SM愛好家F美の少し変わった恋愛歴
女子会と言えば下ネタは当たり前、彼氏のSEXの下手さを皆で笑うのは序の口だが、そんな彼女達も一目置く女性がいる。 都内在住28歳F美は大人しそうな外見からは想像できないSM愛好家、いわゆるM嬢である。
今回は、普通の女性とは少し違った悩みを抱えてきたF美のお話をしていきたいと思う。
自分は変?誰にも受け止めてもらえなかった若き頃…
F美が周りの友人達と違った性癖を持っていることを自覚したのは10代の頃だという。
彼氏とのSEXに満足ができない。
(もっとこうして欲しいのに……)
願望はあるのに、恥ずかしくて口に出すことができない。
勇気を出して伝えてみても、 「俺が下手だって言うのか?」 と逆ギレされてしまう。
友だちには悩みを正直に話したつもりだったが受け止めてもらえず、陰口を言われることも多々あった。
「あの子、何かおかしいよね。一緒にいるのやめよう」
顔や性格が人それぞれ違うのは当たり前に受け入れられるのに、なぜ性癖は受け入れてもらえないのだろうか?
答えがみつからない悶々とした日々だったという。
彼氏とご主人様を持つ二重生活と逆調教の日々
F美はずっと“彼氏”と“ご主人様”を持つ二重生活をしてきた。
彼氏に後ろめたい気持ちはあったが、ご主人様との性生活があることで心のバランスがとれていたという。
もちろん友人達にも内緒にしていた。
若くてスレンダーな体型で容姿も悪くない彼女は“調教してくれる相手”に不自由することはなかった。
だが、興味本位や「M嬢は、何でも言うこと聞くんでしょ?」と言った、自分の欲求だけを押しつけようと口説いてくる男たちが後を絶たなかったという。
「Mだから全て言うことを聞く」というのは大きな間違いだと彼女は語る。
あまり知られてはいないが、本来のSMとは挿入行為が目的ではなく、プレイを通してお互いを思いやり深く満足する為にある。
SMには縛る、スパンキング(叩く)、ロウソクなど様々な“プレイ”があるが、
縛りにしても身体に痕が残りにくい縛り方があるし、火傷をしないように低温ロウソクを使うのが一般的である。
叩く場合でも洋服を着れば痕が見えない場所を選ぶのがマナーだ。
M嬢も心を持った人間である。自分の身体を大切に思ってくれない男性の言うことなど聞きたくないのだ。
そんな男性に出会うたびに彼女は一喝し、本当のSMとはどういうものか教え込んできたのだという。
「まるで逆調教ですよね、でも決して珍しい話しではないんです」 と懐かしそうに笑っていたのがとても印象的であった。
やっと見つけた彼氏とご主人様一体型のパートナー!
始めて彼氏兼ご主人様のパートナーが出来たのがF美の転機となった。25歳の頃だったという。
これを機会にF美は友人達にカミングアウトを決意した。
大声で話すことではないが、決して間違ったことをしているわけではないし、後ろ指をさされる筋合いもない。
彼氏とは真剣に付き合っているし、同じ悩みを抱えて下を向いている女性を何人も見てきたF美は彼女達にも前を向いて欲しいと思った。
いざ打ち明けてみると、周りの反応は以外なものだった。
始めは驚かれるものの、裏の世界とされるSMの話を爽やかに、かつ楽しそうに話すF美の姿は現代女性達にはとても新鮮で刺激的だった。
気付けばF美はいつも友人達との会話の中心にいるようになり、沢山の性についての相談をされるようになっていた。
「おかしな一緒にいたくない子」から、 「少し変わっているけど、面白い子」 に変われた実感できる瞬間だったという。
そんなF美は今日も彼氏と幸せで少しディープな毎日を送っている。