【三十路と婚活】こんな男と合コンしてみた～有楽町編～

馬場です。お花見デートの予定が立てられないまま、桜が散るのを見つめる独身です。

「婚活をしない『婚活』をします」なんて大風呂敷を広げ、早3ヶ月。とりあえず、お誘いには前のめり気味で参加しておりますが、結局のところ男友だちすらできておりません。

そんな馬場には、飲み会のお誘いだけはひっきりなしにあります。今回も、いわゆる合コンにお誘いいただきました。

オーバー30合コン in 有楽町

次々と馬場に合コンを提案してくれるのは、お馴染みのパリピなT女史。今回は、彼女の数年来の男友だちからの依頼で催される飲み会とのことでした。

どんな人々かと聞いてみると「う～ん、楽しく飲める人たちだと思う」とぼんやりした一言。馬場が最も気にしているスペック的な点は、一切わからないとのことでした。しかし今年の活動モットーは「婚活をしない『婚活』」。男友だちを作ることが目的ですから、一抹の不安を無視して参加することにしました。

当日　～夜の有楽町～

4月に入り、何かとバタバタすることが多くなった馬場。不覚にも、だんだん夜のお誘いに遅刻するようになりました。今までは遅刻どころか15分前行動の勢いで時間厳守をしていたのに……。

今回はそうならないよう朝から調整したのに、30分の遅刻確定。

半ベソでT女史に電話をし、社会人としてのマナー違反を詫びに詫びて、ダッシュで向かいます。もちろん、お化粧を直す時間を惜しんだせいで、顔は皮脂でドロッドロ。

結局、お店の場所がわからず迷った挙句、1時間遅刻して合コンに参加しました。

ここまで遅刻した上、化粧直しもしないで来る女に、誰が興味を持つでしょう？私が男性の立場だったら、「やる気ねぇ上に、三十路で仕事もコントロールできねぇのか」と感じて、アウトオブ眼中ですよ。

今日の会場は創作和食のお店。お洒落な雰囲気にビクビクしながら席に向かうと、長めのテーブルに腰掛けた女性3名と男性4名が飛び込んできました。男性陣は「いえ～い、お疲れ～ぃ！」と笑顔をむけてくれましたが、ほろ酔いの十四の瞳に見つめられたシラフの馬場は、面白い返しができるほどのテンションではありません。

しかし、そんな状況を作ったのは、誰でもない馬場。こうなったら、今日はピエロになってその場を盛り上げることに徹しよう！！

ありがたいことに、本日のお相手男性たちはイケてないお顔立ちの方ばかり。もともと期待していなかったことも幸いし、捨てコンにしても惜しくはないと判断しました。

そこで馬場は、ビールを一気に2杯飲んでテンションを爆上げ。とりあえずしゃべりました。

「Aさんの時計、かっこいいですね！」
「Bさん、コップが空ですよ！何か飲みますか？」
「Cさんは見た目がマジメそうですけど、腹黒そうですね！」
「Dさんの名字っておめでたそうな響きだからお守りになりそう！名刺くださいよ～！」

改めて考えれば、ただの酔っ払い。しかしその時は、覚悟と諦めと開き直りがごった煮になり、おかしな気分になっていたようです。

そんなこんなで、1時間半ほど（最初から参加していたら2時間半）の合コンが終了。そのまま解散するかと思いきや、二次会が開催されることになりました。

2軒目の居酒屋で馬場の隣に座ったのは、先ほど「腹黒そう」とぶった切ったCさん。改めて近くで見ると、清潔感がある白い肌と笑った時に細くなる目がとても可愛らしい！

乾杯してビールを飲み始めると、突然「馬場さんて、無理しちゃうタイプでしょ？」と一言。

思わずドッキーン！そしてキューン！

今日のピエロ馬場は、さぞかし滑稽だったのでしょう。無理に笑って、盛り上げていた私の心は、いとも簡単に見抜かれてしまったのです。仕事と合コンの疲れが一気に出た体にビールが効いてきたのか、Cさんにハートをギュッと掴まれました。

急にこれまでの言動が恥ずかしくなり、何を話せばいいかわからなくなった馬場に、Cさんは優しくささやきます。

「馬場さんはすごく頑張り屋さんで、周りに気を使っちゃうから、疲れるでしょ？オレの前ではムリすることないよ」

久しぶりに男性に優しくされて、思わず手を握ろうかと血迷いました。それくらい、Cさんの言葉は胸に沁みたのです。

こんな調子が1時間続いて陥落寸前になりましたが、終電前にきちんと解散。久しぶりに、心が温まる合コンとなりました。

後日、幹事のT女史からメールがありました。

「Cさんは妻子持ちだから気を付けて」

ぅおおおおおい！！
それって一番最初に言うべきだろぉ！

T女史のよくわからない優しさを恨みつつ、明日からまた元気に残業しようと心に誓いました。