【三十路と婚活】こんな男とデートしてみた~大学院生/23歳の巻~
馬場です。三十路です。独身です。
明けても暮れても婚活中です。
知人に合コンのセッティングを頼んでばかりでなく、自らもマッチングアプリで出会いを作っています。
そんな中、意外な人物とデートすることに……。
“リア充”の巣窟 A学院大学院生Tくん/23歳/年収300万円以下
経営学専攻、バスケ経験者、この春から金融関係に就職予定、千代田区在住
「婚活してるなら、学生とデートする暇あるのか?」という疑問が湧いたのも事実です。それでも私はデートがしたかった。
だって最近、こんなドラマあったじゃないですか。大学生と恋をするアラサー女子が主人公のやつ。
ドラマとはいえ、世の中には可能性0%のことなんてないじゃないですか(たぶん)。
だからもしかしたら、Tくんが私の“田之倉くん”なのかもしれないじゃないですか(たぶん)。
そんな淡い期待を胸に迎えたデートの日。
すっかりヒロイン気分になった私の脳内には、キャピキャピしたラブソングが大音量で流れていました。
「初めまして、馬場さんですか?」
そこに現れたのは、ガッチリした体格の若者。さすがスポーツマン。決してハンサムとは言えないけれど、清潔感のある好青年といった印象でした。
馬場「お店はどこにしましょうか?」
Tくん「ボク、お店予約しておきました」
なぬ?! そんな気が利く“田之倉くん”ことTくんが予約してくれていたお店は、カジュアルイタリアン。なんと個室です。
え?!いきなり二人っきりなんて、展開が早すぎて、馬場ついていけない!
大学生とは思えない仕事っぷりに感心しつつ、オーダーくらいは私が音頭をとらねばと思っていると、
「えっと、何食べましょうか。あ、ポテトサラダと、フライドポテトと……肉じゃがいいですね」
ジャガイモ好きか!三十路の胃にはつらいな!!
なんて言えず、結局“ジャガイモパーティー”と化したテーブルを囲むことになりました。
「あの……お店はここで大丈夫でしたか?ボク緊張しているので、楽しくなかったら言ってください」
女性に慣れてない感MAXのTくんの発言。大量のジャガイモ料理を前に、馬場はいちいち萌えていました。
この感じ……めちゃくちゃ楽しい!
でも、こうやって女性をキュンキュンさせているなら、彼女にも困らないだろうに。そこで疑問が湧きました。
なぜこの若者がマッチングアプリを使っているのか?そして、なぜ敢えて三十路とデートをするのだろうか?
単刀直入に聞いてみると「出会いがないからです」と即答。
馬場は合点がいかず、首を傾げていると……
「ボク、25歳以上の女性としか付き合ったことないんです。同年代の女性って、ワガママで面倒じゃないですか。それに比べると、年上の女性は落ち着きがあって、楽なんです」
なるほどね。若いうちから楽な恋愛に慣れてしまったパターンね。
「だから、よかったら馬場さん、ボクとこれからも遊んでくれませんか?」
あれ?さっきまで女性に慣れてない感MAXのはずだったTくんから、いきなりアプローチ……。
元気で積極的な若者と付き合えたら、きっと楽しいかもしれません。でも、馬場の本来の目的は婚活。ここではっきりさせないと!
「気持ちは嬉しいけど、私は結婚を視野に入れた婚活をしたいんだ。だから、Tくんとは付き合えないよ」
「あ、ボクのことは気にしないで婚活してください」
「……え?」
「どんどん婚活してください。ボクとの付き合いは遊びでいいんで」
遊びでいい?
自ら浮気相手に名乗り出たってこと?
それとも、私が遊び相手として見られていたってこと?
やはり、現実世界に“田之倉くん”はいないんですね。いるのは、身売りが激しい年上好き男子のみ。
私がバカでした。
こんな年下くんと恋愛&結婚できるかもしれないと、一瞬でも夢見た私がバカでした。
あれ?ちょっと、頭痛くなってきた。体もだるくて、立ち上がる元気もない。
馬場は明日、会社休みます。
と、会社に連絡を入れたかどうかは内緒ですが、その日の夜は早々と就寝しました。
アラサーど真ん中の三十路独女。「東京独女スタイル」編集部で、結婚できる女になるべく日々奮闘中。2015年3月からスタートさせた婚活連載「三十路と婚活」は、1年4ヶ月後に彼氏ゲットという形で幕を下ろしました。電子書籍も出しちゃってます。
週に1回、婚活映画評論家・バーバラ馬場に変身する。
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