休日に上司から仕事の連絡が絶えず休めない、これってパワハラ?
休みの日に家でゴロゴロしていたら、会社の上司からメールが。中身をみると、「取引先からクレームが入ったからすぐに対応してくれ」と一言。
大切な取引先に迷惑をかけるわけにはいかず、重い腰をあげスーツに着替えて休日出勤。社会人になれば、誰でも一度や二度、こんな経験をしたことがあるのでは。
休日まで仕事の対応を強要する上司、これってパワハラにあたるのでしょうか?労働法の観点からはどんな問題が生じるのか、弁護士の島田先生に聞いてみました。
休日出勤の指示を受けても、上司を訴えることはできない
「休日であっても、業務上の必要があって上司から連絡があったとしても、パワハラにあたるとまではいえません」と島田先生。
「もちろん、上司から電話で人格を傷つけるような叱責を受けたり、ひっきりなしに暴言メールが送られてきたりするようであれば、パワハラにあたりますが、その場合は、休日かどうかという問題ではなくなっています」(同)
業務内容によっては、休みの日であっても直ちに対応が必要な場合もあるとはいえ、せっかくの休日に上司からプライベートの携帯に連絡が入ると、気分が台無しになってしまいますよね。
最近は、LINEで業務連絡をする上司も増えているようで、その非常識な行動に頭を抱える若者も少なくないのだとか。こんな迷惑上司には、どう対処すればいいのでしょうか。
会社は「時間外賃金」を支払う義務がある
「休日に取引先への連絡やある程度時間を必要とする対応をした場合には、時間外の業務ですので、残業代を請求することができます。
休日に対応するように上司から指示があったことやその対応にどのくらいの時間を費やしたのか等については、労働者側が立証しなければなりませんが、上司からの指示がメールやLINEに残っているのであれば、証拠の一助となるでしょう」
携帯電話がすっかり普及してしまったおかげで、休みでも職場から連絡がきて、鬱陶しいと感じる人も多いのでは。
休日返上で働きっぱなし。会社にエネルギーをすべて吸い取られて、身も心もボロボロ……にならないように、オンとオフの切り替えは、自分で上手にコントロールしていきたいですね。
【島田さくら・プロフィール】
弁護士法人アディーレ法律事務所 所属弁護士(東京弁護士会所属)。自身の過去のオトコ運の無さからくる経験(元彼からのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられたこと)をもとに悩める女性の強い味方として男女トラブル、さらには労働問題などを得意分野として多く扱う。シングルマザー弁護士として、相談者の悩みを解決するかたわら、家庭では子育てに奮闘している。弁護士が教える労働トラブル解決サイト、アディーレ法律事務所H