【三十路と婚活】こんな男とデートしてみた~イベンター/38歳の巻~
馬場です。三十路です。
梅雨明けが発表されましたが、馬場の婚活は明けておりません。
前回久しぶりに年下君とデートしましたが、自分を持っている人が好きだと気付いて断念。今回は、安定感と安心感を求めてデートです。
イベンターG氏/38歳/年収700万円
オシャ大・A山学院大学経済学部卒、都内イベント会社勤務、横浜市在住
程よく焼けた顔、爽やかな表情、がっちりした体格、そしてオシャレ大学卒という四冠王G氏とは、アプリを始めて早い段階でマッチングしましたが、どちらからもメッセージを送ることなく数か月が経過。
こんなチャンスをみすみす逃すなんてアホの極みと考えた馬場は、ぽちっとメッセージを送りました。すると速攻で返事が届き、とんとん拍子にデートをすることに。
四冠王に会うのだから、万全の体調で行くのがセオリー。なのに、なのに……
デートの1週間前から原因不明の咳に襲われました。
のど飴の王様・龍角散をガブ舐めするも効果なし。結局、オカマよりオカマっぽい人が10時間以上カラオケで大声出して喉をつぶしたような、ひどいガラガラ声でデートするハメになりました。でも、おしゃべり好きな馬場が聞き役に回れる絶好のチャンス。
しかしこの咳が原因で、とんだホラー体験をすることに……。
デート当日。
G氏が予約してくれたお肉屋さんに到着して「よ゛や゛く゛じだも゛の゛でずが……ゲホッ」と哀れな声で店員さんに尋ねると、カウンター席に通されました。
仕事の関係で15分ほど遅れたG氏。
ドカッと隣に座ると、見るもの全てを自然に笑顔にする微笑みで「遅れてすみませんでした」と一言。馬場もニコッとしながら、
「どん゛でも゛……な゛い゛でず……ゲホゲホ」
と、自分でもゾッとするような声で返答。全力のパフォーマンスができない自分を呪いましたが、G氏は変わらず笑顔。
しかし、この笑顔を「素敵だ」と思えたのはこれが最後となりました。
早速ドリンクをオーダーすることにしたのですが、G氏は迷わず「ビール2つ」とオーダー。
いいわけないよね?
明らかに尋常じゃない声の女に、刺激的なアルコール飲ますか?すぐに「喉の調子が悪いからお茶がいい」と伝えオーダーを変えましたが、気遣いの足りなさにおかしいなぁという思いが生まれました。
そして穏やかに会話がスタートし、華やかであったであろうG氏の大学時代について聞いたんです。そしたら「オレ、二部(夜間)だったからさぁ」って、飄々とした顔で言ったんですよね。その時思いました。
だ・ま・さ・れ・た。
騙された、って。
いろんな事情があるのかもしれませんが、馬場は昼間部の大卒がいい。一言アプリの学歴欄に書いておいてくれればこんなにガッカリしなかったのに、と、イベンターらしからぬ言葉足らずにもおかしいなぁと感じました。
どんどん四冠王のメッキが剥がれていくG氏。
会話も「チャゲ●スには名曲が多い」というどーでもいいトピックを繰り返すだけで、イベンターらしからぬ話題の乏しさを露呈。
もはや馬場の目には、ギラギラした大きな目でジッと見つめる真っ黒な海坊主にしか見えなくなってきました。
もう恐いなぁ、あの目恐いなぁと思うと同時に、なんだか急に居心地が悪くなってきた馬場。そのせいか、急に喉に不快感を覚えて「ドグゥホ!!」と地響きのような咳が出てしまいました。次の瞬間、背中にもわっとしたものを感じたんです。
嫌だなぁ、嫌だなぁと思い、ふっと横を見ました。すると、
手がね、手が背中にあったんです。
ぬおっと伸びたG氏の手は、ちょうど馬場のブラジャーのホックの上に置かれています。次の瞬間、
わさわさわさっ!!!!!!!
顔を近づけながら「大丈夫ですか?」と心配してくれているようですが、G氏の指がブラジャーのホックの上を触手のように這いまわりました。その指の熱はTシャツ1枚隔てた馬場の背中にも伝わり、汗ばんでいるよう。
次の瞬間、馬場の本能が叫びました。
ブラが外される!
馬場のリーサルウェポンがペロリんちょする!
何とかして逃げなければいけないと思った馬場は、むせながらも体をねじり「お気遣いどうも!」と言い海坊主改めエロ坊主の触手をシャットアウトし、具合が悪いと言い訳して早めに解散しました。
デートの翌日から、不思議なことに咳はパタリと止まりました。龍角散でも治らなかった咳の原因は、G氏から発せられていた何かに対する警告だったのかもしれません。
アラサーど真ん中の三十路独女。「東京独女スタイル」編集部で、結婚できる女になるべく日々奮闘中。2015年3月からスタートさせた婚活連載「三十路と婚活」は、1年4ヶ月後に彼氏ゲットという形で幕を下ろしました。電子書籍も出しちゃってます。
週に1回、婚活映画評論家・バーバラ馬場に変身する。
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