fbpx

外資系金融の人々★[第4回] 略奪愛!ディーリングルーム驚きの光景

外資系金融 4

ある朝、会社に着くと、皆が同じ方向を見てザワザワしていた。

皆の視線の先には、男性Eさんのデスクがあり、そこに見知らぬ50代後半くらいの女性が座っていた。

昼ドラや小説の中だけではない!現実の光景を目撃してしまった私

髪をすっきりとショートカットに整えて、高級そうなドレスに身を包み、一見品の良さそうな人に見えるが、顔はまさに鬼の形相と言った感じ。

どうやら、その女性はEさんの奥さんの母親らしく、Eさんの出社を待っていた。

Eさんのデスク近くの人たちも、ただ事ではない緊迫した状況をすぐさま察知して、自分の席から少し離れたところで様子を見守る。

殺気立った空気がディーリングルームに溢れて、取引が開始しても、誰も仕事が手に付かない。

しばらくして、Eさんが登場する。一瞬にして辺りがシ~ンと静まり返る。張り詰めた雰囲気がディーリングルーム内を埋め尽くす。

Eさんも義理の母親の姿を見るや否や、唖然とした表情のまま身体が動かない。

いったい、これからどうなるのだろう? まるでサスペンスドラマを観ているような心境だ。心臓の鼓動が鳴り響く。

義理の母親が何かポツリと小声で話し始め、程なくしてEさんと一緒にディーリングルームから去って行った。

一気に緊張から開放された我々は肩を撫で下ろし、普段どおりの仕事に戻った。

こんなに緊張した場所に遭遇したことは何年ぶりだろうか。

娘の婿の浮気に激怒して、義理の母が職場まで乗り込んだ!

事実関係はこうである。

Eさんは、同じ部署にいる独身女性のT子さんに手を出し、不倫関係に陥った。

それに気づいたEさんの奥さんが自分の母親に泣きつき、母親が怒りを露にしてEさんの職場まで押しかけてきたようだ。

Eさんは33歳。背も高く、ルックスもバッチリのイケメン外株セールスマン。当然、女性たちからも人気があり、憧れの男性であった。

不倫相手のT子さんと言えば、ぽっちゃりした体格でごく普通の女の子。が、ある時を境に、急に垢抜けて、どんどん綺麗になっていった。

でも、その理由が妻子のいるEさんと付き合っていたからだとは誰も気づかなかった。

娘に代って義理の母親が娘の旦那の職場まで押しかけて繰り広げられる、なんというドロドロの恋愛劇だろうか。

結局、Eさんは調停離婚して、不倫相手のT子さんと再婚した。しかも、二人は相変わらず同じ部署で一緒に働いているから驚きだ。

我々にあんな修羅場を見せ付けながらも、何もなかったかのように振舞っている彼らには恐れ入る。

会社側も問題だ。今回の一件で彼らに一切処分を下さないのだから、我々に全て忘れなさいとでも言っているのだろうか?

会社は社員のプライベートに一切関与しない。ただそれだけのことなのか?

もしかしたら、会社は我々に対して何事も臆せず平然と仕事を続ける力を試しているような気がしてきた。

でもそうだとすれば、この業界に対する疑念がますます増えるばかりではないだろうか。

※この記事は2010年8月21日に掲載されたものです。

>>「外資系金融の人々★[第3回] 明日から無職!恐怖クビ切りの瞬間」を読む

編集部
編集部

女性の生活スタイルやキャリア、社会的課題における有益な情報を提供したい。

>> article
この記事を読んだ人におすすめ