「子どもを作れなかったら捨て石になろう」NHKアナの発言にネット騒然
13日に放送されたNHK総合「ニュース深読み」で、司会の小野文惠アナウンサーが発した言葉が波紋を呼んでいる。不妊治療について特集した番組で、ディレクターが「子どもを産めなかった我々(世代)は社会の捨て石だ」と発言したことを明かしたのだ。この内容を聞き、スタジオ内の全員が一時絶句した。
6組に1組が不妊治療をする現実
今回の番組では、視聴者から厳しい意見が寄せられていた。
「子供が欲しかったのなら、早めに結婚したらいいのに。そこで税金が使われるのは無駄」
「生まれない子どもに税金を使わないで。生まれてくる子供、赤ちゃんに税金を使ってほしい」
いずれも「東京都・20代女性」の声だそうだが、既婚で子どもがいない女性はもちろんのこと、女子の心にも突き刺さるものがある。
「捨て石」発言したディレクターも小野アナと同世代の40代だそう。20、30代で「今は仕事を頑張ろう」と考えていたうえ、産めるような社会でもなかったため、出産のタイミングを逃してしまったそうだ。その人は、「私たちは、捨て石だと思うんですよ。でも小野さん、いい捨て石になりましょうよ。この無念を良いエネルギーにして、世の中に貢献できること探しましょうよ」と言ったという。
高齢出産が一般的になっている一方、不妊治療を受ける夫婦は6組に1組もいる。しかし、肉体的、精神的、そして経済的負担が重いため、子供を授かりたい女性にとっては非常に苦しい現実とも言える。
「早く結婚すればいい」視聴者の意見に避難殺到
今回の視聴者「東京都・20代女性」からの「早く結婚すればいい」「生まれてくる子供や赤ちゃんに税金を使うべき」という意見に非難が集まっている。女性向け掲示板「ガールズちゃんねる」の声を見てみよう。
「早く結婚しても子供ができにくい体質の人もいるから言わないで」
「子供欲しくてもできない人いるのに、めっちゃ失礼な発言! 」
「そんな簡単に言うなよ。いい男いなくても子ども欲しいなら妥協すべき、みたいな言い方ですね」
「子どもが欲しくてもできない人に厳しい世の中」
「現実知らないね。若くても(子どもが)出来ない人もいるのに」
子どもを望む女性に対する辛辣な意見に、ネットでは怒りの声が高まっている。年齢問わず、不妊治療を受ける夫婦がいることを知らない発言だと、考える人が多くいた。
「捨て石なんかじゃない!」励ましの声続々
その一方、小野アナの「捨て石」発言に対する励ましの声が続々と寄せられている。
「もっと前向きに生きたら良いのに。本人が幸せなら捨て石なんかじゃないよ」
「そこまで卑下する言い方しなくてもいいと思う……実際、産休育休のとりやすさとかの時代の流れの影響もあるし
なんか読んでて泣けてくるよ」
「逆に振り切って前向きですごい」
「捨て石とか、自分を卑下しちゃダメだよ。女性の生き方なんて、それぞれじゃん。自分から不幸になるなんて、ダメ。仕事頑張ってきた今までの自分を誇りにすべきだよ」
「捨て石」とは、土木工事の際、水底に基礎を作ったり,水勢を弱くしたりするために,水中に投げ入れる石のことだそう。また、現在効果はないが,将来役に立つことを信じて行う行為という意味もある。
アラフォーで未婚、既婚でも子供がいない女性にとって、出産については非常にデリケートな問題。その問題に当事者自らが切り込んだ勇気に対して、励ましの声が多く寄せられた。
また、女性の社会進出が高まってきた今、女性の生き方も多様化している。出産にこだわらずにその人自身の幸せを追求すればいい、自分を卑下しなくていいというコメントも目立った。
女性が輝く社会、それぞれがそれぞれの幸せを追求できる未来が来ることを、願うばかりだ。