「価値観が合ってる」は逆に危険!?「違っている」方がいいワケ
離婚する理由の一つにあげられる「価値観の違い」。価値観が違う相手と結婚生活を送るのは確かに辛いような気もします。一見、もっともらしく聞こえるこの理由ですが、幸せな結婚のためにはカップルの価値観は同じほうがいいのでしょうか?
「イヤなこと」の不一致こそすれ違いのモト
交際期間中に「趣味が合う」「考え方が似ている」と、合うところや心地いいところを中心に見てきて、結婚して一緒に生活しだすと、それまで気にしたこともないようなことでケンカが多発することがあります。
これは、好きなこと・楽しいことは同じなのに、嫌いなこと・許せないと感じることの価値観がずれているせいです。好きなことは違っても、それが気になって仕方ないということは少ないもの。でも、自分的には許せない・不快だと思うことを相手が何気なく繰り返すと、ほかのどんな長所も目に入らなくなってしまうことも。
一般に「悪口は良くないこと」という認識もあるので、嫌いなこと・腹の立つこと・許せないと思うことなどを話し合う機会はなかなかありません。でも、恋人でいる間に、自分のネガティブな感情と、その引き金はどんなものか、たまには相手に見せてみるのも大切です。
「考え方がそっくり」だからラブラブとは限らない
価値観が同じすぎて夫婦がうまく行かなくなるパターンもあります。夫婦にも刺激は大切。いくつになっても仲の良い夫婦は、お互いに刺激を感じ、尊敬しあっていることが多いものです。
考え方が似通いすぎると、退屈になると浮気心がわいたり、刺激がない分、尊敬もできなくなって相手の長所に目がいかなくなり、合わない部分にばかり意識がフォーカスされてしまうことに。結局、相手のイヤなところばかりが目につくようになってしまいます。
また、精神的な成長のスピードや伸びしろの差がそれに拍車をかけることも。例えば、40歳を指していう「不惑」という言葉があります。あれこれ迷わないという意味ですが、かつては40歳前後なら誰もが結婚していて、持ち家も手に入り、仕事でもそれなりのポジションにつき、子どもだって十分大きくなって……というように、ある程度標準的な生き方というのが存在しました。
人生のピースがひとつひとつハマることは、安定することであり、惑う余地がなくなること。でもそれは昔の話。いまのアラフォーは生き方の選択肢が増えた分、大人になっても揺れ動く心があり、考え方も変わっていく余地があるはず。その考えは夫婦でいつも重なってるとは限りません。
いまアラサーの女子が結婚して、10年経った時、お互いに刺激を感じなくなる一方、精神的な変化のスピードが合わないと、どちらかが相手を「退屈な人」と感じるようになるため、「価値観が違う」と心が離れていく理由になります。
違いを楽しもう!絶対譲れないこと以外は違いがあっていい!
どんなカップルも夫婦も、結局は他人です。自分と違って当たり前だし、どんなときも意見が一致するとは限らないのも当たり前。不仲の原因を「価値観の違い?」と悩まないためには、絶対に譲れないことは譲らず、どうでもいいことは譲ったり受け入れたりするのもまた楽しい……そんな人と一緒にいるのがいいのかもしれません。