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セクハラ被害の塩村議員、実際に訴えたら慰謝料はいくら取れる?

セクハラ訴え慰謝料

東京都議会で「早く結婚したほうがいい」とセクハラヤジを受けた塩村文夏議員。「法的措置も辞さない姿勢である」とも一部に報道されました。実際にセクハラで訴えた場合、慰謝料はどれくらい取れるのでしょうか。弁護士に聞いてみました。

何百万という金額は考えにくい……?

回答してくれたのは、弁護士の島田さくら先生。

「塩村議員がとりうる法的措置として、
(1)セクハラ発言を行った議員個人に対して民事の損害賠償請求をする
(2)東京都に対して国家賠償請求をする
(3)セクハラ発言を行った議員について名誉棄損罪や侮辱罪を理由に刑事告訴をするということが考えられます。

セクハラ発言によってどのくらいの慰謝料がとれるかというと、もちろんケースバイケースですが、公の場で人格権を侵害するようなことを言われたということを考えても、上下関係のない人物からの1回きりの発言となると、何百万という金額は考えにくいです」(さくら先生)

なるほど「上下関係のない人物からの1回きりの発言」だと、そこまで額は上がらないようです。

過去にもセクハラで訴えた事例アリ!しかし金額は……

過去に同じような職場のセクハラを女性が訴えた事例もあるんだとか。

「高校の女性教師が同僚から『お前はSかMかどっちや』『部屋は取った。610号室に来い』等のセクハラ発言を数回受け、校長や教育委員会に相談したが適切な対応がなされず退職せざるを得なかったという国家賠償請求の事案。

セクハラ発言による慰謝料40万円、校長らの対応不備による慰謝料40万円を認めました(名古屋高等裁判所金沢支部H25.9.4判決)」(さくら先生)

これだけのセクハラ発言を受けて慰謝料が40万円というのは、安過ぎる気がしないでもないですが。

「そもそも人の傷ついた心を金銭で癒そうというのは土台無理な話。1000万円もらったって、一度受けた屈辱的な気持ちが消えることはありません。それでも、相手に責任を認めさせ、金銭で償う以外に方法もないので、どこかで折り合いをつけざるをえないというのが実情です」とのことでした。

その後の続報が聞かれないセクハラヤジ問題。塩村議員の法的行動はあるのでしょうか。引き続き注目していきたいですね。

【島田さくら・プロフィール】
弁護士法人アディーレ法律事務所 所属弁護士(東京弁護士会所属)。自身の過去のオトコ運の無さからくる経験(元彼からのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられたこと)をもとに悩める女性の強い味方として男女トラブル、さらには労働問題などを得意分野として多く扱う。シングルマザー弁護士として、相談者の悩みを解決するかたわら、家庭では子育てに奮闘している。弁護士が教える労働トラブル解決サイトアディーレ法律事務所H

編集部
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女性の生活スタイルやキャリア、社会的課題における有益な情報を提供したい。

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