【ジェーン・スー×東香名子2】アラサー女子がプロポーズされない理由・後編
新刊「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」(ポプラ文庫・刊)が好評発売中のジェーン・スーさん。前編に引き続き、女子が結婚できない理由を考えます。編集部・馬場の「結婚したいのに男が苦手」という発言に食いついたスーさんは……。
結婚したいのに男が苦手、だと!?
ジェーン・スー(以下:ジ):そして一番の問題「結婚したいけど実は男が苦手」!?どういうこと?なんで結婚したいの?
馬場:そこなんです……。多分、ひとりで死にたくないから。
ジ:旦那が先に死んだら?
馬場:子供が……。
ジ:できなかったら?
馬場:ふう……。
ジ:たしかに、結婚すれば一人で死ぬ確率は下がると思うけど。じゃあ、なぜ今独居老人があふれているんだってね。
それ、本当に結婚したいのかな?やめたほうがいいよ。引き裂かれて頭おかしくなって終わるよ。「男性が苦手だけど誰か結婚してくれる人いないかな」って、すごい心に負荷がかかってる。婚活って、している人はみんな苦しんでるしね。
馬場:苦しまないと結婚できないのかな~と。
ジ:あ、それ危険。お布施とかあげちゃうタイプ?(笑)そもそもさ、結婚がしたいんじゃなくて、結婚式がやりたいだけなんじゃないの?ドレス着て、ケーキ切って、写真撮って、ハイ終了。東大の合格発表みたいな。
東:うーむ。そうかもしれません……。
驚愕の事実!東は男を下に見ている?
ジ:2人に共通すること。基本、相手を下に見て馬鹿にしている!
東:そんなことないですよ!リスペクトのカタマリだと思うんですけど。
ジ:いやぁ。私となら考えを変えてくれるとか、力不足を演じたり、恋愛テクでその気にさせるのも、嫉妬させるのもそう。馬鹿にしてる証拠。それなのに、泥酔した彼の甘い言葉を信じるとか。このバランスの悪さ、分かる?
彼をコントロール下におけると考えながら、できていないのに不安を感じていて、その担保になるような言質をとりたがる。相手を下に見ながらも相手に対して立場が弱くなっているのよ。小馬鹿にしてる相手から愛情を引き出そうなんて、矛盾してる。
東:ヒエッ!
ジ:「コントロールしよう」ってことが大きなボタンの掛け違いなの。まず、男は自分の支配下にはおけないから。最初の設定から変えないとその不安は消えないよ。そもそも、自分をコントロールしようとしている人と結婚しようと思う?しないですよね。
東:ひゃーたしかに!目が覚めました。でも、ちょっと計算的になっちゃうんですよ。わざと弱いふりして花を持たせちゃうとか。
ジ:それ、相手を小馬鹿にしてるってことだから、今すぐやめたほうがいいよ。
東:でもそんな私がかわいいってなりません?(笑)
ジ:それはご都合主義!
東:ポジティブなんです!ご都合主義じゃないですっ!
ジ:ははは、なんてご都合主義な!リスペクトしてる相手から愛情をもらえるように。「こんなに素敵な人から愛されてる自分は素敵!」と思うようにしなさい。
特徴を逆にして考えてみると、真実が見える?
ジ:本に載せたのはすべて女の特徴なのですが、逆にして考えてみて。真逆にしたら本当に嫌な男だよ。
まだ本気出してないけど、出せばなんとかなると思ってる男。連絡が取れないとメールを3通以上送ってきて、そのわりに電話1本で呼べば来る男。SATC見て感動してるあなたを馬鹿にして、「ダメ女ばっかり好きになる」と言っちゃう男。さらにさらに、その気にさせる恋愛アプローチをしてきて、あなたを嫉妬させようと女に口説かれた話をする。
東:うわ、最悪!
ジ:それでいて自分を好きだという言質を取ろうとしたり、あなたに結婚願望がないのに、俺なら考えを変えてくれるかもと、家庭的なものをガンガン置いてきたり。酔ってペロッと言ったこと信じてみたりとか。あなたたちは……そんな人なんですよ!!
東:ぎゃ~やめて~!
ジ:絶対信用したくないよね、こんなやつ。
東:この本すごいですね。ぞっとする……。新しい本の使い方ですね。
ジ:想像力が試されますけどね。
東:あぁ、すごい破壊力。めまいがする……。
相手を尊重することが全て
ジ:結婚生活が上手くいってる人たちは、最終的にはお互いを「一個人」としての尊重がある。その人の判断を信じて、支えていると思います。思い通りにさせようとするのは、自分の信用を失います。今すぐやめること。
東:男はコントロールできない!
ジ:そうです。相手を尊重してください。「あなたがそうしたいなら、どうぞ」と。
東:「あなたがそうしたいなら、どうぞ」良い言葉。紙に書いてトイレに貼っておきたい。
ジ:相手が来たときには剥がしたほうがいいと思うけどね(笑)。これを読んでいる読者の方もね「コントロールなんかしてないよ」なんて思うかもしれないけど、「あなたのためを思って」はコントロールの第1歩!気を付けて。
東:ははあ……。今回も非常にありがたすぎる金言をいただきました。
ジ:ははは、それにしても前回からの成長はまるでなかったね!(笑)
東:ひぇ。精進します。次回のインタビューでの成長っぷりを楽しみにしててくださいね!
ジ:はいは~い。
コラムニスト。東京独女スタイル編集長を歴任。1983年生まれ。独身女性の視点から、恋やライフスタイルを分析したジャーナリスティックなコラムを得意とする。雑誌「デートスペシャルなび」で連載中。テレビ、雑誌、ラジオ等各方面で活躍中。電子書籍「モテる!ソーシャル恋愛術」「ここで差がつく街コンテクニック」等。趣味は鉄道。
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