クリニック/基礎体温ってつけたほうがいいの?
20代30代女性の受診理由で多いのは“月経不順”です。
不正出血がともなっていたり下腹部痛がともなっていたり様々ですが、「思っていたよりもずっと早く生理になってしまった」または「予定の日を過ぎても生理が来ない。妊娠の可能性はないはずだけど」などと訴えてお見えになります。
疾患としてみる場合、専門的なことが色々ありますが、私がいつもお勧めしているのは基礎体温表をつけることです。基礎体温はBBT(basal body temperature)ともいいます。
基礎体温表をつけることでさまざまな貴重な情報が収集できます。正確な月経周期、正確な不正出血の時期や量、排卵現象の有無、卵胞発育にかかる日数、黄体期の機能状態、排卵期での帯下増量の有無など、実に多くのことが把握できます。
しかも基本的にはすべて自分でする事なので、検査料をかけることなくここまで分かってしまうのです。
しかし実際にはとても面倒なことです。朝の忙しい時間にベッドからとび起きないで、じっとして体温測定し記録するわけですから。
しかも、今はあまり学校保健教育でもBBTについて触れないのでしょうか、BBTをつけたことがある人はほとんどいなく、基礎体温という言葉自体を知らない人も多いです。
女性はみな、一度はつけてみるべきだと考えています。第一に健康状態のチェックにとてもいいです。
イライラしてしまうのが月経のどんな時期なのか、ストレスが強くかかったり、とても忙しかった周期には、不正出血が出現したり周期が乱れたり、排卵が抑制されてしまったり。心と体の状態がいかに月経に影響しているか手に取るようにわかります。
つけていただいたBBTから上記のようなお話をすると、たいていの方は「へぇー」「ほぉー」と感心しきりとなります。BBTをつけ読み取ることができるようになれば、妊娠しやすい時期や逆に妊娠しない時期も自分でわかります。
是非皆さんBBTをつけてみましょう。わからないことがあればどうぞご相談ください。
ちなみに、普通の体温計ではなく「婦人体温計」というものを買わなくていけません。この婦人体温計、小数点以下2位まで測定できるものです。例えば、36.47℃とか。
種類もさまざまあります。自動で記録し表にしてくれるものまでありますが、見にくく判定が困難です。普通に体温だけ測れるシンプルで安いものでも十分です。
きちんと基礎体温表にコメント付きで記載することでより有益な情報が得られます。ちなみに、基礎体温をつける表は病院でもらえますが、体温計についてきたり、インターネットなどからも入手可能です。