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《特集③》FXで実際に運用してみる!

初心者向けのFX入門特集も今回が最終回。実際の運用についてご紹介していきます。 目標はお金を増やすことですが、大きく増やそうと思えば大きく負ける覚悟が必要だし、安全な運用を考えれば大きく増やすことはできません。当てずっぽうでは元本割れリスクも高まるので、最初の戦略が大切です!

1.利益は小さくてもリスクを最小限にしたい人は、「外貨預金風運用」を

銀行の定期預金より高い利息を期待したい、元本割れは避けたい、そういう人には、「外貨預金風運用」がおすすめです。

長期的に考える預金の一環だとイメージしてもらってよいと思います。基本的には金利を狙う方法です。

貯蓄の考え方について

FXは、お金の運用ではかなりハイリスクな商品です。ですから、いくら安全な方法を取ったとしても、全財産を投資するのは大変危険です。

将来の備えとして貯蓄を考えるとき、最初に預金を増やすことから始めます。少しFXの話からは外れますが、預金0の人はFXを始めるべきではありません。

  1. 当面の生活費 : 少なくとも2~3か月分の生活費を預金しておく(貯蓄預金などを利用)
  2. 目的別預金 : 記念日お祝い預金、欲しいものを買うため預金等(目標日を決めて定期にする等)
  3. 短期預金 : 1年~5年くらいを目処に備えを作っておく(ネット定期や国債で賢く運用する)
  4. 長期預金 : 5年~10年くらい先に残したい預金(10年定期などにして使わないようにする)

上記は一例ですが、私たち女子のライフプランを考えると重要です!保険で備える考え方もありますが、ある程度計画的な預金作りができれば最小限の契約に切り替えてよいと思います。

もちろん、預金はあくまでも預金であって、ほとんどお金を増やすことができません。特に、今は金利水準が最低レベルです。

そこで、預金ができてきたら、投資を考えます。投資信託、株式投資などの金融商品ですね。FXもそのひとつと考えてください。くれぐれも、将来の預金をつぎ込まず、余裕資金で行ってください。

銀行の定期預金との比較

金利水準が最低レベルと書きましたが、現状どれくらいかご存知ですか?通常の普通預金で年利0.04%、10年定期で年利0.4%、100万円を10年預けても32,000円です(税引き後)。
インターネットバンクを使えばもう少しましになります。キャンペーン期間であれば年利1%程です。それでも、100万円を10年預けて8万円にしかなりません。

そこで、外貨に目を向けてFX投資するのが有効となります。ここでご紹介する「外貨預金風運用」では、低金利が続く日本円を、高金利の外国通貨での運用していくのが目的です。

外貨預金との比較

外国通貨の金利を狙うなら、外貨預金でもよいのではないかと思われるかもしれません。外貨預金のメリット・デメリットは次の通りです。

  • ○外貨での元本割れがない(1万米ドルは1万米ドルのまま残る)
  • ×手数料が高い
  • ×手数料が高いため、こまめな運用ができない(手数料で損が出る)
  • ×こまめな運用ができないため、ハイリスク

外貨預金は、早く言ってしまえば、銀行で外貨に両替したものを持っているのと同じです。たとえば、海外旅行に行ってあまったお金が手元にあったとして、レートが変わったとしてもそれが減ることはありませんよね。

そういう意味では、FXより安心です。特に、海外旅行によく行く人は、タイミング悪く両替してしまったというくらいのものです。

でも、デメリットは大きいです。手数料が高いのです。FXの10倍くらいにはなるでしょう(銀行は片道○円、FXは片道○銭)。1度の取引ならそんなに大差はありませんが、何度も繰り返すと、うん万円単位で損してしまいます。

、その損がこわくて解約できないでいるうちに為替差で損を膨らませてしまうこともあります。

FXの場合は、ある水準に達すると強制執行で元本を大きく割ってしまうことがあります。でも、強制執行を回避できるだけの証拠金を入れておけば安心です。
また、予想外に大きく相場が動いてしまったら、一度損益を確定させて(ポジションを解約する)、次の戦略に移るのが簡単です。手数料が安いので、何度でも戦略を立て直すことができるのです。

「外貨預金風運用」の方法

前置きが長くなってしまいましたが、「外貨預金風運用」の方法をご紹介します。”風”というのは、上で書いたとおり外貨預金とは違うからです。高金利を受け取るという外貨預金のメリット部分だけをFXに乗せ変えます。

