「自分のレッテルから自由になれば、楽に生きることができる」対談・はあちゅう×東香名子~前編
<2015年ヒット記事傑作選>
新著「無所属女子の外交術」(KADOKAWA・刊)が好評発売中のはあちゅうさん。アラサー女子を代表して編集長・東香名子が、第一線で活躍するキラキラ女子・はあちゅうさんと「楽な生き方」について迫ります。
はあちゅうが伝授する「無所属女子な生き方」って?
東香名子(以下、東):今回の本のテーマは「無所属女子」になって楽に生きよう、ということですが、「無所属女子」って具体的にどういう女子なんでしょうか。
はあちゅう(以下、は):「特定のカテゴリーに属さず中立的な生き方をする女子」のことです。生きていると「自分で自分に貼ったレッテル」で、苦しめられることって大いにあると思うんです。例えば私の場合「自分は暗い」というレッテルがありました。私は高校までは自己評価がすごく低かったんですよ。
東:えー!それは意外。
は:高校時代までは行き過ぎた自意識過剰のせいで、「自分は暗いから、みんな嫌がってるんだろうな」と思っていました。そういう思い込みがもっともっと私を暗い方に追いやっているんですよね。
それが大学時代に始めたブログをきっかけに変化が。読者の方から「キラキラしてていいですね」というコメントをもらったんです。それまでは他人のことばかり羨んでいたのに、人から羨んでもらう要素が自分にあったなんて。
「自分から見た自分と、他人から見た自分は同じじゃない」と見え方の違いに気づけたのが、人生観、自己評価を変えるきっかけになりました。
東:なるほど。
は:昔の私みたいに「自分のレッテル」に苦しめられている人は、そのレッテルから自由になることが大事。それが「カテゴリーに属さない」ということなんです。女性なら、どこかに属さなきゃいけないという気持ちが強いですよね。でも、そういう気持ちを手放すと、生き方そのものから自由になるんです。
「はあちゅう」は演じられたキャラクター?
東:はあちゅうさんって炎上キャラというイメージがありますが、これって素のキャラなんですか?
は:コラムに書く過激なイメージがそのままのイメージになっているけど、ある意味役作りかなと。炎上の他には、意識高い系とか、負け組の代弁者だったり。テレビだとそういう「役付き」のオーダーが多いですね。メディアに出始めた時はそれをやることが役割だと思っていました。
東:世間はどんどん「本当のはあちゅう」とは違うイメージを持っていくわけですよね。苦しくないですか?
は:苦しいというより、本当の自分の像と違うので、辛かった時期はありますね。
東:今は大丈夫?
は:今は割り切れるようになったので、辛くないですね。「今こういうキャラ求められてる」というのが自分で冷静に見れていれば、苦しまなくて済みます。「天の目」で見るみたいに、今こんな風に見られてるなという客観的な自分が大切かな、と。受け止め方が変わってきますよ。
東:キャラを演じる女優みたいですね~。
は:そうですね。私に限らず、みんな女優なんだと思います。母親役、友だち役、親戚のおばさん役……。「いま私、何役だな!」って自分で分かるのが大事なんですよね。
結婚していった友だちが上から目線……どうする?
東:アラサー女子の「悩みあるある」でよく聞くのが、同じ目線で話していた学生時代の友だちが、結婚したことにより目線が変わってしまった。それにモヤモヤと悩んでいる人は多いですね。
は:そういうこと、ありますよね。友だちが結婚した途端に、上から目線に感じてしまうとか。「結婚っていいよ~」と言われたときに、「この子、自分が勝ったと思ってるの?」なんて勝手に被害者意識が湧き出る。実際は、彼女は感じたことを無邪気に口にしているだけかもしれないんですけど。
東:根深い問題ですよ。これも無所属女子になることで解決できそうですか?
は:そうですね。ここでも「天の目」を使えばいいかもしれません。彼女が上から目線になっているのは事実なのかもしれないけど、もしかしたら自分のほうにも「この子、上から目線で話しているな」と思い込みがあるのかも。
東:なるほど、そこに気づくことが「天の目」ですね!
は:そうです。客観視することによって「この人はただ単に自分の経験を話してるだけなんだな~」と思ったら腹が立ちません。
そりゃ時々「こいつ自慢してるな」とムカッと思ったりするけど、案外その原因って自分にあるんです。それが分かるだけで、「この人は本当に良いものと思ってしゃべってるんだな~」と、楽になれます。
東:なるほど。本当、アラサーって「おめでとう」も素直に言えない複雑な年代ですよね。
は:多分、お互いにレッテルがあるんですよ。自分の「結婚ってイイナ」と相手の「独身ってイイナ」。そういうのが人間関係を複雑にしているんですよね。それから自由になれば解放された気持ちになりますよ!
コラムニスト。東京独女スタイル編集長を歴任。1983年生まれ。独身女性の視点から、恋やライフスタイルを分析したジャーナリスティックなコラムを得意とする。雑誌「デートスペシャルなび」で連載中。テレビ、雑誌、ラジオ等各方面で活躍中。電子書籍「モテる!ソーシャル恋愛術」「ここで差がつく街コンテクニック」等。趣味は鉄道。
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