【三十路と婚活】こんな合コンしてみた~異業種交流会編~
馬場です。毎月、友人の結婚式に呼ばれて全国を飛び回っている、三十路の独身です。
前回は、プライベートの充実に躍起になる年下クンとデート。相変わらず、Facebookにはイベントの招待がピコピコ来ておりますが、華麗にスルーしております。
そんなある日、Facebookに別の人からイベントのお誘いが。今回は、かなり健全な集まりのようです。
異業種交流会 in 神楽坂
マッチングアプリや婚活イベントに片っ端から行っていると、馬場の元には「実際、婚活ってどーなの!?」「こんな男がいたんだけど!」と、様々な婚活レポが届きます。
先日も、「私もTinder始めた」と報告をくれた女子がおりました。
それがY女史。彼女は、既婚者ばかりとマッチングするというトリプルスリーを達成したミラクルガールです。しかし、あまりの引きの強さに早々にTinderは卒業し、「やはり合コンの方が質が高い」という原点回帰をしたばかりでした。
その意見には、馬場も同意。するとY女史は、すぐさま異業種交流会、別名「健全で意味のある合コン」をセッティングしてくれたのです。
さらにありがたいことに、その会には「馬場ちゃんのタイプだと思う!」とY女史が感じた男性・T氏を呼んでくれたとのこと。なんと、身長180センチ以上ある芸大卒で、自ら会社を経営しているというのです。出会って日が浅いY女史ですが、かなりバリバリ仕事ができる女性のようなので、人を見抜く目には期待を抱きました。
当日。
会場がある神楽坂に降り立つと、なんだか急に不安になってきました。参加人数について、改めて考えてしまったからです。今日は女性3名、男性2名が来ます。ということは、カップリングとなったら女が1人余りますよね。こういう場合、大抵あぶれるのが……
馬場です。
不安要素しかない異業種交流会まで、あと5分。もう後戻りはできないと腹をくくり、会場のインターホンを押しました。
すると中から「はーい!」と聞き取りやすい男性の声が。「いらっしゃい!」と笑顔で迎えてくれたのが、家主兼本日のターゲット・T氏でした。高身長に清潔感ある笑顔、馬場スカウターは出会って0.01秒で出撃命令を発令しました。
そしてラッキーなことに、会場にはまだ馬場しか到着していませんでした。T氏と2人きりの部屋は、キャンドルだけが灯りを放ち、エロい……じゃなくてロマンティックな雰囲気を醸し出しています。そしてテーブルには、紙ナプキンと紙皿、フォークにナイフにお箸のセットが一席一席に置かれており、エロい……じゃなくて几帳面なT氏の性格を表していました。
簡単な自己紹介を済ませて、しばし歓談。T氏は、デザイン性と実用性を兼ね備えたプロダクトを作る会社を経営しているそうです。正直、話はチンプンカンプンでしたが、大切なのはそんなことではありません。
彼女ナシの独身か、それが問題なのです。
核心を突こうとしたところで、他のメンバーも続々と到着。一旦、当初の目的である異業種交流会を始めることになりました。
本日のメンバーは、馬場、T氏、Y女史の他、Y女史の大学時代の友人I女史と、Y女史が仕事関連の集まりで知り合った巨漢のA氏の5名。早速名刺交換で挨拶を交わし、ビールで乾杯しました。
Y女史を中心にそれぞれが程よく話題を提供し、お互いの仕事について興味が湧き始め、非常~に健全な異業種交流会が進んでいたのですが……
「私が関わっている業界は、今後のシステムの主流になる」
「この部品、〇〇は××が開発した△△で現状のものより数十倍も性能が上がるだけでなくキャパシティが云々かんぬんでなんちゃらかんちゃらで……」
「今日出ているビールは〇〇年にどこそこがチョメチョメの理由で開発して……」
巨漢男・A氏のマシンガントークが始まりました。しかもその内容には、クイズ王なみの知識が満載。と言っても、A氏が披露したいトリビアが散りばめられていたのです。
まさに、一を聞いて百を返す。相手の目も見ずにしゃべり倒しているので、いつの間にかA氏の独壇場になっていました。
何を言っているかサッパリわかりませんでしたが、初対面だし、年上のようですからきちんとA氏に体を向けていた馬場。湯水のように吹き出るトリビアに対し、「そうなんですね~すごいですね~」と相槌を打っていました。ああ、なんて優しいんだ、私は……。
しかし、そんなことをしているうちに、いつの間にかT氏はI女史と共通の話題で盛り上がっていました。完全に出撃のタイミングを逃した馬場。2人の笑い声に嫉妬しながら、A氏のよくわからない話に相槌を打つという、極めて無駄なコミュニケーションをとってしまいました。
その様子をみたY女史は、T氏との交流に助け船を出してくれるかと思いきや、「馬場ちゃん、Aさんのよくわからない話でもちゃんと聞いてあげてて偉い!Aさん、そう思いません?」と、なぜか馬場とA氏の間を取り持つようなことを言い出したのです。
もしもーし。ターゲット、間違えてまーす。
なんて言えませんでしたから、その後も嫌々A氏の話を聞くことにしました。そして、結局T氏ときちんと話せないまま、馬場は終電の時間がきてしまい、先に退散することに。
A氏の話を聞いていただけでドッと疲れてしまったため、電車に乗るなり疲労で重くなった体をズシッと座席に沈めました。すると、スマホが何かを受信。Y女史からのメールでした。
「Aさんが馬場ちゃんのことをかなり気に入ったらしく、食事に誘いたいって言ってるんだけど、どう?いい人だし、金持ってるよ!付き合っちゃえば?」
ちょっと待てぇーい!おかしいぞーい!
確かにA氏は悪い人ではないと思います。しかしですね、おしゃべりな巨漢を1人で相手する気はさらさらありません。まして2人で食事なんて行った日にゃ、料理が喉を通らないほど精根尽き果てるに違いないのです。どんなにお金を持っていても、馬場は生理的に無理!!
そもそも、そんなに言うならY女史がA氏と付き合っちゃえば!?
なんてことは口が裂けても言えませんので、「A氏のお話はレベルが高すぎるので、2人でお食事してもご迷惑をおかけすると思います」と、よくわからない言い訳をして丁重にお断りしたのでした。
1年と3ヶ月の婚活を経て、馬場は感じたことがあります。
婚活イベントやツールを使うと、出会いは爆発的に増えます。しかしその分、雑な出会いも増えるので、馬場のようにダメンズばかりに当たってしまう可能性も上がります。
そう考えると、友人や知人を介した合コンの方が、身元がきちんとしている上に信頼できる人が来る確率が高く、打率も高いと言えるかもしれません。しかし今回の異業種交流会という名の合コンは、その希望を完全に打ち砕くものでした。
2016年がまもなく半年経過しようとしているのに、目標が達成できそうにない馬場。ここで一度、軌道修正が必要なのかもしれません。
結婚は契約。馬場にはその認識が抜けていたようです。もっと理性的に、戦略的に婚活する必要があるのかもしれません。未だに、愛だの恋だの、好きだの嫌いだの言ってるなんて、贅沢なのかも……。
もう、今月中に彼氏ができなかったら、結婚相談所に登録しよう。
そんな決心が芽生えた、三十路の夜でした。
アラサーど真ん中の三十路独女。「東京独女スタイル」編集部で、結婚できる女になるべく日々奮闘中。2015年3月からスタートさせた婚活連載「三十路と婚活」は、1年4ヶ月後に彼氏ゲットという形で幕を下ろしました。電子書籍も出しちゃってます。
週に1回、婚活映画評論家・バーバラ馬場に変身する。
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