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【対談大宮エリー×東香名子】独身コンプレックスに打ち勝つには?前編

大宮エリーさん(左)、東香名子(右)
大宮エリーさん(左)、東香名子(右)

短編小説集「猫のマルモ」(小学館・刊)が好評発売中の大宮エリーさん。女子からも人気の高い彼女は、これまでどんな女子ライフを歩んできたのか、編集長・東香名子が直撃しました。

遠回りをしている人生にコンプレックスを感じる?

:今回の書籍のなかで、一番女子に刺さりそうな話が、いつも遅れてしまうことにコンプレックスを持つ「青ガニのサワッチ」のお話です。女子って独身であることに劣等感を抱えている人多いと思うんです。

エリー:ドンくさいカニの話ですね。私自身もそうです。

:そうなんですか!意外です。

エリー:私自身、これまで色々と遠回りしてきたな~と思います。もともと薬学部出身ですが、マウスに注射を打てなくて研究者の道を諦めました。その後、就活で33社落ちて。テストで間違えたなら分かるけど、自己PRで落ちるって結構辛い。自分って社会に必要の無い人間なのかなって。

その後広告代理店に受かって7年勤めましたが、上司に「組織向いてないんじゃないの?」とハッキリ言われて、会社に迷惑をかけないように辞めました。独立じゃなくて、ドロップアウトです。それが30歳。会社勤めが向いていないことには薄々気づいていたんですけどね。人生遠回りしているな、と思いました。

:遠回りしていることにコンプレックスを感じることってありますか?

エリー:あるある!30歳といったら結婚して子供がいる年。私の人生は、周りに比べて遅いなと思いました。薬学部に向いてないこと、会社に向いてないことに気づくのも遅かった。30歳で会社辞めちゃってどうすんの?結婚してないし。一人で働くようになって、10年目。もう40歳です。

:エリーさんって、40歳を楽しんでいるイメージですよね。

エリー:楽しくないですよ!楽しそうに見えるみたいだけど、全然楽しくない!(キッパリ)

大宮エリーはどんな30代を過ごしていた?

:エリーさん、どんな30代を過ごしていましたか?

エリー:35歳までは仕事に打ち込んでいました。それからなんとなく余裕ができてきて、気づいたら38。そのくらいで「もう38だ、ヤバイ」と思いましたね。

IMG_8044そして30代の時は、よく旅行をしてました。あるとき病んじゃって、一人で西表島に。35、6の時かな。この本に出てくる青ガニの話は西表島が舞台です。

:そうだったんですね。一人旅なんて、寂しくなかったですか?

エリー:友だちが心配して「大丈夫?ついて行こうか?」って言ってくれたけど「大丈夫」と。でも、一人で行ったらすごく寂しい。酒飲みながら夜な夜な電話しちゃう、みたいな(笑)。それが申し訳なくなって、一人で申し込んだカヌーツアー。出会いとかあるかも、と期待して行ったのに、申込は私のみでした(笑)。

:なんと、またしても一人!

エリー:インストラクターと二人っきりで、カヌーをガシガシ漕ぎました。すると、目の前が一面真っ青になって。「青いのは全部『青ガニ』です」って言われてびっくり。私たちが上陸したら、いっせいにサァーッと土の中にもぐっていく。そして静かにしてたら、また出てくるんです。

その光景にすごく感動しました。「青ガニのサワッチ」は、一番最後にもぐるどんくさい青ガニが主人公の話ですが、最後のカニは、唯一誰も居ない砂浜を見ている。私は鈍くさいから全て後手後手って思うけど、そうだから見える景色があって。「それってすごいことじゃん!」って。

私は独身だけど、独身じゃなきゃできない無茶なことができる。好き勝手旅行するとか。自由だもんね。「遅い」って、そういう良さがある。だから西表島に行って良かったし、旅行はすごくオススメします。

:新しい世界を見て全身で感じるというのが大事なんですね。「女子よ、一人旅をしろ」と。

エリー:もちろん、友だちといけるなら友だちと行っていいけど、一人のほうが色々考えられる。出会いもあるかも。変な意味の出会いではなく、いい女友だちや、一生の趣味にしたいことにも出会えるかも。

>>大宮エリーが結婚感について語る!「独身コンプレックスに打ち勝つには?後編」を読む

東 香名子

コラムニスト。東京独女スタイル編集長を歴任。1983年生まれ。独身女性の視点から、恋やライフスタイルを分析したジャーナリスティックなコラムを得意とする。雑誌「デートスペシャルなび」で連載中。テレビ、雑誌、ラジオ等各方面で活躍中。電子書籍「モテる!ソーシャル恋愛術」「ここで差がつく街コンテクニック」等。趣味は鉄道。

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