通貨選び

まず、通貨選びからです。主要通貨と呼ばれるものには、「米ドル」「ユーロ」「英ポンド」「豪ドル」「NZドル」があります。最近はFXでも取り扱い通貨が増えていますが、主要通貨以外は情報が少ないので、初心者は手を出さないほうがよいと思います。

金利を狙うので、高金利な「豪ドル」「NZドル」がこの運用には適しています。迷ったら豪ドルでいいでしょう。資源国なので、ファンダメンタルズが安定しています。

ポジションは常に買い

念のために書いておきますが、金利を受け取ることができるのは、金利の高い相手国の通貨を保有している場合です。
豪ドルと日本円の取引なら豪ドル、ユーロと米ドルなら米ドルを保有します。

日本円は、今のところ主要通貨に対してはもっとも金利が低いので、常に買いのポジションを取ればOKです。

FXの特徴として、売りのポジションを持つことができますが、金利を支払わなければならないため、金利狙いの取引ではやりません。

レバレッジ5倍以下 ※数字はあくまでも例としてざっくりと計算したものです。

FXでうまいことをいう人は、「10万円から初めて1000万円になる」などと言いますが、それは小額で大きく賭けています(レバレッジを大きくしている)。
そういう賭け方ができるのがFXの面白さなのですが、リスクを最小限に狙うには、レバレッジを1倍にします。つまり、そのままの値段で買います。

たとえば、1豪ドル=75円のときに1万豪ドル買うとすれば、75万円必要だということです。この場合、1日約90円の金利を受け取ることができます(2010/6/5現在、金利は変動します)。
年間32,850円のスワップポイント(利息相当額)を受け取ることになりますね。同額を銀行の定期預金に1年預けた場合、利息は360円です(年利0.06%で計算)。

この違いはずいぶん大きいですよね。もちろん、3万円程度しか違わないので、1豪ドル72円に変動してしまえばプラマイ0になってしまいます。これが為替取引の難しいところです。
でも、長期で考えれば、10年で約30万円の違いになります。それだと、1豪ドル42円までの下落に耐えられます(ロスカットルールによるので要確認)。過去10年でそこまで下落したことはありません。

もし仮に、10年後1豪ドル60円にまで下落してしまったとしても、為替差益でマイナス15万円、スワップポイントでプラス32万円となり、17万円の利益となります。

銀行の10年定期では金利の高いネットバンクでも5~6万円にしかならないので、FXのほうが有利な運用といえます。

そこまで資金を用意できない場合は、5倍くらいから初めてもよいと思います。先ほどの例で言うと、25万円ではじめられます。相場が短期間で急落するのはそう多くありませんから、徐々に証拠金を増やしていけばよいのです。

ただし、買ったタイミングが悪ければ、10円~20円程度の下落は考えられるので、レバレッジ1倍に比べればリスクが高いです。

決済注文の出し方

ファンダメンタルズは、どう評価するかが重要であると書きましたが、どのように見ればよいのでしょうか?まずは、経済カレンダーについてです。経済カレンダーには、必ず下記の4つが書かれています。

長期で金利を狙うといっても、経済情勢から見て「ここが天井だな」と思う水準にきたら、一度利益を確定させましょう。金利以上の利益が出ます。

うまくいけば、金利数年分にも相当します。、次の下降トレンドが終わるのを待ち、頃合をみて買いなおします。

この外貨預金風運用の場合は、損失を確定させるロスカットの予約はしなくてもよいです。もし、こまめに相場を読めるなら、一度損益を確定させて下落がおさまったところで買いなおすのもよいと思います。でも、そうでなければ小さく何度も負けてしまうことがあります。

逆に、利益が出ているときはロスカットの予約を入れます。たとえば、75円で買った豪ドルが78円になったとします。そのときは、76円当たりに決済注文を入れるのです。

すると、76円まで戻ったとき自動的に決済されるので、元本割れしません(1円分の為替差益と、決済日までのスワップポイントが利益となる)。その後、また安くなったタイミングで買いなおします。

「外貨預金風運用」の注意点

  • 総体的にみて安いタイミングで買うようにしましょう。
  • 相場が急落しているときは、戦略を見直すようにしましょう。
    (豪ドルは2007年後半から一年で50円以上下落している)
  • 短期で決済するとマイナスになる可能性があるので注意しましょう。

