出会いの場は焼き鳥屋。でも欲しいのは司法書士の夫!?/行政書士・中村麻美さん
舞台スタッフから一転、行政書士として独立――。異色のキャリアを持つ中村麻美さん(32歳)。凛とした物腰と、迷いのない発言の数々からは、まさに”自立した女性”の印象を受ける。しかし、休日は近所の焼き鳥屋に一人で通うという”オヤジ”な一面も…。
行政書士はメリットばかり!?
――今年5月に開業されたばかりの行政書士さんだと伺いました。以前は何を?
中村:舞台スタッフとして、作品の時代背景を調べたり、時代考証をしたりしていました。芸術系の大学で勉強をしていたので、その流れで。
――行政書士とはまったく違うジャンルのお仕事ですよね。どんなキッカケが?
中村:舞台業界はフリーランスの人が多いのですが、仕事が増えてくると、人を雇って法人化することが多いんですね。その手続きのお手伝いをしているのが、行政書士だと知りました。
調べてみると、法学部を出ていなくてもOKだし、弁護士ほど法律に通じていなくてもいい。それでいて、手に職をつけられるから将来的にも安心、と良いことばかり書いてある。これはスゴイ! と(笑)。
――その後、舞台スタッフを辞めて、会社員をされていたそうですね。それは、なぜ?
中村:「株式会社」というものを体験するためです。開業したら会社設立のお手伝いをしたいと考えていましたが、会社勤めの経験がないと、イメージをつかみにくいと思ったんです。
そこで、ビジネススキルの習得や社会勉強を兼ねて、企業に就職しました。3年ほど働きながら勉強して、3回目の受験で合格。今年の春に無事、独立することができました。
――転職に際して、迷いはなかった?
中村:ないですね。私にとって、仕事は仕事。趣味ではありませんから、ビジネスとして成立するかが重要です。その意味で、舞台スタッフの仕事はとてもハードだったので、一生、続けていくことはできないと感じていました。
それに、行政書士はとても性に合っているんです。舞台スタッフの仕事でも、時代背景を調べたりするために資料を読むことが多かったし、趣味も読書ですから。
悩まない。ただ、考える
――実際に開業してみて、どうですか?
中村:今は会社設立の業務がメインなので、お客様は、まさに人生の晴れの舞台を迎えようとしている方ばかり。私までモチベーションが上がります。
無事に手続きが終わると、ほとんどの方がお礼のメールをくださるんですね。
お金を頂きながら、お客様にも喜んでいただけるなんて、すごくいい仕事だなと思っています。
――素敵ですね。でも、苦労はありませんでしたか?
中村:最初のうちは1件も問い合わせがなくて困りました(苦笑)。でも、貯金がなくなったらまた就職すればいいし、コンビニのバイトだって、一人なら生きていけますから。
――強いというか、現実的というか(笑)。あまり悩まないタイプ?
中村:そうですね、昔からあまり悩んだことがないです。それよりは、どうすればいいのか考えて、行動しますね。
一冊の本が人生を変えた
――今年5月に開業されたばかりの行政書士さんだとうかがいました。以前は何を?
中村:舞台スタッフとして、作品の時代背景を調べたり、時代考証をしたりしていました。芸術系の大学で勉強をしていたので、その流れで。
――行政書士とはまったく違うジャンルのお仕事ですよね。どんなキッカケが?
中村:舞台業界はフリーランスの人が多いのですが、仕事が増えてくると、人を雇って法人化することが多いんですね。その手続きのお手伝いをしているのが、行政書士だと知りました。
調べてみると、法学部を出ていなくてもOKだし、弁護士ほど法律に通じていなくてもいい。それでいて、手に職をつけられるから将来的にも安心、と良いことばかり書いてある。これはスゴイ! と(笑)。
――まさに、一冊の本との出合いが人生を変えてしまったわけですね。
中村:開業したら会社設立のお手伝いをしたかったので、まずは社会勉強も兼ねて企業に就職しました。そこで3年ほど働きながら勉強して、3回目の受験で合格。今年の春に無事、独立することができました。
――転職に際して、迷いはなかった?
