)

そこは変わった人は数多くいれども基本的には平和な場であった。
しかし筆者が幹部を勤めるある時、
長い伝統を誇っていた我が部の存続を脅かす重大な事態が訪れたのである。

それは何かというと、
一緒に活動をしていた他大学の女子1名によって
当時の主将、前の主将、次期主将予定者の
3人が同時に手を出され、
しかも部内全員がそれを知ることとなってしまった
という(←広報担当:本部)
悲惨な状況に陥ってしまったのである。
当時、筆者は部の幹部として
色々と裏で暗躍していたのだが(←このあたりは今と変わらない部分である)
さすがにこの気まずい状況は我が部にとってもマズイと思い、
ネタになって明るく笑い飛ばしてくれれば少しでもこの場が打開できるのではと
ある秘策を打ち出した。


当時、大流行していた『だんご三兄弟』という歌を元に

『一番ヘナチョコ、長男♪
 スキをねらうぞ、三男♪
 自分がいちばん、次男♪
 みんな、○兄弟♪』
←(作詞 本部)

……という歌を広め、ネタにすべく部員皆で大合唱をしてみたのである。

ところが、この試みは残念ながら本人達以外には大ウケだったものの
当事者からは本気でキレられてしまった。
どうやら当人にとってはそこそこ深刻な問題であったようである。

結局、私のこの厚意は裏目に出たようで
あろうことか幹部の私まで主将(長男)と険悪になってしまった。
当事者以外には笑顔が戻り平和が訪れることとなったのではあるが。

---- このように、男同士の恋愛が絡む友情というものは、
『己の面子』なるものが保たれなくなると、
脆く崩れやすいものなのである。

それでは女はどうか?
これについては筆者の経験から検証してみよう。

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学生時代、筆者と友人に同じ男が寄って来てしまうという事件があった。

ある日、筆者が友人に
『最近頭のおかしい男が寄ってきている』
と話をしてみたところ
全く同じ手口で友人にも接近していたらしく、

『それ、私にも寄ってきてる人ですが?』

…と、その男の知らないところで
私達はその驚愕の事実を共有することとなった。


とりあえず互いの情報を共有してみたところ
その青年は不自然なくらいに目をキラキラさせ、
常に自分の夢を熱く語る…というのが
双方への共通の手口だったようだ。

ただ、異なるのはその夢の内容であった。

筆者に対してその青年は
『馬がタテガミを風になびかす姿が好きなので将来は牧場経営をしたいんだ』
『海に潜って神秘の世界を見れるような海の男にもなりたいんだ』

と、ロマンティックな話を目を輝かせて話していた。

だが友人に対しては
『将来は大学を中退して航空大学校に入り直しパイロットになりたいんだ』
と、何しに大学に来たのか常人では理解できぬようなことを語っていたとのこと。

……って、お前の夢は
陸海空のどこにあるんだYO!

衝撃の事実を入手してしまった我等は、
大学を休んで紺碧の空と海を求めて沖縄に行っているというその男に対し
天誅を喰らわせんということで意見が一致。
彼女の携帯から筆者より、男に親しげにメールを打ってみた。

すると彼からは
『お土産持ってくし楽しみにしてて!』
との嬉々とした返事が。

……貴様が心ときめかせてるメールの相手はこの私だよっ!!

結果、その男はメール回し読みの刑に処されるという恥ずかしい罰を喰らい、
我等双方からフェイドアウトされるという結末に至ったのである。

彼が『オレは宇宙飛行士になるんだ』とか言い出して
宇宙の藻屑となっていないか心配だが、
その後どうなったのかは一切不明である。

なお、この事件のおかげか、筆者とこの友人とは意気投合し、
長きにわたる良き理解者となったのである。

このように女は男と比べ、無論個人差はあるものの、
『同性間での面子』
にはそこまでこだわりはないため
友情そのものに亀裂が入ることは少ない。

面子にさして囚われないからこそ、
自分と同様の状況に陥った相手に対して
敵意を持つのではなく、自身の状況を投影して共感することができる。

恋愛と友情によるトラブルも
男は『己の面子』に置き換えてしまい、
女は『共通ネタ』に置き換えてしまう。
これによって、
男同士では決定的な亀裂となり
女同士では強力な結束が生じる。

『恋愛と友情』の問題、
これは男女どちらにも生じるトラブルであるが
その受け取り方により生じる結果は大きく異なるのである。

編集部
編集部

女性の生活スタイルやキャリア、社会的課題における有益な情報を提供したい。

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