2.リスク覚悟で大きな利益を狙いたい人は、「デイトレーダー的運用」を

「外貨預金風運用」では、貯蓄や外貨預金との比較を考えましたが、「デイトレーダー的運用」は全く性質が違うと考えてください。
ハイリスク・ハイリターンで、ギャンプル性が高いものです。”為替相場は神のみぞ知る”という人がいるくらい、いくら分析しても急な変動で負けることが多々あります。

デイトレーダーとは

デイトレーダーとは、一日に数回の取引をして細かく利益を上げる人のことです。変動の少ない日でも一日に1円程度は動くので、うまく取引できれば、上がるタイミングで1万円+下がるタイミングで1万円など利益を上げることができます。
ただし、これができる人はほんの一握りであり、常にチャートをにらんでいるような人です。
つまり、これが仕事という人です。普通の人はこんなことはできませんから、決済注文を予約で出しておくことで、これに近い方法で利益を上げていきます。
ですから、デイトレーダー”的”運用とここでは呼んでいます。

「デイトレーダー的運用」の方法

通貨の選び方

デイトレーダー的運用では、主要通貨である「米ドル」「ユーロ」「英ポンド」「豪ドル」「NZドル」の、どれを選んでも大丈夫です。それぞれ特徴があるので、参考にしてください。

  • 「米ドル」→情報量が多く相場が読みやすい。変動はそれほど大きくない。
  • 「ユーロ」→米ドルに次いで情報量が多いが、最近の欧州経済の状況が悪く急な変化が多い。
  • 「英ポンド」→米ドルと同じような動きをするが、最近はユーロに近い動きをすることも。変動がもっとも大きいので、あっという間に大きな利益が上がったり、お金を失ったりする。
  • 「豪ドル」→世界経済に左右されやすい。金利狙いで運用している人が多いため、リスク回避の動きは激しい。
  • 「NZドル」→この中ではもっとも安いので買いやすい。変動が意外と大きい。

レバレッジ50を限度に高く設定する

外貨預金風運用では、レバレッジを最小の1、もしくは高くても5に設定するように紹介しましたが、デイトレーダー的運用では、逆に目一杯レバレッジを利かせて取引します。
スリルがある取引です。といっても、レバレッジ50を限度に考えてください。それ以上は、行きすぎです。(いずれにせよ、2010年8月から取引に関する法律が変わり、レバレッジ50以上に相当する取引ができなくなります。)

例をあげると、1NZドル=65円のとき、1万NZドル買うには65万円必要ですが、レバレッジ50の場合13,000円程度となります。
1英ポンド=135円のとき、1万英ポンド買うには135万円必要ですが、レバレッジ50の場合27,000円程度となります。小額で大きく賭けられることになります。

ただし、特に世界を揺るがすようなニュースがなくても(普通の日でも)、1円~3円程度は動きます。
NZドルで、ロスカットルールを維持率50%以下としている場合、先ほどの例では65銭下がっただけで強制決済となり13,000円が6,500円になってしまいます。もちろん、逆に動けば13,000円が19,500円になります。

強制決済を防ぐためには、多めに証拠金を入れておく必要があります。引き続きNZドルの例で説明すると、証拠金13万円を預けておけば、ひつのポジションの取引がレバレッジ50だとしても、全体で計算したら5倍に相当します。

決済注文の出し方

デイトレーダー的運用の場合は、基本的には必ず決済注文を出しておきます。長期で運用できるほどの証拠金を入れていないわけですから、相場の上下に耐えられず資金を失ってしまう可能性があります。具体的には、次のようにします。

  1. 注文したプライスから1円損失が出るポイントに決済注文を出す(逆指値の予約)
    ※90円で米ドルを買ったら、89円以下になったら売るように予約注文をする。
    ※110円でユーロを売ったら、111円以上になったら買うように予約注文をする。
  2. 利益目標は自分で考えて指値注文をする
    ※90円で米ドルを買って、95円まで上がると思ったら、その数字で売り注文を出しておく。
  3. 決済されなかったときは、その時点からまた戦略を練る
    ※90円で米ドルを買い、89円にロスカット注文、95円に指値注文をしたが……・
    →93円でクローズしたとき、まだ上がりそうなら、ロスカット注文を1円下の92円に変更する。もう上がりそうになければ(下がりそうなら)、そのプライス93円で決済する。
    →89.5円でクローズしたとき、上がりそうなら目標が95円でよいのか再検討する。下がりそうなら、そのプライス89.5円でロスカットしてしまうか、89円のまま様子をみる。ロスカット水準をどんどん切り下げていくのはNG。

