【三十路と婚活】こんな男とデートしてみた~国際弁護士/35歳の巻~
馬場です。三十路です、独身女子です。
3月1日から婚活を始めました。
なぜなら、明日にでも嫁ぎたいからです。
そんな馬場は、マッチングアプリを駆使してスキマ時間も婚活しています。1秒たりとも時間をムダにできませんから。 そしてマッチングした方の中から、今回こんな男とデートしてみました。
国際弁護士S氏/35歳/年収900万円
私学の雄W大学卒、カリフォルニアに留学経験あり、国際弁護士資格保有、広尾在住。
このスペックに恋してしまった私は、メッセージ交換の段階で盛り上がってしまい、「お付き合いする前提でお会いしましょう!」なんて約束までしてしまいました。(迂闊ポイント1)
そして迎えた当日。 待ち合わせ場所の向こう側から、迷うことなくまっすぐ私に向かってくる、顔が妙に老けているちっちゃいオッサン(推定160センチ)が目に入りました。しかも、必要以上に盛ったラインストーン、読めない字体の英語ロゴ、ムダについたドクロが付いた、いわゆるマ●キューお兄系ファッションに身を包んで……
こんなにチグハグした外見の人を見る機会はないので、ツチノコかな?と一瞬思うほどのレア感がありました。
「こんな人だったら嫌だな」と思った刹那、
「馬場ちゃんですか?」と声をかけられました。
「……いえ、違います」と言いたかった。
言いたかったけど、獲物を見つけたチーターのようなオッサンの目が私を捉え、離さなかったのです。そんな鋭い視線で見つめられた私は、動けなくなってしまったのです。お前はメドゥーサか?!私を石にする気か!
「は、はい……えっと、Sさんですか?」
「そうです!馬場ちゃんに会えるのを、すごく楽しみにしてきたんです!じゃあ、カフェでお話ししましょうか!」
バスーン!と秒速で脳天を打ち砕かれた私は、辛うじて「カフェ」という言葉に救われました。 「こうなったら、オシャレなカフェで、オシャレなパンケーキをごちそうになろう!」と、モチベーションをスイッチさせ、ちっちゃいオッサン(推定160センチ)と並んで、ちっちゃい馬場(155センチ)は歩き始めました。
しばらく歩くと、
「この辺なら、●ロント、ド●ール、タリー●あたりのカフェがあるから、どこにしようか?」とオッサン。
「……?!そっちの『カフェ』か!」(迂闊ポイント2)
ということで、結局彼の言う「カフェ」で話をすることに。
私たちの横の席では結婚式帰りの女子3人がガールズトークに花を咲かせ、こちらの席ではちっちゃいオッサンがセルフプレゼンテーションに花を咲かせていました。何ともシュールな絵面です。
「僕と結婚してくれたら給料は全部君に渡す、料理も僕がする、挑戦したいことがあったら君を全力で応援する、夜の営みも頑張る!」
そんな贅沢な条件を、笑顔で皺くちゃにした顔と前傾姿勢で語る彼に、私は
「あ……いやぁ。うーん……えっ……??お、おぅ。」で繰り出される、三十路リアクション奥義「あいうえおの計」で応戦しました。
でも私はオッサンの話より、隣の彼女たちにどう見られているかの方が気になってしまいました。こんなダサいオッサンと一緒にいる所、一秒たりとも見られたくないんですもん。
だって、大したことない男と一緒にいるなんてみっともないし、こんな男が私に相応しい人だとしたら、認めたくなかったから。
でもこの瞬間、私は悟りました。相手を選ばなければ、結婚はできるということを。
同時に、こうも悟りました。私は結婚できないんじゃない、ゲスい男と結婚“したくない”だけだということを。
そんな悟りを開いていたら、いつの間にかオッサンのプレゼンテーションは終了し、最後の質問が私に投げかけられました。
「僕と、結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?」
私の答えはただ一つ「お断りします!」、ロイター通信もびっくりするほどの速さで即答しました。
結婚までの道のりは、意外と遠くて厳しいものかもしれません。
アラサーど真ん中の三十路独女。「東京独女スタイル」編集部で、結婚できる女になるべく日々奮闘中。2015年3月からスタートさせた婚活連載「三十路と婚活」は、1年4ヶ月後に彼氏ゲットという形で幕を下ろしました。電子書籍も出しちゃってます。
週に1回、婚活映画評論家・バーバラ馬場に変身する。
>> article