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第6話「恋のシグナル伝達」/恥の多い恋愛を送ってきました

最近、友人に気になる人ができたらしい。彼女はかなり乗り気で私は彼女が仲良くなっていく話を うれしそうに報告するのを、いつも微笑ましく聞いていた。

このような段階の、相手の反応を見ながら間合いを詰めていく時期というのは刺激にあふれ、大変楽しいものだが
勝算があるのかどうかは素人目には判断が難しい場面である。
(ボクシングでいうところのジャブの応酬の場面である。)

私はかなりのハードパンチャーのはずなのだが
ジャブの距離を見誤ってしまうため
肝心の一撃必殺のストレートが必ず空振りに終わってしまう。
(しかも相手の試合放棄で続行不能になるケースがほとんどだ。)

これは、果たして私の読みが甘すぎるのか、
釣り合うほどのハードパンチャーに出会えていないだけなのかは未だ定かではない。

……さて、話が少々脱線してしまったので
何事もなかったかのように元に戻そう。

この彼女、相手も自分を好きであるに違いないと報告してきた。
私がなぜかと問いてみると

『この前も酒飲んで、軽くボディータッチが増えてきました。
しかも今までの経験上、友だちな女に『夢トーク』なんぞしないものですが 最近は『夢トーク』を始めたので、しめしめと思う次第です。

との答えが。

・さりげないボディータッチ
・夢トーク

は、たしかに二人きりのときは大きな効力を持つ。

特に前者はその気がなければ、なかなかしないものであるし、
未来どころか今も過去も何もかも知られたくない
私や彼女のような少々濁った目には
希望にあふれた未来を堂々と話す青年はとても眩しく映ってしまう。


そんなこんなで、徐々に気持ちが盛り上がっていく彼女に
ついに大きなチャンスが舞い込んだ。

なんと、彼が海外旅行のみやげを渡したいから
部屋に寄ってほしいと申し出てきたのである。


無論、この『部屋に寄る』という行為は
夜に行き、かつ上がり込まねば意味がない。

そこで私は彼女に
『向こうが『お茶でも』などと言った時に備え、
念のため勝負モノを身につけて行け』

とメールを送ってみた。

すると
お茶どころか酒です、
酒!もちろん勝負モノを纏って行きますとも。

との返事が。

そのうえ、
怪しげな雰囲気に持ち込むテクニックも体得したので、確実にキメてきます。
とのこと。

また、順序が逆じゃないかと反対するであろう他の友人達に対してはどう説明するのかとも聞いてみたところ、
『事後報告の形をとる予定です。
素人に有益性や安全性を説明するのは簡単ではないので・・・
という返答。

彼女の読みは私以上に深く、はるか先を行っていた(先走っていた)ようである。
私は彼女の思慮の深さを知り、もう何も教えることはないと安堵した。

そして、ついに決戦の日はやってきた。

私は、彼女からの勝利結果を静かに待っていた。

……しかし、彼女からの報告は以外なものであった。

当初、想像していたとおりその場はたいそう怪しい雰囲気となり、
かつそのままなだれ込もうとしていたというのに

彼女の方から試合を中断、
そして帰ってきてしまったのである。


私は、自らチャンスを棒に振った彼女を叱責し、
何を考えてそのような行動を取ったのかと問い詰めた。

すると、彼女の考えはこうだった。

彼女も、最初は思惑どおりに
そのような雰囲気に進み内心は『よっしゃっ!!』と思ったらしい。

しかし、このまま場の流れでそうなるよりは
後々のことを考えたら
相手を確実にモノにしたい…と、途中で冷静に考えたそうなのである。

そこで、その場では恥らう振りをして
うまく和やかに別れることで
私は簡単にそうなる女じゃないのよ(付き合わないとダメなのよ)♪』
と思わせると同時に
自分が相手に気持ちがあることを伝え、
あなたがその気(付き合う気)になれば私はすぐにOKよ♪
というニュアンスを持たせたのである。

もしかしたら、それほどちゃんとした気持ちではなかったかもしれない彼も
このようにあと一歩で手が届かなかったこと、
生殺しの目にあったことから
彼女を欲っする気持ちがより一層強まる。


しかし、彼女を手に入れるには自分の気持ちをしっかり固めなければいけない。

……途中で中断&帰宅することは
彼女もかなりの忍耐を要したそうである。
なぜなら、彼を手に入れたいと一番思っていたのは彼女なのだから。

しかし、目の前の欲にくらんで
その場限りで後々気まずいことになるかもしれないリスクを背負うよりは
長期的に見たらこの方がいいであろうと考え、
もったいないと思いながらも泣く泣く帰ったそうなのである。

もし私が彼女の立場だったらば
そこまでの考えには至ることなく、目の前のエサに飛びついていたであろう。


私は彼女の思慮の深さに感銘を受けるとともに、
この技を『寸止め』と命名し
いつの日か自分も使えるようになろうと誓うのだった。

このように、女も男の前では恥じらう振りをして
自分の思う方向にうまく誘導しているものである。

男性諸君もその策にうまく乗せられるか、
わかっていても、相手の引くレールにうまく乗ってもらいたい
ものである。(悪いようにはしないのでw)

編集部
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