fbpx

特別連載!脳外科医デザイナー「Drまあやの診療室」~最終回

脳外科医、そしてファッションデザイナーとして活動中のDrまあやです。昨年、テレビ番組「家、ついて行ってイイですか?」「アウト×デラックス」「NHKドキュメント 72時間」「深イイ話」で取材を受けてから、たくさんの人に声をかけてもらえるようになりました。

これまで、アラサー女子の「人間関係」「男と女の関係」「30代からの恋愛と結婚」について書いてきた連載も、今回が最終回。

そこで、「自分を好きになる方法」を考えてみたいと思います。

「カラフルデブ」になった恩恵と代償

私はずっと派手好きで小中高ずっと目立ちたがり屋でした。ファッションは好きでしたが、力を注げるようになったのは大学生から。いや~弾けましたね。それまでの受験勉強から解放されたことで、「勉強」の意味合いが変わったことが大きいかもしれません。

受験勉強していた時は、おしゃれを楽しんでどこかに出かけることなどまずありませんでした。ですが、大学生になってからカラフルな格好を楽しむだけでなく、いろんな先輩や友人、後輩たちと仲良くなったら、しょっちゅう朝まで飲み会を繰り広げておりました。ちなみに、酒が一滴も飲めません……。(笑)

今一番のこだわりは、この七色ヘア。下も染めているんですよ。44-min

こんな風に色にこだわりだしたのは、もう5、6年目でしょうか。これまでは常時4色以上面白い髪型に染めてきました。

始めて染めたのはロンドンへのファッション留学時代。お世話になっていたロンドンで美容室を経営している美容師りささんから提案されました。「一色だとつまらないから、何色かで染めてみる?」って。すごく気に入っています、男には完全に嫌われますけどね。(笑)

個性的な見た目もあって、「面白そうな人」と思って私に興味を持って近づいてきてくれる人は多いんです。とてもありがたいですね。そんな時は、基本的に「来る者拒まず」で普通に接します、老若男女問わず。その分、自然と離れる人もいますが、基本的に相手の判断に任せます。

でも、そこから親しくなるかというと……そうはいきません。私はわりと人に壁を作りますし、自分から歩み寄ることもほとんどありません。そもそも、自分から向かっていきたくなるほど「面白い」と感じる人がいないんです。

それは、私が面白いことをしすぎているからだと思います。脳外科医してデザイナーもして、好きなファッションに囲まれて……やっていることの振り幅が大きいですよね。自分の好きなように、自由に生きすぎた結果だと思っています。

自由すぎる女はモテない

それに私は、人とコミュニケーションをとる上で、広いパーソナルスペースがないと生きていけません。自宅には誰も入れたくないのと一緒で、人と意見をぶつけ合って、個性と心を戦わせるということを他人としたくないんです。面倒なことや言い争いは避けたいし、関係がこじれてしまうのが嫌だから。

そう考えると、男性が私へたどり着くまでのハードルがありすぎますよね。デブで、ブスで、派手で、脳外科医だけでなくデザイナーまでやっていて……。こんなに好き勝手なことをして、自由すぎる女性に対して、普通の男性だったら「オレって必要ないよね?」って思うはずです。男性以上にいろいろなことをやりすぎているから、彼のプライドが保てないでしょうね。そりゃモテませんよ。

それに「私に頼っていいよ」と言うタイプではなくて、すがってくる人は引いてしまいます。やりたいことがありすぎて、自分のことで精一杯だから。この状態なら、どうやっても交わる人なんていないですよね。

私は「自分の事が嫌いな自分好き」

これだけ自由に生きていますが、私はこんな私が嫌いです。

444-min

物事の捉え方には「好き、嫌い、無関心」の3つがあると考えていて、私は「自分の事が嫌いな自分好き」なんだと思っています。だから、どうやったら自分自身を好きになれるかというのが、私の人生のテーマ。少しでも自分の人生を楽しむためには、そして自分を好きになるためにはどうすればいいかを、日々考えています。

でも周りからは、「あなたは本当に自分のことが好きなんだね」と言われます。私は「自分の事が嫌いな自分好き」であって……微妙に違うんですけどね。理解されないでしょうかね……。

自分を好きになる方法

どうやって自分を好きになるかという方法は、人それぞれ。私の場合は「医者」という仕事が武器でした。男性に頼らず一人で生きていける術を持っているということが、自分を肯定する方法だったんです。

そして、いま、新たにデザイナーという仕事を通じて、自分の内面を表現し、それを見てもらえるチャンスがでてきました。なので、作品を紹介し、それをみなさまが、「面白い!」「すごいな!」と言ってくださいることは、自分自身を肯定してくださっている気分になり、「生きててよかった」と思える瞬間なんです。

ここまで考えてはみましたが、正直、自分を好きになる必要性があるのか、よくわかりません。

ただ、ネガティブな発言が多すぎると、周囲の人たちに不快な思いをさせるので、ネガティブな発言をするときは、せめて「面白くネガティブは発言をする」ことを心がけております。それの象徴が「カラフルデブ」という言い方で、理想的な姿かなって思っています。

Drまあや(折居麻綾)

12
Photo by Akiko Michisita

東京生まれ、岩手育ち。岩手医科大学卒業後、慶應義塾大学病院で研修を終え脳神経外科医になる。2010年、かねてから夢だったファッションデザイナーの道に挑戦しようとロンドンのセントラル・セント・マーチン・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインに約2年間留学。帰国後はアーティスト活動と医師の二足の草鞋で活躍中。

初書籍が出版!

『カラフルデブを生きる』(セブン&アイ出版・刊)

著者:折居麻綾

定価:本体1,512円+税

7月15日発売予定

>>詳しくはコチラ

編集部
編集部

女性の生活スタイルやキャリア、社会的課題における有益な情報を提供したい。

>> article
この記事を読んだ人におすすめ