クリニック/44歳、閉経を意識する年頃・・・気になることがあります
今回は読者の方からの質問にお答えします。
質問:
44歳女性です。閉経を意識する年頃なのですが、最近、
・生理周期が短くなった
・生理の量が増えた
・日数が長くなった
ことで心配しています。
周期は、今まで28日くらいでしたが、だんだんと短くなってきました。量は、1日目から4日目までは多く、夜用長さ30センチのナプキンが2時間で満タンになってしまいます。夜寝るときはナプキンとタンポンを併用しているのに、シーツを汚してしまいます。
年齢的に閉経を意識する年頃で、同世代の友人は「量が減った、生理が来ない月がある」と言うので、出血量が増えているのは心配です。何か病気が考えられるのでしょうか?
回答「一般に45歳くらいより少し生理は変化してきます」
最初に生理の周期が短縮することがあげられます。し かし短縮しても定期的にあり、排卵もきちんと起きています。 生理の出血量の減少や生理期間の短縮もこの時期に 感じ始めます。
細かいことを言うと、生理周期の短縮は確かにわずか
な卵巣機能の低下を意味し少し閉経に近づいたサインです。
しかし明らかなホルモン異常はありません。また、
この時点で更年期症状はまだでてきません。卵巣機能の低下は
ストレスや疲労などが原因している場合もあります。
まずは規則正しい生活習慣への見直しが基本です。原
因のはっきりしない不調がある場合は漢方療法などをよく行います。
またよく聞かれることに、更年期に備えて何かすべき
ことは?卵巣機能を保つためにすべきことは?という質問がありますが、
ともに、何か準備しておくものでも予防できるものでもありません。
体調の不良が現れる場合があり、それが更年期のせいかも
しれないと知っておくことは重要です。
更年期障害で苦しむ人は実はそう多いわけではありません。
怖れる必要はありません。規則正しい生活、心身ともにストレスを減らす
努力などはとても有効と思いますが、何か特別な予防薬や予防法があるわけ
ではありません。あまり色々な情報に惑わされないようにしたいものです。
そして何か症状があり、それが生理の変化と同時に出てきた場合
更年期障害を疑い、婦人科への受診を考えましょう。
最後に月経量の増加ですが、更年期の時期にかえって月経量が
多くなる方がいます。ホルモン失調のせいもありますが、子宮筋腫
や子宮腺筋症など婦人科の病気が原因している可能性もあるため、
婦人科に受診することをお勧めします。