中村:ないですね。私にとって、仕事は仕事。趣味ではありませんから、ビジネスとして成立するかが大事です。その意味で、舞台スタッフの仕事はとてもハードだったので、一生、続けていくことはできないと感じていました。
それに、行政書士はとても性に合っているんです。舞台スタッフの仕事でも、時代背景を調べたりするために資料を読むことが多かった。私の中では、読む資料のジャンルが法律に変わっただけという感じですね。
でも、案外身近にいるのですよ。
合コンは営業の場…かも
――先ほど、「一人なら生きていける」と言われましたが、結婚願望はないんですか?
中村:それはあります。子供も欲しいし。特に甥が生まれてから、子供という”生き物”に興味がありますね。あんなに小さいのにきちんと爪があったり、ものすごいスピードで成長していく。当たり前のことかもしれませんが、すごく不思議だなと思います。
――結婚相手に求めるものってありますか?
中村:自分ができないことをできる人は、素敵だなと思います。例えば、私は虫が苦手なので、何とかしてくれる人がいたらいいですね。虫のせいで毎年、夏なると結婚したくなるくらいです(笑)。
あとは、自分がすごく大雑把なので、細かく物事を積み上げていける人はすごいなと思いますね。
――すごくしっかりした印象なのに、意外ですね。
中村:友だちには、ヌケてるって言われますよ(笑)。
――ほかに、恋愛で大事にしていることは?
中村:お互いに思いやれるかどうかですね。どんなに忙しくても、大事に思っていれば、メールを1通送るくらいの時間はつくれると思うんです。そうじゃなかったら、一緒にいる意味がない。
――実感がこもってますね(笑)。最近、流行りの婚活に興味は?
中村:お酒が好きなので、誘われれば合コンには行きます。営業を兼ねて(笑)。
――やっぱり、しっかりしてます…というより、したたか?
中村:基本的に、一緒に仕事をしたことのない人は好きになれないんです。その過程で相手を知って、好きになることが多いので。
理想は司法書士の夫
――オンとオフで意識していることは?
中村:基本的に今は24時間、仕事という気持ちです。深夜でもメールに気づけば返信しますし、徹夜になることもあります。逆に、平日でも仕事がなければ切り上げて買い物をしたり、映画を観たり、メリハリをつけますね。
休日は家でのんびり過ごすことが多いです。よく行くのは近所の焼き鳥屋さん。一人で食べていても自然と友人が増えて、みんなで花火やバーベキューをすることもあります。
――すごく充実していますね。
中村:今の生活は理想に近いですね。好きな仕事ができて、リラックスできる環境もあって。
――まだ何か求めるとすれば?
中村:今は一人で仕事をしているので、できることが限られています。でも、行政書士の業務はもっといろいろある。今後は人を増やして、会社を大きくしていきたいですね。
――プライベートでの目標は?
司法書士さんと組んで仕事をすることが多いので、司法書士の人と結婚できたら理想的です。一連の流れで仕事ができますし、その都度、お金を払わなくても済みますから(笑)。
中村 麻美(なかむら あさみ)
1978年生まれ、東京都出身。行政書士。シーズ行政書士事務所代表。
ON:
芸術大学を卒業後、新宿コマ劇場をはじめ全国の劇場で舞台スタッフとして働く。その後、フィットネス企業に正社員として入社。フランチャイズ本部で店舗開発や契約管理に携わる。2010年5月、行政書士事務所を開業。
OFF:
趣味は読書や映画・舞台観賞。好きな作品は、映画『天空の城ラピュタ』(宮崎駿)などのジブリ作品や、舞台『父と暮せば』(井上ひさし)など多数。近所にある行きつけの焼き鳥屋や、バーに行くのが楽しみ。