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外資系金融の人々★[第7回] 取引終了の合図でドンペリを注文

外資系金融 7

1991年バブル真っ盛りの頃、私は最初の転職先でとても驚いたことがある。

その欧州系銀行では「儲かると必ずドンペリで乾杯する!」という、お酒好きにはたまらないバブリーな恒例行事があった。

1本5万円以上!あのドンペリ・ピンクロゼをゴクゴク

これを提案したのは当時の在日東京支店長T氏で、チャーリーシーン似の52歳のオランダ人。

何事にも贅沢の限りを尽くさないと気がすまないリッチな生活を送っている彼は、当時のバブル好景気を背景に、日本人と一緒に我が世の春を謳歌している最中であった。

午後三時の外国為替取引終了の合図と共に、その日の売上報告がT氏へ伝えられる。儲かった日には、T氏がすぐさまドンペリを注文するよう女性秘書へ指示をする。

我々社員がシャンデリアのあるパーティールームへ移動すると、ダイニングテーブルの上にはシャンパングラスが用意されていた。

部屋の隅に幾段も重なっているドンペリの木箱からボトルを次々と取り出して、みんなで一斉に栓を抜く。

支店長T氏の口癖である「Let's make money!(稼ごう!)」の音頭で、みんなで乾杯する。

みんなでシャンパンを注ぎあうも、グラスから泡がたくさん溢れていようが、もったいないと感じる人は誰ひとりいない。

お酒好きな私にとって、まさに至高の喜びである。何しろ、あの高級シャンパンの王様と呼ばれるドン・ペリニヨンを好きなだけ平気で何本も空けてしまうのだから。

当時、1本2万円くらいであっただろうか?少なくとも1度に何十本と空けていたと記憶している。

さらにたくさん儲かった日には、奮発して、1本5万円以上のドンペリ・ピンクロゼが振舞われる。

おかげで、私はすっかり舌が肥えてしまい、安いシャンパンには全く手が出ない。まさにバブルの後遺症といえよう。

※この記事は2010年8月21日に掲載されたものです。

>>「外資系金融の人々★[第6回] 犬も歩けば元妻にあたる?狭すぎる相手探し」を読む

編集部
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