【三十路と婚活】こんな男とデートしてみた~SE/27歳の巻~
馬場です。不本意ながら三十路です。
大型で非常に強い台風「三十路女子の婚活」は勢力を拡大し、馬場の日常に暴風や高波をもたらしています。
そんな「婚活台風」から抜け出すべく、アプリでマッチングした男性とはとりあえずデートするのが馬場スタンス。
今回は、久しぶりに年下君とデートです。
システムエンジニアY氏/27歳/年収600万円
私学の雄・早●田大学先進理工学部卒、都内IT企業勤務、新宿区在住
無邪気にピースサインをするY氏のプロフィール写真に、馬場の母性本能をグワっと鷲づかみにされました。
しかし残念なことに、アプリのトラブルでスムーズにメッセージ交換ができません。でも毎回「返事が遅くてすみません」と一言添えてくれる辺りにキュンとして、デートを快諾。
やっと婚活台風から抜け出せるかもしれないと思い、小躍りしながら当日を待ちました。
しかしある日、雲行きを怪しくするメッセージが届きました。
「明日の夜ヒマですか?友人ヒロ君の自宅でお好み焼きパーティをするので、よかったら一緒に行きませんか?」
ちょいちょいちょいちょい。
ちょいとお待ちよ。
友人に、まだ会ったこともない女性を会わせます?それも自宅のお好み焼きパーティって!素性のわからない女をいきなり友人の家にあげるって、友人に対して失礼じゃない?そして何より、
ヒロ君て誰?
とりあえず行きたくない。でも、まだ会ってもいないY氏との関係悪化は避けたいので、シンプルに
「せっかくだけど、明日は無理です。それに、Y氏ともまだ仲良くなれてないのにお友だちに会うのは悪いので……」
と、やんわり得体の知れないヒロ君には会いたくないニュアンスも含めて返事をしました。すると、
「なんで悪いんですか?別に僕とのことは関係ないと思うんですけど」
と返事が。若干逆ギレされました。
どんどん私たちの空模様が悪くなってきたので「Y氏と仲良くなったら、ぜひヒロ君にも会ってみたいです」とリップサービスをかまし、その場を切り抜けました。
そしてデート当日。ランチの約束をした新宿に集合です。
混雑する街の中、遠くからこちらに歩いてくるY氏を発見した馬場の胸に、ファンファーレではなくサイレンが響き渡りました。
避難警報!緊急警報!
想定外に超絶ドン臭ぇ男が接近中!
締まりのない半開きの口、ボケッと宙を見つめる生気のない目。写真の可愛らしい雰囲気は皆無でしたが、確実にY氏です。
このまま背を向けてバックれてしまおうかとも思いましたが、時すでに遅し。馬場の周囲の空気が変わり、暴風域に入ろうとしていました。
「はぁ、どうもぉ」
周囲の気圧を下げるような覇気のない声をかけられ、馬場はさらにゾッとしました。
すでに帰りたくなってしまったので「ラーメンが食べたい!」と嘘をつき、男臭いチェーン店へ。ラーメン屋なら長居する必要はありませんから。
デート感ゼロのお店のチョイスに「ここでいいんですか……」とさすがのY氏も動揺していましたが、構やしません。
早くこの暴風域を抜けたいの。
注文してすぐに出てきたラーメンをすすりながら、とりあえずヒロ君のパーティに行けなかったことを謝りました。
すると、
「ヒロ君は本当にスゴい人なんです!彼はボクの生き方を変えてくれたので、本当に尊敬してるんです!このヒロ君のブログ見てください!すごいでしょ?ぜひ馬場さんにもヒロ君を好きになってもらいたいです!」
と、Y氏は興奮気味にヒロ君の紹介をし、半強制的にヒロ君のブログを見せてきました。そこには、
俺は人生のどん底を見た。だから君に言える、いつだってやり直せるということを!
世界をハッピーにする事業を展開中!人生を共にする仲間に、君も加わろう!
諦めなければ、夢は絶対に叶う!
松岡修造もビックリな数多の激アツコメントと、キメ顔のスーツ姿や上半身裸のものまであるナルシスティックな写真がズラリ。
確かにヒロ君は異色の経歴を持っているようです。でも、
胡散臭すぎて、もはやギャグ。
言っていることが壮大すぎてぴんとこないし、何をしているのか結局わからないのです。
いくらY氏がヒロ君に心酔しているとはいえ、きっと馬場はヒロ君のことを好きになれないと思います。だって、
こういう人、生理的に無理だから。
さっさとラーメンを完食すると「用事を思い出した」と嘘をつき退散。ヒロ君教信者・Y氏の暴風域から抜けながら、馬場は彼の健やかな成長を祈りました。
で、結局ヒロ君て誰?
アラサーど真ん中の三十路独女。「東京独女スタイル」編集部で、結婚できる女になるべく日々奮闘中。2015年3月からスタートさせた婚活連載「三十路と婚活」は、1年4ヶ月後に彼氏ゲットという形で幕を下ろしました。電子書籍も出しちゃってます。
週に1回、婚活映画評論家・バーバラ馬場に変身する。
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