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第2話「恋の黄金聖衣(アルデバラン編)」~連載・恥の多い恋愛を送ってきました~

お待たせしました。後編です。

すでに企画(?)からコケていたという噂もあるこの計画の結末は?

そして本部の今後の社会人人生の行方はどうなってしまうのか(;・∀・)!?
(↑これ、けっこー重要。)

ゆっくりご覧ください~~

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黄金聖衣(ゴールドクロス)を纏った私は覚悟を決め
静かに布団(コロッセオ)へ向かった。

だが、いきなり彼の布団に入ってしまっては
自分から簡単に男の布団に入ってくるような女』 などと思われてしまう。

いくら同じ部屋で一晩を一緒に過ごすからといって
そんな風に思われたくはないし、
やはりこういう場面では男に花を持たすというか
主導権を握らせてやりたい。

(我ながらできた女だ。)

私はさりげなく微妙な距離をとって敷いてあるもう一つの布団へと入った。

私の部屋は底冷えがするため
掛け布団を重ねないと安眠するには少々寒すぎる。
もちろん、すぐさま寝させるつもりもないので
エアコンの温度設定も調節済だ。

この室温トラップが徐々に効いてきたらしく
彼は少し寒いと訴えてきた。


そこで、私は何も言わず自分の掛布団を1枚とって
彼の布団の上にかけてやった。

……この行為。

そう、寒いからといって相手の布団に入ったり呼んだりするのではなく
寒いのに自分の布団を彼にかけてあげる
というのがポイントである。

彼はこう思うだろう、

寒いのに自分のをかけてくれるなんて!?
            ↓
彼女はそのままじゃ寝れないじゃないか…
            ↓
申し訳ない…一緒の布団で寝るしかないな

そう、私の優しい心遣いに感激するとともに
彼から私のことを布団に呼ばなければいけない、
……つまり私は全くヨゴレにならない完璧な戦略なのである。

布団をかけてもらった彼は思ったとおり私に寒くないか聞いてきた。

私は『ううん、大丈夫!』と無邪気に答え自分の布団に戻った。
あくまでも彼から誘わせなければならないからだ。


…ところが彼からはいつまでたっても誘いの言葉は来ない。
まさか本当に大丈夫だとでも思ってるのか?
…そんな馬鹿な。

このままでは、適温になった彼のみ熟睡してしまい
私1人が色々な意味で寒い思いをすることになる。

…それだけは避けねばならない!!

私はワザとらしくクシャミをはじめた。
ここまで切羽詰ったら演技だろうがおかまいなしだ。
さすがに彼も寒くて寝れないことを気づいたらしく心配しはじめてきた。

ほれ。

彼は一言そう言って左手を差し出した。
それは夢にまで見た…そう、腕枕だ!!

私はあまりの事態の進展ぷりに動転し、
何を思ったのか布団から飛び出して直立し

失礼します!!!!

と、一礼して布団に入った(実話。)

…夢にまで見たそのシチュエーション、
彼に腕枕をしてもらってる状態に私はただただ感動していた。

しかし、いつまで経っても彼は何もしてこない。

さすがの彼もそのシチュエーションには何かしら思ったらしく
『これって、さすがに寝れなくない?』
などと言ってきた。

…当たり前だ。最初から眠らせるつもりなど一切ない。

しかし、落ち着かない様子で
なかなか寝れないはずなのに彼は相変わらず何もしてこない。
それどころか重い口を開いてこう言い出した。

やっぱこの状況はマズいよ』と。

彼は、うまくいっていないとはいえ、彼女がいるのに他の女とどうこうなるのは自分的にはアウトであること、

そして私のことは多少はいいとは思ったこともあったが、やはりこの先を考えたら長く仲間として友人として、いい関係でいたいということを告げた。

私は、自分はもし男女として付き合っても友人としても仲間としても変わらない関係でいられると訴えたが彼は頑として聞き入れなかった。

…そんな馬鹿な…

目の前に彼がいるのに
何もできない、それどころかやはりそういう関係にはなれないと告げられ私は呆然とした。

しかし、そう言いつつも二人は変わらず同じ布団の中である。
はっきり言って、かなり微妙なシチュエーションだ。


ここで、通常の友人なら(私が逆の立場でもそう言うが)
そのまま襲ってしまえ!』と助言するだろう。

しかし、しかしである。
私には一つ重大な欠陥があった。

免許はイチオウ持ってるとはいえ
路上にはほとんど出たことのない超ペーパードライバーだったのである。

学科の方は、それまで長い月日をかけて
友人達と熱く議論を交わし続けてきたおかげで満点の自信があった。


だが、イザ路上となると自分から走っていく自信も度胸も全くない。

結局私は何も出来ず、その微妙な状態のまま固ったままだった。

私はこうして『何もしない彼
……そして『何もできない自分

両者への怒りとやるせなさを抱いたまま、
いつしか睡魔に負け眠りについてしまったのである。

黄金聖衣(ゴールドクロス)によって
無駄に燃やされた小宇宙(コスモ)を抱いたまま…

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次の日は快晴だった。

昨晩のすさまじい心理戦とやり場のない墳りから
私は完全に爆睡してしまっていたようである。
気持ちの疲れもすっかり取れていた。

私は朝食を用意し、
昨晩のように二人で歓談しながら時間を過ごし
そして彼を駅まで送っていった。

電車に乗って帰って行った彼からメールが来た。

今回泊めてくれたことへの感謝と
これからも長く仲良くよろしくお願いします!』の言葉だった。

……こうして、私の闘いは幕を閉じたのである。

この件があった直後は、
私は『寸止め』についてはやはり理解ができなかった。

だったら最初から来なければいいのでは?
なぜそのまま進んでしまわないのか?と。


しかし、時間が経って当時の彼の心境を考えるにつれ
それが納得はできないまでも、少しずつ理解はできるようになった。

その時の感情でそういう状況になってしまうことは誰でもあるだろう。

しかし実際にそれが現実に目の前に現れると
ふと、その先のこと、そして自分の本当の気持ちを冷静に考えるものだ。
そして自身の気持ちの中に迷いがあった場合は

最悪の状態になることを避けるための緊急の回避策として…
…『寸止め』を行うしかないのだろう。


進むも勇気』ならば『退くも勇気

『寸止め』とは、その勇気のうえの辛い選択の結果なのである。

編集部
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