短期取引に徹する

デイトレーダー的運用は、短期取引に徹するようにします。もっとも危険なのは、短期で取引するつもりが、損失が出てしまったため長期で様子をみるという場合です。長期運用の資金がないのに、どんどん損失を膨らませる可能性があり危険です。

理想は、一日で取引を終了させることだと思います。たとえば、朝90円で1万米ドルを買う。決済注文を89円のロスカット、92円の指値で入れておく。仕事の合間にチェックしたとき、2万円勝っている。いいですよね。

もし、仕事がお休みなどでチャートをずっと見られる環境にあるなら、もっと短期で稼ぐことも可能です。ビッグニュース直後は1円くらい上下するので、それに乗って注文するのです。初心者は危険だからやらないほうがよいと思いますが、1万通貨の単位なら1分で1万円稼げたりします。

「デイトレーダー的運用」の注意点

  • 短期で稼げるが、短期で負ける可能性も高い。
  • チャート分析やファンダメンタルズのチェックなど、自分なりの指針で予想を立てなければならない。
  • 失ってもかまわない程度の資金が必要。

3.ある程度の利益とリスクを考える人は、「リスクヘッジ運用」を

最後は、「リスクヘッジ運用」についてご紹介します。リスクヘッジとは、リスクを分散させることです。
「外貨預金風運用」と「デイトレーダー的運用」を組み合わせたものです。かなり両極の方法を書いてきましたが、その中間でやれればもっとも効率的です。

中間とは

中間のやり方には、2通りあります。ひとつは、この両極を実践すること。もうひとつは、この両極の中間的な運用をすることです。
後者は、レバレッジでいうと25くらいの取引ということになります。ここでは、前者の取引をおすすめします。なぜなら、少なくとも「外貨預金風運用」の資金だけは守れる可能性が高いからです。

FXをはじめる時は、多くの人が勝つつもりです。でも、実際は負けて痛い目にあい、そのまま退場してしまう人が多いのです。
そういう事態を避けるため、片方では少ないながらも確実に利益を上げて、もう一方で勝ったり負けたりしながら高い利益を追求するというのがよいのではないかと思うのです。

「リスクヘッジ運用」の方法

  • 口座を2つもつ
    「外貨預金風運用」と「デイトレーダー的運用」、2つの口座を持ちます。そうすれば、守りの資金と攻めの資金を分けて管理することができます。
    口座開設は無料なので、費用の心配は要りません(そうでなくても、いくつか口座開設して使い心地を検討することをおすすめします)。デイトレーダー的運用に使う口座は、いざというときに備えて、モバイルツールが充実している会社を選ぶとよいですよ。
  • 両口座のバランスを考える
    重要なのは、両口座のバランスを考えることです。自分なりに予算を立てておいたほうがよいでしょう。デイトレーダー的運用に慣れてくれば、FXの特徴を最大限に活かした利益が出てくるので、(預貯金がちゃんと作られているなら)ウエイトを重くしてもよいかもしれません。

「リスクヘッジ運用」の注意点

  • 2つの口座の管理を怠らない。
  • 両口座は別の運用と割り切ってメリハリをつける。

最後に

3回にわたってお伝えしてきたFX入門特集はこれで終了です。基本的なノウハウが身につけば、後は応用です。為替相場の勘が備わってくると、取引が楽しくなってきます。
重要なのは勝つことではなく、負けないことです。つまり、元本割れを起こさないことです。そうすれば、少なくとも損失は出ません。安全に着実にお金を増やすことを祈っています。

私たち女子は、将来への備えは自分で考えなければなりません。今は気ままなライフスタイルかもしれませんが、いつ何が起こるかわからないので、できるだけお金を増やしておきたいですよね。
FXは、ある程度勉強して自分のルールを構築してしまえば、大きく負けることはありません。負けないように運用することができるようになります。老後も経済的な不安のない日々が送れますように!

編集部
編集部

女性の生活スタイルやキャリア、社会的課題における有益な情報を提供したい。

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