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【三十路と婚活】こんな男とデートしてみた~国家公務員/30歳の巻~

馬場です。三十路です。

あっという間に、2015年も三分の二が経過しましたね。

今年の目標「婚約」が達成できそうにないので、恐怖しか感じていません。

しかし、そんな悶々とした日々に、やっとが射しました。

国家公務員Aクン/30歳/年収400万円(推定)

MARCH大・難関理系学部卒、都内にて研究職の公務員として勤務、都内在住

三十路でこじらせている馬場にも、ピュアな初恋がありました。それは中学校時代、お相手は同じ塾に通うAクンでした。

彼はとてつもなく優秀で、頭のいい人しか入れないクラスにいました。当然、馬場は接点ゼロ。しかしそんな彼に一目惚れしてしまったので、同じクラスになるべく夢中で必死に寝る間も惜しんで勉強しました。

そんな14歳・中2の女の子にパワーオブラブを教えてくれたAクンと付き合うことはありませんでしたが、同窓会で会えば話せる間柄にはなりました。とはいえ、社会人になってから会ってませんけど……。

ところが、縁は異なもの味なもの。ミラクルロマンスが起きたのです。

 

その日は、普段使っている最寄り駅の1つ手前でたまたま降りました。疲れたサラリーマンに改札から押し出されてぐったりしていると、なんとAクンの姿が飛び込んできたではありませんか!

8年振りに見るAクンは、メガネをコンタクトに変え、シャツもトートバッグもマーガレット・●ウエルで揃えるオシャレ青年に変身していましたが、顔のベースが全く変わっていなかったので一発で気付きました。こんな偶然、滅多にない!と思い、

「Aくぅぅぅん!!!!」

と反射的に声をかけると、ビックリしつつすぐ私に気付いてくれました。人混みから少し離れた場所で立ち話していると、「せっかくだから今度2人で飲もう」ということに。連絡先を交換して速やかに解散しました。

この突然の再会、何かある。

だって最近は、幼なじみ学生時代の友人と結婚する人が増えているってゆーじゃないですか!

と、言うことは……

今度こそ、今度こそ、本気で「連載終了」の予感!!

ミラクルロマンス発動だ!!

 

そしてデート当日。地元の居酒屋さんに集合です。

中学生の初恋から幾星霜……大人になった私たちは、ビールで乾杯しました。

優秀だったAクンは、現在研究職の国家公務員として勉強の日々を過ごしており、あの日も研修終わりに職場に行く途中だったそうです。相変わらずの秀才っぷりに、馬場ホレボレ!

アラサーの今Aクン向き合うと、子供の頃から互いを知っている照れくささがある一方、精神的安心感がありとても居心地がよかったです。かつ、国家公務員としての経済的安心感も感じたせいで、Aクンは8年前よりキラキラ輝いて見えました。

仕事や共通の友人の話などでひとしきり盛り上がると、乾杯から30分もしないうちに彼氏・彼女、そして結婚についての話に。展開早いな、と思っていたら突然、

「次に付き合うなら、結婚を前提にするな。オレは今の仕事を一生続けるから、経済的にはかなり安定してるよ。それに、奥さんは家事さえ完璧にしてくれれば何したっていい。できれば専業主婦になってほしいんだけどね。オレが帰ってくる時に絶対家にいてくれれば、どんなに遊びに行ったって、仕事したっていい。オレ、優良物件だと思うよ

優  良  物  件!!!

自分で言っちゃった!!!

馬場がこれまでデートしてきた男性に比べると、文句なしに超絶ド級の優良物件なのは確かです。

しかし話しているうちに、女性に対する要求が多い、物言いが少し「上から目線」、笑い方が独特、自分の話ばかりする、なのに話は大して面白くない、終始ドヤ顔などなど気になる点が目立ち、イライラしてきました。

というのも、8年前は一目惚れで好きになったので、正直彼の人となりはわからなかったのです。

三十路ともなると、ある程度の経験と知識が蓄積されます。それは、触れ合う世界が広がるからというよりは、様々な人との出会いが増えるからだと思うんです。

その中で、友人になる人、生理的にムリと感じる人、そして恋人になる人とが出てくると、多様な関わり方をする必要が出てきます。それを通じて、「こんな人とはこんなことがあったから、こう対応すればいい」と、自分の中にマニュアルができてくるわけですね。

馬場の初恋は、人生経験も知識もない中2。そして実は、中学校まで女子校育ちだったことが災いして「男性との接し方」については、これっぽっちも実績がなかったわけです。

三十路の今ならA君を素敵だと感じた理由、そして意味もわかります。でも、真っ白は心だった当時は、そこに異性が踏み込んできただけで、すぐに彼色に染まってしまったのでしょう。

だって、今よくよくA君を見れば身長も低めだし、決してかっこよくもない。完全に馬場のタイプではありません。改めてじっくり話してみた結果、いかに馬場がAクンを美化してきたかがわかりました。

こんなチャンスは逃したくはないですが、万が一同じ屋根の下で生活するとしたら馬場は不満ばかり言ってしまうかもしれません。となると、経済的安定はあっても精神的安定は保証されないのではないでしょうか。

この後も「いかに自分が優良物件であるか」を説かれ、結局馬場の話をするヒマがないままデート終了。

再会からずっと脳内で流れていたBGM「ムーンライト伝説」を口ずさみ、ミラクルロマンスはそう簡単に起きないぞ~!と月に向かってツッコミながら帰りました。

馬場チエコ

アラサーど真ん中の三十路独女。「東京独女スタイル」編集部で、結婚できる女になるべく日々奮闘中。2015年3月からスタートさせた婚活連載「三十路と婚活」は、1年4ヶ月後に彼氏ゲットという形で幕を下ろしました。電子書籍も出しちゃってます。

週に1回、婚活映画評論家・バーバラ馬場に変身する。

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